天野聡美［Tokyo 7th シスターズ キャストインタビュー］たくさんの刺激を受けながら輝きを放った2023年を振り返る「メンバーのいいところだったり、頼りになるところをいっぱい見ることができた1年でした」天野聡美（Tokyo 7th シスターズ・月代ユウ役）インタビュー

インタビュー：塚越淳一
撮影：武石早代

みなさんが考えてくださったRoots.が、私たちが声を入れたことで完成した

ーー2ndライブの話を聞いた時の率直な感想をお聞かせください。

天野：
1stライブ（2023年3月4日に府中の森芸術劇場 どりーむホールで開催した＜Tokyo 7th シスターズ 2053 1st Live Startrail＞）で発表をしているので、そのレッスンをしている時には、2ndライブの話は聞いていたんです。ただ、まだ何も見えていない中でもあったので、不安と、もうその先を用意してくださっているんだという嬉しい驚きの両方がありました。あとライブをするということは、きっと新曲も出るだろうから、また新曲に出会えるんだなっていうのがすごく嬉しくて、今回のレコーディングもとても楽しみにしていたんです。

ーー確かに新曲ができるし、エピソードも進むでしょうからね。

天野：
そうですね！　その嬉しさもありました。

ーーでは、さっそく新曲についての話ですが、Roots.は今回もカッコいい曲でしたね。

天野：
よりRoots.らしさを突き進んでいるなというのは、曲をいただくたびに思っています。ラップも増えていますし。ナナシスは、レコーディングの際1人で全部通して歌うのではなく、最初に歌割りをいただいて、自分の箇所を録っていくスタイルなんですけど、「XOXO PAiN」では、全員で歌うことになっていたサビを、それぞれで分けることになったんです。Stella MiNEはサビも2人で歌って、2人で1つみたいなところがあるんですけど、Roots.はそれぞれの個性を全面に出しているところがあるので、サビも個々の声をより活かす方向で作っているんだなと思いました。「Mellow Melodies」もサビ前半はみんなで歌っているけど、後半はそれぞれになりますし。

ーー「Mellow Melodies」は、頭から離れない曲ですよね。

天野：
そうですよね！　個人的にすごく好きだったのが1番最後のところで、よく聴くと“Ah Ah”って下がる音階のコーラスを歌っているんです。それは仮歌の時はなくて、現場で作家の方が“入れたらカッコいいと思うから一応録っておこう”とおっしゃって録ったところだったので、実際に入っているのを確認して、ガッツポーズをしました。よりダークさが出ている感じがして、すごく好きなんですよね。

ーーラップなどもありましたが、苦戦したところもありますか？

天野：
「Wildflower」は、ラップではないけど、1フレーズずつそれぞれが歌っていく箇所があって、それが3回出てくるけど順番が入れ替わるんです。キャラ感をより出さなければと思ったし、曲のカッコよさもしっかり出さなければいけないから苦戦しました。曲調に引っ張られすぎてキャラ感がなくなっちゃったりしたので、何度もテイクを重ねて、ディレクションもいただきながら歌っていました。あと「XOXO PAiN」も曲の中で曲調が変わって、さらにラップも入るので、そのラップのリズム感や、どういう方向性でラップをするのかというところでも苦戦しましたね。なんか苦戦してばっかりだなぁ（笑）。

ーーRoots.は、歌が難しいですからね。でも、レコーディング現場で変わっていくことがあるのは驚きでした。

天野：
この歌い分けを変えようとかはあったりします。あと、例えば仮歌では力を抜いたり、余裕を持って歌っていたところも、Roots.だからとか、ユウだからという理由で、力を抜かずに言葉を立てて歌ったりすることがあるんです。そのほかには刻んだリズムで歌ってみようとか、その場でちょっとずつ変わったりはしていますね。

ーー3人で歌うから、個性のぶつかり合いみたいなところも、Roots.の魅力になりますしね。

天野：
そうなんです！　2053は個性的なキャラばかりですけど、その中でもRoots.はカッコいい立ち位置で、かなりてんやわんやのユニットなので。

ーーストーリーを見ていても、お互いがほかのメンバーとあまり合わせる気がないでしょう？って思いますし。

天野：でもなんとなく、お互いがお互いの存在を意識して、ちょっとずつ寄り添ってはいるんですけど、合わせる気は確かにないんでしょうね（笑）。そこがまた微笑ましいんです。

ーーなんだかんだタン・シヨン（CV：橘一花）が気を遣っているという（笑）。

天野：
ママが引っ張ってくれています。シヨンちゃんは手料理を作ってくれて、お世話をするほうに気持ちが行っちゃうところも可愛らしくて。自分が1番よ！みたいなイメージだったところで、他人に振り回されて、自分がちょっと疎かになっている姿も意外で可愛い面も見えてきましたよね。

ーー物語でも、ちょっとずつ新たな個性が見えつつありましたね。

天野：
これまではStella MiNEのこともあって、話の中心にいることが多かったユウですけど、最新のRoots.のシナリオだと、どちらかというと、シヨンちゃんとフラナちゃん（フラナ・リン／CV：長谷川玲奈）がぶつかっていたので、中心にいないからこそのユウの見え方もあるなと思いました。中心にいると自分の考え方とかが前に出てくるんですけど、今回は相手への関与の仕方だったり、ここは少し踏み込んでみよう、みたいなところが見えたなと思いました。ユウが成長して、人に寄り添おうとしたり、踏み込もうとしている気持ちが見えたのは、すごく嬉しかったです。

ーーフラナはどうでした？

天野：
フラナちゃんは、いい意味であんまり変わってなかったかもしれない。ずっとマイペースだし。でもフラナちゃんがいるからこそのRoots.のコミカルさは出ていて、いいバランスだなって思いました。

ーーちゃんと餌（シヨンの手料理）につられますからね。

天野：
そうなんですよね。ご飯は食べに行っちゃうから可愛いなぁ。コミカルな掛け合いが増えたことで、ユウに“コミカルに”というト書きがあってびっくりしました。フラナちゃんが逃げて、シヨンちゃんを巻くシーンも、テンポのよい掛け合いをユウがしていたし、そんな掛け合いができるくらい意思疎通をしようとしているんだ！って思いました。

ーーまた曲の話に戻りますが、個性の強い3人の声が合わさったものを聴いた感想を教えてください。

天野：
（七海こころとの）対談の時に、私は2番目に歌うことが多いので、完成形がわからないという話をしましたけど、聴いた時は、これがRoots.だな！ってしっくりくる感じがしました。曲を作ってくださっている方々も、Roots.にこういう風に歌ってほしいとすごく考えてくれていたので、スタッフさんを含めたみなさんが考えてくださったRoots.が、私たちが声を入れたことで完成したなっていう気持ちが強くあります。

ーーちなみに、グループLINEなどで、こうやって録ったよっていう報告や相談はするのですか？

天野：
このキャラクターはこうです！というのが自分たちの中にあるし、スタッフさんへの信頼もすごくあるので、歌い方やキャラ感に関してはあまり相談もせずに安心して歌っていますね。

ーーでは、こうやって歌っているんだろうなと想像しながら歌っているんですね。

天野：
想像はしているけど、ここは抜いて歌うんだ！とかやっぱり完成した時に思っていた以上のものが聴けたりして。この間もちょっとお互いを褒める“褒めタイム”みたいになって、ここでガナるの最高なんですけど！とか、なんで最高なバランスで可愛く歌えるの？みたいな話をしていました。これがRoots.だなというのはありつつ、2人のことをすごく尊敬しているので、ここでこれを入れるのはさすがだわ！って思うところは、いっぱいあります。

ーー次のライブでは、3人の歌だけではなくダンスも期待していいのでしょうか？

天野：
できるかな～って今は思っていますけど、期待していてください（笑）。ダンス動画をもらった段階で、不安しかないんですけどね。もうやるしかないんで。

ーーでも、練習では2人に会えるから楽しみなのではないですか？

天野：
そうですね！　会えるし、何なら練習の回数も増やしてもらおうかなと思っています。

ーーいっぱい練習して、いっぱい食べて。

天野：
お肉を食べて、タンパク質を摂って筋トレをして。私も筋トレに加わって、今回は体力有り余るくらいの天野で行きたいなと思っています。