まなみのりさ［インタビュー］決断と決意の真実――解散への想いを語る「最後の日まで最高を更新し続けて、笑顔で終わります！」まなみのりさ特集『Last Days』インタビューvol.1

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3人が同じことを思っていたということもすごく大きかったと思う（りさ）

――クラウドファンディングなど、新たな挑戦もあった2021年ですけど、解散を考え出したのはいつ頃なんですか？

みのり：
3人それぞれにそれまでも考えることはあったんだと思うんです。ただ、コロナで活動できなくなって、良くも悪くもまなみのりさの活動に向き合う時間が増えたのは確かですね。それまでは、それぞれ考えることはあっても、忙しくてそこまで考えてはいなかったというか……コロナ禍で、まなみのりさに対しても、自分自身の将来や人生に対しても考える時間になったとは思います。で、3人の中で、解散についての話が出るようになったのが、ちょうど1年くらい前だったかな。アルバムの制作が始まった頃には、ちょっとずつ、そういう話が出てきていました。

――何かきっかけはあったんですか？

みのり：
何かがあったから決めたってことは特にはないんです。15周年を迎えるにあたって、やっぱり15年って節目だし、3人とも30代を迎えたというところもあって。30歳って、やっぱり人として節目の年齢だと思うんですよ。その2つの節目が重なって。それで“これからどうする？”っていう話をするようになったんです。その中で15周年という節目のタイミングで終わりにするという選択肢も、なくはないのかなっていう話を、去年の春くらいからするようになりました。

――みのりさんが“これからどうしよう？”って話を切り出したんですか？

みのり：
誰かが言い出したってことでもなくて。それまでも定期的に今後の話はしていたんですよね。“来年はどうしようか？”っていう感じで。それで、15周年をどうしていきたいかっていうそれぞれの想いを話す場があって、それから解散を考えるようになったんだと思います。

――まなみのりさとしては、前の事務所を辞めたタイミングがすごく大きなターニングポイントだったと思うんです。それを乗り越えたのに、なぜ今回解散することを決めたんだろうって思いました。正直に言ってしまえば、事務所を辞めた時の方が、状況はもっとシビアだったと思いますし、それこそ解散につながってもおかしくないじゃないですか。そんな3人が、解散という決断に至るというのは、すごく大きな出来事があったんじゃないかと思うんですが。

みのり：
前の事務所を辞めた時は、まだ25歳くらいだったんですよ。年齢がどうこうっていうのは、あまり気にはしていないんですけど、25歳の時には“まだまだこれから全然やれるぜ！”みたいな勢いがあったんですよね。あの時と今の感覚が同じかと言われると、やっぱり違う気がします。年齢は気にしないとは思いつつも、やはり30歳は違うのかもしれないですね。

りさ：
ライブができないこともあって、考える時間は増えましたよね。それも大きかったのかなって思います。

――年齢は意識しないとは思いつつも、例えば、出産などを考えると、やっぱり年齢を意識せざるを得ない部分はあるのではないでしょうか？

まなみ：
確かに、子供も好きですし、いつかはそういう選択も出てくるとは思っていましたけど、今回の決断は“結婚したいから”とか“子供が欲しいから”っていうのが理由ではないですね。まなみのりさはずっとあるものだと思っていたんですけど、いろんな経験をしながら日々歩んでいく中で、徐々に見えているものや考え方に変化や迷いが生まれていったんです。今まで考えに至らなかった解散についても、それぞれが少しずつ意識し始めたことで、選択肢の1つになってきたというか。自然な流れっていうのが大きいのかもしれないです。15周年っていうこともあって、もし決断をするなら今なのかなって、3人の中でよぎったんだと思います。3人それぞれに同じようなことを考えているんだったら、このタイミングで決断するのがまなみのりさのためなんじゃないかなって。3人でたくさん話し合いました。

りさ：
“続けたい”という想いで突っ走ってきたけど、“続けなきゃ”という気持ちをたぶん心のどこかに感じて、そうやって3人が同じことを思っていたということもすごく大きかったと思います。

――過去に解散について考えたことはありました？

まなみ・みのり：
ないです！

りさ：
事務所を辞めた時も“これから歌えるのかな”っていう不安はあったけど、辞めたいって言った人はいませんでした。

まなみ：
逆に言えば、今までたくさんのアイドルさんを見送ってきたけど、辞める決断をすることもすごく勇気がいることで、すごいな、カッコいいなって。毎回寂しさと尊敬のくり返しでした。みんな私たちのことを“続けていることがすごい！”なんて言ってくれるんですけど、同じように私たちは解散を決めた人たちに思うこともあるんです。まみりは15年ずっとありがたい環境で続けさせてもらっていたので、解散のきっかけも考える必要も今までありませんでした。私たちは今回、みんなで話し合って、納得して解散を決断したんです。今までできなかった決断をしたってことは、年齢を重ねてきた、歴史を重ねてきたっていうことなのかなって思っています。ウマく言葉にできないですけど、そんなふうに思っています。

――8月8日に行なったライブは素晴らしかったですね。360度ステージを使って、すごくコンセプチュアルで見応えがありました。解散すると聞いた上で、あのライブを思い返すと、ある意味、あそこでやり切ったという気持ちもあるのかなと思ってしまいますね。

まなみ：
確かに、この先が想像しづらいライブだったなと思います。今までならば、ワンマンをやると“次はこんなことをやろう”って未来を想像していたような気がするんですけど、8月8日は、そういう想像ができなかったというか……やっぱり、コロナもあって、来られなかった人もいたり、いろいろな感情が相まって、正直なところ、次のことは考えられないっていう気持ちになりましたね。

みのり：
いつも次のワンマンの告知をするんですけど、その時はできなくて。次のことが決められない状況だったんですよね。

りさ：
コロナ禍でしょうがないことだってわかってはいるんですけど、来られないお客さんが多いってことを、ステージからの景色で改めて実感したんです。それがすごく印象に残ってて。

――まなみのりさのライブ表現の到達点としては、相当なものだったと思うんですよ。360度、全方向に向けてパフォーマンスしなければならないので、振り付けも全曲変えましたし。

まなみ：
普段のライブとは全然違ったので、みんなで“ここはこうしよう、あそこは変えてみよう”って話し合いながら、すごく練り上げました。その分自信もありましたし、状況的にしょうがないのはわかっていたんですけど、正直もっとたくさんの人に観てもらいたかったです。そんな中で“じゃあ、次は？”ってなると、想像できなくて、やり切っちゃったというか……虚無感を味わったように思います。

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