無観客ライブ配信で怪物音響!? ギュウ農フェスが見せた心意気｜「偶像音楽 斯斯然然」第28回

圧倒的な屈強さで魅せつけるステージ

飛ぶ鳥を落とす勢いのukka、みんな大好き「リンドバーグ」で盛り上がった後に登場した、ゑんらである。鳥山石燕風にいえば、煙々羅（えんえんら）、水木しげる風では煙羅煙羅（えんらえんら）か。個人的にはLoVendoЯの宮澤茉凜がサポートギタリストとして参加するというのでライブに行ったことがあり、ちゃんと歌えるグループだというのは知っていたものの、1年くらい観ていなかったし、それほど気に留めていたわけでもなかったのが正直なところだが。こんなに3人のバランスがいいグループになっていたとは……。「だいだらぼっち」に「迷い地縛霊」といった奇々怪々な世界観は、これからもずっと大事に貫いてほしい。

前半で圧巻のステージを見せてくれたのは、アップアップガールズ（仮）。アプガのEDMを思いっ切りオクタゴンで浴びたかった、と思っていたが、画面越しにビンビン伝わってくる凄み。サウンドの迫力とメンバーの貫禄は、フレッシュなグループが立て続けに登場していた最中ゆえに増長され、すでにラスボス感。彼女たちにはフロア満杯のオーディエンスが見えるのか!?　それともカメラ越しに我々視聴者が見えるのか!?というほどに、“ライブとは何たるか”を完全に熟知しており、加えてソーシャルディスタンスを徹底した一定の距離を取りながらのパフォーマンスという、なんともいろんな意味で余裕たっぷりのステージは、長年のキャリアがあってこそ。

初っ端から「アッパーカット」でブチかまして「愛愛ファイヤー!!」でボルテージはマックス、ラストはメロン記念日の名曲「お願い魅惑のターゲット」のカバーで締めるという一切隙のないセットリスト。終わってから、そういえば「パーリーピーポーエイリアン」やらなかったな、今だからこそ“あいーん”観たかったな、などとぼんやり思い返してみたものの、アップフロントの伝統とライブアイドルとしての叩き上げで培った圧倒的な屈強さで魅せつけるステージに大満足である。

そんなことを書いている最中、「パーリーピーポーエイリアン」がアップされた