まなみのりさ［ライブレポート］九州女子翼の想いも抱きながら、レアセットリストで作り上げた圧巻のステージまなみのりさ＜Pop'n'Roll presents "Goodbye IDOL, Hello IDOL vol.2"＞ライブレポート

取材＆文：竹内伸一

場内が暗転し、大きな拍手が巻き起こると、いきなり4つ打ちの激しいダンスビートが鳴り響く。すると、「Circle Edge」のイントロに合わせてライトがまばゆく点滅。そんな中、3人がステージに姿を現した。SEに乗って3人がダンスを披露するのが、まなみのりさの最近の定番だと思うが、意表をついたオープニングではないだろうか。会場も驚きながらもすぐさま拍手を手拍子へと変えて3人を盛り立てていく。彼女たちは、流麗なハーモニーを聴かせながらもクールな雰囲気でダンスを切れ味鋭く決めていく。特に終盤の激しいダンスパートは息を飲むほどのカッコよさだった。

さらに「MAZE」「TOKYO」とアッパーなダンスチューンを連発。クールなだけではなく妖艶な表情も交えつつ、緩急自在なパフォーマンスで観る側を圧倒していった。中でも3人のダンスのシンクロぶりは圧巻で、激しい動きの中で、足の運びや着地のタイミングまでもがピタリと揃う。そのスキルの高さには、毎回ながら本当に感服してしまう。その想いは、会場のファンも同じだったのだろう。3曲を続けて披露し終えると大拍手で3人の熱演を讃えた。

MCではまず、まなみが“今日は九州女子翼ちゃんとのツーマンだったんですけど、コロナに感染ということで……”と、急遽単独公演となった経緯を説明。3人は口々に“私たちも経験したので、まずはちゃんと休んで”と九州女子翼を慮った。“女子翼ちゃんのファンの人は？”と会場に声をかけると、幾人かの手が挙がる。3人は“本当にありがとう！”と感謝。お目当てのグループが出演しないにもかかわらず、駆けつけてくれたファンへ、場内からも大きな拍手が生まれ、会場は温かな空気に包まれた。

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さらに、Pop'n'Rollで九州女子翼の実玖と対談したまなみが、彼女の可愛さを熱弁。“目の保養になったよ！　直接会う時は、あんまりまじまじと見れないけど、リモート（取材）だったんで、ずっと見てた（笑）”。そして“お互いの新たな一面を知ってもらえるライブになるといいねという話をしたんですよ”。すると、りさが“これまでの3曲は、珍しい曲だったんだけど、その先にある何かに気づいた？”と思わせぶりな発言を。続いて、

まなみ：
実は、先月の15周年ワンマンでは全曲披露をしたんですけど、時間の関係でショートバージョンで披露した曲たちを、今日は全部ロングバージョンでやります！

りさ：
だから、代表曲みたいな曲は、今日はないんよ（笑）。

みのり：
女子翼ちゃんのファンの方は、対バンの時にはやっていない曲ばかりなんで、まみりを深く深く知ってもらえると思います（笑）。

と、この日のコンセプトと裏テーマとでも呼ぶべき内容を発表してライブを再開した。

3本のスタンドマイクを使った「宿題」をしっとりとしたハーモニーで魅せると、“楽しんでいますか～？”とりさが煽り、「ココロト」へ。以降はポップ＆キャッチーなナンバーを続けた。3人が客席に笑顔を振りまくと、観客は手拍子や振りマネでそれに応える。すると3人は、その好リアクションに乗って、さらに躍動感あるパフォーマンスをくり出していく。そんな相乗効果が生まれ、会場のテンションはどんどん高まっていった。

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2度目のMCでは、まなみが“むちゃむちゃしんどい（笑）”と弱音を。激しいダンス曲に始まり、どちらかと言えば速めのテンポを持つ曲が多かった前半は、必然的に運動量も多く、数えきれないほど舞台を踏んでいる彼女たちでも大変なのだろう。すると、みのりが“ワンマンの時は、しんどい曲がウマいことショートになってたからね（笑）”と会場を笑わせる。まなみは“年齢を感じる～”とさらに笑いを増幅させ、場を和ませた。

一転、“女子翼ちゃんとは一緒にできなくなってしまったけど、気持ちは一緒だということで、女子翼ちゃんの曲を歌います”（みのり）と、九州女子翼の「絶対零度 – Remix ver.」をカバー。

“女子翼ちゃんはタフで、熱くてアグレッシブなライブをするんで、私たちで大丈夫かなと心配”（まなみ）、“年齢を重ねると彼女たちのストレートな感じがよくわからなくて”（りさ）、“歌だけじゃなくて煽りの声の高さも練習した”（みのり）と、3人とも不安を抱えてのパフォーマンスだったようだが、見事なハーモニーも織り交ぜ、まみり流の「絶対零度」を魅せた。煽りパートで、3人が楽しそうな表情を見せていたのも印象的だった。

女子翼のカバーに続いて、3ブロック目も激しめのナンバーが続々。「反逆のパラレルライン」では、手拍子に合わせて力強い歌声を聴かせ、「waveびーと」では再び激しいダンスが登場。みのりが“女子翼ちゃん、聴こえますか～！　女子翼ちゃんの分までみんなで盛り上がっていくよ～！”と煽ると、観客も3人と一緒に手を掲げて踊りまくった。「byebyeバイナリ」では、振り付けに合わせて、3人と観客が旋回をくり返し、さらにライブはヒートアップ。この曲のエンディングでは“ありがとう～！”とみのりが絶叫。ここでライブが終わるかのような叫び声だったが、まだラストではないことに気づいたのか“でも、まだ続くよ～！”とつけ加え、会場は再び笑いに包まれた。

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“ここは13周年の記念ライブをやった会場。次はその時に初披露した曲をやります。あの時はリモートだったので、ここでみんなの前で歌えるのが嬉しいです。心を込めて歌います”（りさ）と前置きして、「できるなら…」へ。3人が横に並び、美しい歌声を重ねていく。その表情は、どことなく感極まったようにも見え、こちらも自分の在り方を自問するかのような楽曲の世界へと引き込まれていった。

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続く「Diamond dust」ではメロディアスに歌い上げ、見応えのあるダンスを決める。切なさと凛々しさが同居する歌と、力強さとしなやかさを併せ持つダンスは、まなみのりさの多彩な魅力が端的に表れているかのようだった。アップテンポな「bye my love」を手拍子に乗って華やかに歌い踊り、3人が天を仰いでポーズを決めるとライブは大団円。会場は、ひときわ大きな拍手に包まれた。

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冒頭にもあったように、この日はいわゆる定番曲を外したセットリストだったが、3人はそれでも実に見応えのあるライブを披露してくれた。定番という自分たちの得意技を封印しても、これだけのライブを作り得るのは、やはり彼女たちに本物の実力があるからこそだろう。加えて、急遽対バンからワンマンに変わったのだから、セットリストを見直したり、演出を変更したりと、大変な部分も少なからずあったことだろう。にもかかわらず、“続けていると、いろいろなことがあるから”と笑顔で語り合える3人には、心から敬意を表したい。そんな気持ちにさせられた圧巻のパフォーマンスだった。

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入場無料ホールワンマン開催！
＜まなみのりさ最後の広島大感謝祭～気付けば三十路を越えまして...～＞

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日程：2023年1月14日（土）
会場：JMSアステールプラザ 大ホール
チケット：入場無料
※その他詳細は後日お知らせ

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