第8回：原田珠々華、南端まいな〜小出祐介&南波一海「小出は明日、昨日の南波と連載する」〜原田珠々華と南端まいなを中心に、石野理子を含めてアイドルネッサンスを卒業した歌姫3人について

【南端まいな「センチメートル」】

小出：
聴いた聴いた。声いいんですよね、南端さん。ソロで聴いてもいい声だなぁ。

南波：
アイドルって個が集合することでかかるマジックがあるじゃないですか。グループでソロパートを歌うときがすごくよくて、もっとソロを聴きたいと思っていたのに、いざソロの歌手になってみると、あれ？みたいな。

小出：
あるある。でも、南端さんは全然大丈夫っしょ。こんなにいい声の人はあんまりいない。少しハスキーな成分があってすごくいい。で、また珍しいよね、石野理子と南端まいなっていう近いタイプの声質のふたりがいたアイドルネッサンスというのは。ふたりとも中域がしっかりしてるし、ミックスボイスも使えてレンジも広い。D～D#（レ〜レ＃）くらいまでいける。石野理子が真ん中にいて、その支えとしてハモの南端まいながいて、そのまわりにみんながいるというのがアイドルネッサンスのユニゾンの正体だったと思う。

南波：
歌唱レベルとか声のよさという点で特別なグループでしたよね。

小出：
いい人材を揃えたなっていうのはすごく思う。

南波：
解散したのはまだ今年の話なんだよな……。

小出：
早いっすね……。そこから半年とかそこらでまたいろんなグループの解散が決まったなおいっていう（笑）。そう言えば、こないだ久々に石野さんに会ったよ。

南波：
おお。イベントで？

小出：
うん。まだ赤い公園メンバーと3～4回しか会ってないみたいなんだよね（※対談収録時）。メンバーと交換日記やってるって言ってた。

南波：
交換日記？

小出：
らしいよ。ガチ交換日記。

南波：
へー。メンバーからしたら新メンバーの石野さんは可愛い可愛いって感じなのかな？

小出：
そこは大久保に聞いたほうが早いと思う。

マネージャー・大久保：
今はそうですね。可愛くてしょうがないっていう。意外と石野の方がしっかりしてますよ。お姉さんたち大丈夫かっていう。

小出：
それは最初から見えてたことだけどね。あの3人は熱くて真面目でネガティブなふわっとヤンキーだから。そのふわっとヤンキーのなかに優等生の妹が転校してきたっていう日常系の4コマをおれは見たいって、（津野）米咲ちゃんに伝えた（笑）。ボーカルが決まる前の話ね。どういう人が入るかわからないけど、もし石野さんが入るなら切実にそういう漫画が見たいですって。で、そういう漫画をファンの子が描きたくなるようなバンドになったらきっと良いと思うって。

南波：
で、実際そういう状態になっていると。

小出：
だいぶ“日常系4コマ系日常”になって来てるっぽい（笑）。今作ってる新曲もすごくいいよ。創作意欲を掻き立てられるボーカルみたい。

南波：
それは楽しみ。話を戻すけど、原田さんはソロ活動を始めるにあたって“ひとり乃木坂”というテーマが頭にあって、しかもシンガーソングライターだけどアイドルでもあり、というようなことも言っていたんですよ。言っていることが小出くんの新プロジェクトみたいだなと。

小出：
……僕は乃木坂じゃないけど（笑）。

南波：
彼女はソロだけどソロにとらわれず、シンガーソングライターともアイドルとも違う道を見つけたいということを言っていたので。

小出：
あ、それはたしかに。僕が始めたマテリアルクラブは、自分たちをフレームにはめないっていうのが作品に対してすごく都合よくはたらいていて。バンドだと常に、アティテュードや理念も意識するし、バンドを見てくれているお客さんの期待に応えられる佇まいでいたいと思ってるからさ。で、せっかくバンドの外で音楽を作るんだからそういう闘いとは違うところに行こうと、マテリアルクラブはフレーミングをしないということを最初から死守してきていて。だからまず文言として、ソロでもないしバンドでもないしユニットですもないしグループでもないプロジェクトだと。

南波：
最初に言い切っておいて。

小出：
そうそう、これはプロジェクトです宣言をした。
（この続きは次週へ持ち越し！）

【今週のまとめ】
元アイドルネッサンスのメンバーの動きは、引き続き当連載でもフォローしていきたいと思っています。