【TIFオンライン2020特別対談1】沖口優奈×TIF総合プロデューサー 菊竹龍（前編）「僕は＜TIF＞に対して誰よりも時間をかけてずっと考えていようと思っているんです」沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」特別編：TOKYO IDOL FESTIVAL総合プロデューサー 菊竹龍（前編）

リーダーをやったことがあるかないかで、見える景色は違ってくると思う（菊竹）

沖口：
菊竹さんは、そもそも、なぜフジテレビに入ろうと思ったんですか？

菊竹：
中学生の頃の夢が新聞記者だったんです。でも、中学を卒業するくらいの頃に、“テレビが好きになって、キラキラしてて芸能界っていいな”って思って（笑）。それで高校生の頃にテレビ局に入りたいと漠然と思うようになったんです。当時、僕はお笑い番組が好きで、それをやりたかったんですけど、あの時代はバラエティ番組といえばフジテレビっていう感じで。“あの時代”って言っちゃっているのが、ちょっと悲しいですけど（笑）。でも、10人に聞いたら9人はフジテレビって答えるくらい、バラエティが充実していたんで、フジテレビに入ってバラエティをやりたいと思ったんです。それで、いろいろ調べたら、フジテレビの内定者は慶應大卒が多かったんです……今考えると、なんの根拠もないんですけど、当時はそう思えたんですよね（笑）。それで“慶應に行くと、フジテレビに入れる確率が高くなるのかな”と思って、慶應に行ったんです。

沖口：
そう思って慶應に入れちゃうなんて、すごいです（笑）。

菊竹：
ははは（笑）。で、大学に行って、3年間経っても思いは変わらなかったので、就職活動でフジテレビを受けて、入社したというのが経緯ですね。

沖口：
大学受験時からフジテレビに入るために動いていたんですね。

菊竹：
そういう風に言えばそうなんですけど、高校生の頃は部活やらなんやら目の前のことに必死で……実際は“彼女がほしいな”くらいのことしか考えていなかったですよ（笑）。

沖口：
青春したいなと（笑）。

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菊竹：
そうそう（笑）。

沖口：
最初は新聞記者になりたかったんですよね？　それはどういうきっかけで？

菊竹：
新聞やテレビに関係なく、エンターテイメントの分野で、何かを届ける仕事に興味があったんです。でもそんな中、学生時代の僕はクラスの1軍にはいなくて（笑）、3軍のちょっとイケてる方って感じだったんですよ。

沖口：
私もそうです！

菊竹：
やっぱり似ているかもしれませんね（笑）。前に前に出ていく気質ではないんだけど、とはいえ、3軍の中ではイキッていたい。前に出たい気持ちがないわけではないという（笑）。

沖口：
ホント、私も学生の時、そんな気持ちでした！　ちょっと上の人ともしゃべったりして（笑）。

菊竹：
あ、2軍の下の方の人とね（笑）。なので、自分が出演者になるというより、モノを作って世に出す仕事の裏方という部分をやってみたいと思っていたんでしょうね。

沖口：
中学生の頃から夢だった仕事に就いて、自分の想像と違う部分はありました？

菊竹：
全然違いましたね。テレビって、もっとなんと言うか、勢いで作られていると思ったんですよ。特にバラエティなんて、みんなで笑いながら“これ面白くない？　やっちゃおうか！”みたいなノリで作ってて、多少失敗してもみんなで笑い飛ばすみたいな。キラキラと華やかで明るい職場というイメージで入社したんですけど、実際はめちゃくちゃ細かいんです。特に、最初に就いたADでは、“これも仕事なんだ？”ってことがたくさんありました。僕が最初にADをやったのが、3.11（東日本大震災）の年の7月くらいで。まだ世の中がざわざわしていた時期だったんですけど、僕の仕事は被災地の南三陸町に1ヵ月住み込んで、地元の方々と人脈を作る、というものだったんです。

沖口：
そんな仕事があるんですか！

菊竹：
8月に南三陸町で、フジテレビとしてお笑いライブを生放送でやりたいということになったんです。震災直後は、ミュージシャンの方がライブをやったり、俳優の方がトークショーをやったりはしていたんですけど……。

沖口：
AKB48さんもやっていましたよね。

菊竹：
ステージトラックでライブをやったりしていましたよね。でも、お笑いライブはまだやっていなくて……。

沖口：
お笑いライブをやるには、まずそこから始めないといけなかったんですね。

菊竹：
そうなんです。学生の頃には、そんな仕事があるなんて思ってもいませんでした。でも、実際は現地の人がすごく明るくて。当日は『27時間テレビ』の生放送でライブをやったんですけど、現地のみなさんがすごく笑ってくれているのを見て、いい仕事をやらせてもらえたなと思いましたね。でも、こんな仕事があるなんて、学生の頃は知らないですよね。

沖口：
そういう風にゼロから作り込んでいって、ようやくみなさんが目にする番組やイベントになるんですね。私も、高校の頃、バラエティ番組がすごく好きで観ていたんですけど、やっぱりキラキラしている部分しか観てなかったと思います。芸能の仕事をさせてもらうようになった今でも、そんな仕事があることを初めて知りましたし。どんな仕事でもいろいろな努力が集まって成り立っているんですね。アイドルも、いろいろな方の力があって、やっと表に出られているので……。

菊竹：
僕はADとしてそういう仕事を体験して、そこで見えてくるものがありました。でも、リーダーにならないと見えない景色もありますよね。僕らは自分から前に出てリーダーになったわけではなくて、人に押されてリーダーになりましたけど（笑）。

沖口：
大変なこともありますけど、楽しいこともありますよね。リーダーじゃなかったら、こういう楽しさってきっと別のものに感じるんだろうなって思うことがあります。

菊竹：
リーダーになって、自分が責任を持って矢面に立つ、各所と向き合って戦っていく……それがどんな小さなコミュニティでも、リーダーをやったことがあるかないかで、見える景色は違ってくると思うので、僕も（リーダーを）やってよかったと思いますね。沖口さんも、リーダーをやった経験があるというのは、今後、違う何かに取り組むことがあっても、見えてくる景色が違ってくると思うので、すごく意味があることだと思いますよ。

沖口：
引き続き、頑張ります（笑）。

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