リリサ（Fuhua）［インタビュー後編］新生グループでのアイデンティティと覚悟「メンバー1人ひとりと気持ちを共有して、グループをボトムアップさせていけるリーダーになりたい」リリサ（Fuhua）インタビュー後編

インタビュー：竹内伸一
撮影：武石早代

すぅさんのツイートを見て、行動したら何かが変わるかなって思いました

――アイドルは好きだけれど、自分がアイドルになることは現実的に考えることはなかったんですよね？

リリサ：
大学に通っていたので、そういう考えには至らなくて、普通に就職しようと思っていましたし、実際、就職もしました。アイドルは好きでしたけど、自分がそちら側になるとは思っていませんでしたし、なれるとも思っていませんでした。

――では、子どもの頃になりたかった職業は何ですか？

リリサ：
興味があったのはアナウンサーです。大学でもサークルでちょっとそういうことをやったんですけど、狭き門で厳しい世界なので、それもあまり現実的ではなかったですね（笑）。ホントに憧れていただけで、サークルの活動でそれっぽいことができて楽しいなっていうので満足していました。就職活動では、普通の民間企業を受けていました。

――放送局などは受けなかったんですね。

リリサ：
受けませんでした。

――大学時代にハマっていたことは何ですか？

リリサ：
アカペラのサークルに入っていたんですけど、それにすごい時間を使っていました。アカペラって6人グループで活動するんですけど、グループによってどこを目指すのかとか、全然違うんですよ。私はけっこうちゃんとやろうっていうグループにいたので、大会にも出ましたし、熱中してやっていました。全国大会が毎年あるんですけど、それに出るのが目標でした。あとは、渋谷でストリートライブの大会があって、それに出たり。そこでは優勝したんですよ。

――すごいじゃないですか！

リリサ：
かなり本気でやっていましたね（笑）。（東京）ソラマチでのストリートライブにも出たりしましたし、『ハモネプ（リーグ）』には出なかったんですけど、出演している子たちはみんな友達っていう状態でした。やっぱり界隈が狭いので。

――パートは何を？

リリサ：
コーラスの1番上、トップコーラスをメインでやっていました。

――では、ハイトーンも得意なんですね。

リリサ：
そうですね。自分ではあんまり好きじゃないんですけど（笑）。

マネージャー：
Fuhuaでもハモをやってもらっているんですよ。

――デビューしたら、リリサさんのハモリにも注目しますね。

リリサ：
ふふふ（微笑）。

――アカペラサークルで活躍したけれど、一般企業に就職するんですね。卒業後も続けていこうという気持ちはありませんでしたか？

リリサ：
セミプロっていうんですか、そういう形で活動している人はちょこちょこいるんですけど、私はそれはできないかなって思って。メンバーも、学生時代だけの活動って考えている人が多くて、みんな普通に就職しましたし。今もお遊び程度にたまに集まることはあるんですけど、本格的にやるのは、大学時代で終わりました。

――アイドルは現実的ではないと思って社会人になったリリサさんが、なぜアイドルを目指すことにしたんですか？

リリサ：
私、このまま60歳くらいまで働くんだろうなって普通に思っていましたし、このオーディションに応募したのは1月だったんですけど、去年の年末までは、アイドルになることなんて考えもせず過ごしていました。オーディションのことを知った時も、最初は、やっぱり応募しようとは思わなかったんです。就職もしましたし、今さら環境を変えるのも違うかなっていう気持ちでした。それまでもアイドルのオーディションの情報はちょくちょく目にしていたんでけど、そういう気持ちだったので、応募することなんて考えなかったんですけど、今回は、大好きなサイサイのすぅさんがプロデュースってことで、ちょっと気になって。“応募してみようかな”って何度も「応募フォーム」を見たりしていました（笑）。結局、最終日まで応募できなかったんですけど、最終的に応募を決めたのは、すぅさんがTwitterで“行動しなければ何も変わらないけど、行動したら変わるかもしれない。行動した人が輝くんだよ”っていうようなツイートをされていて。それを読んで、受からなかったらそれで仕方ないし、行動したら何かが変わるかなって思ったんです。

――漠然と何かを変えたいという気持ちがあったんですか？

リリサ：
あったんだと思います。就職して働くって自分で決めたけど、やっぱりキラキラした世界に憧れはありましたし、興味はあったんだと思います。それにアカペラで人前でパフォーマンスをする機会があったので、その楽しさを知ったのもありますね。憧れていた世界と向き合ってみてもいいかなって思いました。

――会社での仕事はどうだったんですか？　楽しくやれていたんでしょうか？

リリサ：
わりと楽しくやっていたと思います（笑）。仕事が嫌だから環境を変えたいっていう理由ではないんですよ。仕事も、このまま続けていったらウマくいきそうだなっていう、自分の中で手応えみたいなものを感じていた時期でした。だから、そこでも葛藤はありました。職場の人たちに期待してもらって、すごく面倒も見ていただいていたので。“このまま頑張るのもありだな”っていう気持ちもありましたね。でも、とりあえず行動してみようと思って応募してみたんです。

――先日の8人インタビューでは、“昨日、会社を退職しました”って言っていましたよね。職場のみなさんの反応はいかがでした？

リリサ：
職場は年上の方が多かったんですけど、みなさん、FuhuaのことをSNSで調べてくださったりして、なんだか恥ずかしかったです（笑）。“応援するよ”という感じで送り出してくれて、嬉しかったです。