巽悠衣子［Tokyo 7th シスターズ キャストインタビュー］ライブステージで輝く力を与えてくれるキャラクターへの溢れる想い「マツリは私の道標であり光！　じゃないと、私はステージに絶対に立てない」巽悠衣子（Tokyo 7th シスターズ／三森マツリ役）インタビュー

インタビュー：塚越淳一
撮影：河邉有実莉

QOPの持つカッコよさとマツリらしさを共存させたい

ーー1stミニアルバム『Live and let "Live”』で、印象に残っている曲や共感した曲を教えてください。

巽：
2人（野村・広瀬）が魂を込めて歌ってくれたので全曲大切なんですけど、「One」を初めて聴いた時は、歌詞がバチバチにライブを意識した曲だなと思いました。音楽に対してとか、メンバーに対して、お客さんに対して……熱いものを全部詰め込んだ曲ですよね。もちろん曲調、メロディラインもQOPらしいので、すぐに何度もリピートして聴きました。あと、歌詞がすごくキャッチーなんですよね。《まるで心中みたいだろ BANG BANG BANG》とか、なかなか歌えない歌詞だなって思いました。

ーーバンドは一心同体、みたいな感じなんでしょうね。

巽：
そうそう。そうなんです！　これを聴いて、これはどこまでも行かなければいけないなと思ったし、たぶん聴いた方も、ついていきたい！って思ってくれたと思います。今のQOPを表している、すごく楽しい曲ですね。で、その直後に「BLUE MOMENT」を聴いたんです。マスタリングした順に私には送られてきていたので。この曲は、生きている意味を問うような、自分に立ち向かっていくような、とても深い歌詞だと思いました。ナナシスの曲って、寄り添ってくれる、背中を押してくれる歌詞が多くて、そういう意味では、一歩一歩前へ歩んで行けるような温かい曲ではあるんですけど、私は《誰のせいにも出来ない明日が待っている》という歌詞がとても刺さって。背中は押してくれるけれど、誰かのせいにして生きるような楽な生き方ではなく、ちゃんと自分と向き合って生きていきなよっていう意味も込められている。ただ優しいだけではない強さを感じて、この曲がさらに好きになりました。

ーーもうツアーリハーサルを始めているそうですが、大変な曲はありますか？

巽：
もう全部です！　全部！（笑）　とは言っても数曲しか習っていないですけど、バッチバチに速くて。最初はタンタンタンタンってリズムだけの基本練習をするんですけど、曲を流した瞬間に“え、もう今のところ終わったんですか!?”ってなるくらい、全然ついていけないんです。そのくらいテンポも速いし難しいフィルも多いんですけど、できる限りやろうと頑張っています！

ーーライブのパフォーマンスで意識していることは、どんなことですか？

巽：
マツリはああいうキャラクターだし、立ち位置的にはドラムで、1番後ろから客席を見渡して、メンバー3人のことも常に見ているんですね。そういう意味でカッコよさを大事にしつつ、マツリらしさを表現するために、ライブ中は自然に笑顔になっていることが多いです。ほかのメンバーよりも微笑んでることが多いかもしれなくて、メンバーが頑張っている姿を見たり、すごく練習してきたところがウマくキマッたりすると嬉しくなるんですよね。だから、マツリのキャラクター性も相まって、見守るような立ち位置でいる気がします。そういう意味では、QOPの持つカッコよさとマツリらしさを共存させたいなって思っているかもしれません。自分の中で、2つとも大事にしてステージに立ちたいので。

ーー後ろから見ていて、メンバーのどんなところを頼もしく感じますか？

巽：
ドラマーは固定で動きが限られているけど、3人がステージ上を駆け回ってくれて、カッコいいロックなパフォーマンスをしてくれるので、バンドとしても動きが出るし、めちゃくちゃ助けられていますね。ライブでは、普段のみんなからは想像できないくらいロック魂全開なので、頼もしくもあり嬉しくもあります。

ーードラムは、前に出られないのはツラいですよね。

巽：
そうなんですよ！　私も駆け回りたいのに！っていつも思います。スネア抱えて走るとかできないのかな？（笑）　気分が乗ってきたら動き回りたくなるんですけど、そこはメンバーに任せて、こちらは冷静にリズムを取って見守っています。

ーーメンバーそれぞれのすごいところはどこだと思いますか？

巽：
広瀬は対談でも言いましたけど、パフォーマンス力です。アイドルとして培ってきた体幹と精神力と、堂々とした立ち居振る舞いがカッコよくて、QOPのロックを引っ張ってくれていると思います。あやのん（山本彩乃）は、すごくしっかりしていて、リハでも私たちのことを見て指摘をしてくれたり、QOPをよりよくしようと動いてくれるんですけど、意外とステージ上では抜けているところもあって、歌詞を間違えて、照れたりもするんですよ（笑）。それがめちゃ可愛くて！　　あと、ステージでいつも私のことを見てくれるんです。目が合って、微笑み返して、その瞬間はすごく安心するし、一緒にステージに立っているんだな～って実感します。まいちゃ（野村麻衣子）は、そこにいてくれるだけでQOPとして成立するくらいの存在感でステージに立ってくれているんです。あの華奢な身体からは想像もできないパワフルな歌声で、私たちの楽曲を引っ張ってくれる頼もしい存在です。まいちゃがいなければQOPは成り立たないので、ムラサキとしてドンと構えていてほしいです！

ーーライブ中、マツリを感じるのはどんな時ですか？

巽：
ライブ中だけでなく、QOPに関わっている時はいつもマツリを感じています。マツリは私の道標であり光なんです。　じゃないと、私はステージに絶対に立てないし、どういう気持ちで立ったらいいかもわからない。マツリがいてくれるから、自分がここで何をするべきなのかがわかるんです。曲に対するスタンスやQOPやメンバーに対する想い、そういうのも全部マツリが教えてくれるので、だからステージにドヤ顔で立てています（笑）。ホントに私1人だったら全然ダメなんですよね……。でも、マツリは絶対にステージをめちゃめちゃ楽しむ子なんです。そしてみんなにも楽しんでほしいと思っているから、そういう意味でもマツリは道標だし、ライブに向けて、私も頑張ることができます。

ーーそんな存在がステージを後ろから支えてくれていると思うと、いいですね。

巽：
そうですね。マツリはみんなを支えているし、実は私も支えてもらっています。存在を感じられなかったら迷子です（笑）。だからマツリって本当にドラムという立ち位置にピッタリだなと思うし、彼女もきっと嬉しいでしょうね。そして、その役を演じられていることにも改めて感謝です。