無観客ライブ配信で怪物音響!? ギュウ農フェスが見せた心意気|「偶像音楽 斯斯然然」第28回
冬将軍
音楽ものかき
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これは、ロック畑で育ってきた人間がロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。
世界中で猛威を奮っているアイツのせいで、大打撃のエンタメ、アイドルシーン。インターネットを使って試行錯誤しながらさまざまな試みを続ける中、無観客ライブ配信という形式で大きな力をくれたアイドルイベントが開催された。<ギュウ農フェス春のSP2020 〜無観客生配信フェス〜 “IDOL is STILL ALIVE”>である。
<ギュウ農フェス>は言わずとしれたギュウゾウ(電撃ネットワーク/とちぎ未来大使)氏が主宰するアイドルイベント。当初は4月4日、5日の2日間、新木場STUDIO COASTで開催予定だった<ギュウ農フェス春のSP2020>が、アイツの影響で開催無期限延期。しかしながら、倒るる所に土を掴めとばかりにニコニコ生放送での無観客生配信という形式で開催に至った。4月1日に突如発表されたこの配信、5日のみの開催となり出演者数含めて規模は縮小となったものの、これまでの<ギュウ農フェス>でお馴染みのグループをはじめ、濃厚なメンツがずらり。同イベントがメジャー、インディーズ関係なくインディペンデントな雰囲気を創りながら、ほかのアイドルイベントとは一味違う趣を見せて築いてきた信頼と安心を改めて感じた次第である。
前回<ギュウ農フェス秋のSP>の記事はコチラ
開催場所は伏せられていたものの、オープニングのギュウゾウ挨拶による“まずは怪物音響オクタゴンを稼働させてください”の一声で会場が丸わかり。というよりも、配信でオクタゴンを使うのか!? 無観客配信の時点で赤字覚悟の大英断に関わらず、そこを超越するギュウゾウ氏の男気に胸が熱くなった。ショスタコーヴィチの交響曲第5番「革命」第4楽章の荘厳な響きの中、降臨する34機の4ウェイフルレンジアンプ付きスピーカー、通称“Octagon Speaker オクタゴンスピーカー”。その迫力は画面越しにも伝わってくる。
オクタゴンの使用はグループによって異なるものの、音響に定評ある<ギュウ農フェス>、配信ながらも音質は最上級。容赦なく放射させるおびただしい数の閃光が彩るレーザー演出と巧みなカメラワークも相まって、“これ無料配信でいいの?”と申し訳なく思ってしまうほどの豪華なライブ演出。13時にナナランドからスタートして、21時過ぎの大トリ、amiinAまでの8時間半越えの大饗宴で各グループ素晴らしいステージを展開。“「弱っている時のアイドルソングは麻薬」 by 映画『モテキ』”なんていう言葉もあるわけだが、こういう情勢だからこそキラキラと放たれるアイドルパワーにはひれ伏すばかり。その中から気になったステージをいくつか。