BiS、MIGMA SHELTER、じゅじゅ……、ハードコアにゴス、そしてヴィジュアル系――ロックファンの琴線に触れるアイドルのサウンド｜「偶像音楽 斯斯然然」第9回

エッジの効いたギターロックを歌い踊るPayrin’s

瀟洒にキメた少女たちがエッジの効いたギターロックを歌い踊るPayrin’s。

Payrin's「それでも僕らの呼吸は止まない」

キタニタツヤやツミキをはじめとした、今どきな鋭角を持ったクリエイターたちの楽曲を少女たちが歌う。どこか感じるポストパンク〜ニューウェーヴな感覚。近年の新進気鋭のクリエイターやバンドを見ていると、元ネタを知らずにサラっとそれをウマく昇華させていることが多く。音楽のトレンドがある種、一巡している感覚がありつつもそれは確実にアップデートされており、よい意味で使い古されずに新鮮さを与え続けているのだと感じる。

ちょうどこの記事がアップされる翌日7月28日（日）に配信限定トリプルA面2ndシングル『Trash me/ファントムペイン/パラレリズム』をリリース。

激情と焦燥 BenjaminJasmine

最後に紹介するのは、BenjaminJasmineなるグループ。何の予備知識もなしにたまたまイベントで見かけて気になった。

BenjaminJasmine「細胞」

90年代後半に多くみられた女性ヴォーカルのオルタナティヴロックを彷彿とさせる、激情と焦燥感が交錯していくような楽曲とそのエモーショナルなアツい歌に、ふと気がつけば惹き込まれていたのだが、次曲がまねきケチャの「冗談じゃないね」のカヴァーだった……というギャップ。どうやら、まねきケチャやナナランドの所属するコレットプロモーションのグループらしい。今年4月に誕生したばかりのグループということで、まだまだこれからであるものの、なんとも気に留めておきたくなる存在なのである。