サイファミがニジマスをさばく!? SILENT SIRENファンから見た26時のマスカレイド楽曲の魅力｜「偶像音楽 斯斯然然」第10回

煌めいたニジマスの良さを引き出す

さて、そしてここでニジマス、8月7日リリースのミニアルバム表題曲「ちゅるサマ！」である。満を持しての、作曲・クボナオキ、作詞・すぅのサイサイ黄金コンビによる楽曲だ。

26時のマスカレイド「ちゅるサマ！」（2019年）

クボのキャッチーなメロディにすぅの言葉遊びがリズミカルに躍る「ちゅるサマ！」

タイトルの「ちゅるサマ！」といい、キメ言葉“churu churu summer”といい、、なんだか意味はわからないが無性に口に出したくなる語感はサイサイ「チェリボム」（2016年）の“cherry cherry bomb”を彷彿とさせ、合いの手のように入ってくる言葉の数々は、ハッピー番長・ゆかるん（Key）の声で脳内変換されるサイファミも多いのではないだろうか。そして夏全開の爽快さはキラーチューン「ビーサン」（2013年）を彷彿とさせる……、といった具合いにサイファミが全力で嫉妬するくらいのイイ曲である。煌めいたニジマスの良さを引き出し、メジャーデビューに相応しい楽曲だ。

SILENT SIREN「ビーサン」（2013年）

サイサイが得意とする夏ソングはこの曲から始まった。ちなみに歌詞表記は“beat sunlight”というすぅの言葉遊び。作曲はすぅとクボの共作。

そしてそして、ミニアルバム『ちゅるサマ！』にはクボ＆すぅコンビ楽曲がもう1曲収録されている。M2「エンジェルナンバー」である。イントロのギターから完全にサイサイ節が感じられるマイナーロック。「ちゅるサマ！」と打って変わりクールな曲調でグッと大人びた歌声も聴きどころ。すぅ曰く“アイドルのキラキラとした表の部分（「ちゅるサマ！」）と、裏側の努力や意思を表現した（「エンジェルナンバー」）”ものだという。

同じ事務所であり、この度ユニバーサル ミュージック“EMI Records”のレーベルメイトとなったSILENT SIRENと26時のマスカレイド。ロックバンドとアイドル、畑は違えど、良い関係が築かれていると改めて感じた。余談だが、この2組が出演した2017年のクリスマスイヴに横浜で行われた野外イベント＜SOTETSU LOCK ON MUSIC 2017 X’mas Festival＞にて、サイサイの出番前のPAチェック時、自分たちの出番が終わったニジマスのメンバーが食い入るようにその様子を観ていたことをよく覚えている。

冒頭でも触れたように、2017年のサイサイフェスではニジマスは1番小さいステージだった。2018年は2番目のステージだった。そして、今年9月に開催される＜サイサイフェス 2019＞では、ついにメインステージに立つ。