鶯籠、会心ノ一撃、LiLii Kaona、感情に揺さぶりを掛けてくる“エモい”グループ|「偶像音楽 斯斯然然」第5回

鶯籠、会心ノ一撃、LiLii Kaona、感情に揺さぶりを掛けてくる“エモい”グループ|「偶像音楽 斯斯然然」第5回

鶯籠、会心ノ一撃、LiLii Kaona、感情に揺さぶりを掛けてくる“エモい”グループ|「偶像音楽 斯斯然然」第5回鶯籠、会心ノ一撃、LiLii Kaonaが描く“Emo”の音世界を紐解く

これは、ロック畑で育ってきた人間がロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。

若い世代の“エモい”という言葉の使われ方に違和感を覚えてしまうのは、私だけではないだろう。2000年代初頭にアメリカのロックバンド、Jimmy Eat Worldがブレイクし、その後、Panic At The DiscoやParamoreなどによって一気に拡まったロック形態の1つ“Emo(英語発音は“イーモウ”)”を指して“エモい”と言っていた中年世代にとって、音楽以外のことであっても、なんでもかんでも“エモい”と表現されてしまうことになんだか妙な引っ掛かりを感じてしまうのである。

ロックがいちスタイルとして確立しているアイドルシーンにおいても、“エモい”は使用されることが多い。ただ、それも激しい音楽形態を指すのではく、“感情を揺さぶる”という、どちらかといえば今どきの使い方だろう。尤も、“Emo”も“エモーショナルハードコア”と呼ばれたりするのだから、広義の意味では間違いではないのだが。

さて、そうした中で、今、私がいろんな意味で“エモさ”を感じているのが、鶯籠(とりかご)である。重厚なギターと獰猛なベースが鬩ぎ合い、荒ぶるドラムがアンサンブルを捲し立てていくオルタナティヴロックは紛れもなく“Emo”であり、そこに乗る叙情感たっぷりの刹那メロディもエモーショナルに響く。そんな楽曲を謳い躍る少女たちの姿は“エモい”と言わずとしてなんと言えようか。

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