第14回：夢眠ねむ〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜夢眠ねむ卒業を主軸に、小出が南波の細かすぎる変化を追及する

南波：
アイドルにインタビューしていると影響を受けたという人がめちゃくちゃいますよ。ファンに物申す人の先駆けでもあるし。髪型からスタンスとかマインドまで、いろんな形で憧れられる存在なんだろうなと。

小出：
ああいう戦い方は誰にでもできることじゃないけど、今後このシーンで戦っていく後進たちのお守りみたいな存在、っていうか概念になっていくんじゃないでしょうか。で、いよいよ、ねむちゃんがいなくなり、中堅グループもどんどん潰え。上位グループと地下だけが残っていくと。ドンシャリじゃないですか。

南波：
ブームもいよいよ……みたいなことはよく言っているけど、ホントにそういう時代が来たんだなと思う。まぁ、変な人が儲かるんじゃないかと思って付け入る隙があるくらいなら、シーンが小さくなったほうがいいような気もするし。やっても儲かりませんよっていう。

小出：
その点、バンドシーンはさ、急激にデカくもなりはしないけど、ちっちゃくなったりもしないし、上から下までちゃんとありつつ、うさんくさい人が儲けにくいからさ……って、あれ？　南波さん、それタトゥー？　タトゥー入れた？

南波：
入れた入れた。

小出：
指になんか描いてあるなと思ったら。

南波：
右の人差指にナイフ、左の人差指にフォーク。面白いでしょ？

小出：
あのね、シンプルに頭がおかしいよ（笑）。すごいびっくりしたんですけど。これ、ちゃんと原稿に落とし込んでくださいよ。

南波：
入れてもいいけど、読んでも誰も喜ばないでしょ。

小出：
カットしたら原稿チェックのときにこっちで強引に入れるから。

南波：
またそのパターン！

小出：
なんで入れたんですか？

南波：
以前にここで話した、胃がんかもしれない事件があったじゃないですか。そのときに生きているうちにやってみたいこと全部やらないとなって思ったんですよね。あとは単に40歳になった記念で。それに、いまから会社務めになったりしないだろうし。

小出：
なるほどね（笑）。

南波：
で、せっかく入れるならバカバカしいのがいいなと。

小出：
それで指のそこに？

南波：
うん。でも、うっかりしちゃったんだけど、ナイフの刃が下を向いてないんですよね。実際にナイフを持ったときに指のナイフも下を向いてたら面白いと思ったのに、上になっちゃった（笑）。

小出：
わわわ、ホントだ！　修正できないことの詰めが甘いって、どんだけうっかりなんだよ！

南波：
まぁ別に人に見せびらかすものでもないし、いいかなって。

小出：
でも、たしかに面白いね。

南波：
うちのレーベルのRYUTistのメンバーに写真撮ってくださいってスマホ渡されて、こう、スマホを構えて撮ったんですよ。そのときにメンバーが指の異変に気づいたんだけど、触れていいのかわからなくて言えなかったって（笑）。

小出：
そりゃね（笑）。いや、びっくりするよ。

南波：
自分の指が人からどう見えるかなんて考えたことなかった。ハートマーク作るとナイフとフォークが曲がるんですよ。ほら。

小出：
ユリ・ゲラーじゃん！

南波：
といったあたりで今週はもうそろそろいいですかね（笑）。ねむちゃんに関しては『まろやかな狂気2 夢眠ねむ遺言集』という本でいくつか関わらせてもらったので、発売されたら読んでほしいなと思ってます。

【今週のまとめ】
夢眠ねむ『夢眠時代』
ソロ作品を総括したベスト。「魔法少女☆未満」のオリジナルから2018年新録バージョンに至る道のりを聴くと泣けてきます。