NEO JAPONISM サウンドP・Saya新スタジオ『MELON SODA STUDIO』潜入[前編]滝沢ひなの&福田みゆが語るスタジオの魅力

NEO JAPONISM サウンドP・Saya新スタジオ『MELON SODA STUDIO』潜入[前編]滝沢ひなの&福田みゆが語るスタジオの魅力 NEO JAPONISM サウンドP・Saya新スタジオ『MELON SODA STUDIO』潜入[前編]

冬将軍

音楽ものかき

2022.08.12
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NEO JAPONISMのサウンドプロデューサーのSayaが、今年5月末に都内に新スタジオ『MELON SODA STUDIO』を開設。今回、特別に同スタジオと、NEO JAPONISMの制作現場の潜入取材が実現した。全2回にわたってお届けする本企画の前編では、Sayaに『MELON SODA STUDIO』の機材や設備を中心に話を訊いた。

NEO JAPONISMサウンドプロデューサーのSayaが都内に新しいスタジオ『MELON SODA STUDIO』を新設した。以前取材した『ICE CREAM STUDIO』とは別に、この『MELON SODA STUDIO』はボーカルレコーディングの拠点として作られたものだ。

理想のサウンドを追い求める機材選びはもちろんのこと、ピクサー・アニメーション・スタジオを意識したSayaのセンスと遊び心に溢れるインテリアを含めたスタジオ作りは、ISCREAM STUDIOよりパワーアップしている。そんなこだわりの詰まったスタジオにて、現在レコーディング真っ最中なのが、Sayaがサウンドプロデュースを務めるNEO JAPONISMである。そこで今回はそんなNEO JAPONISMの制作現場に潜入。Sayaと、Saya率いるクリエイターチーム『A-Spells』の山本紗江に話を聞くと同時に、NEOメンバーの2人、滝沢ひなのと福田みゆを交えて、この今年5月末にオープンしたばかりの奇抜で斬新なMELON SODA STUDIOの全貌に迫っていく——。

と、その前にSayaがなぜヴィジュアル系ロックバンドのギタリストからアイドルのサウンドプロデューサーになったのか、NEO JAPONISMプロデューサー・加藤颯との運命的な出会い、そしてWACKグループのサウンドプロデューサー・松隈ケンタとの邂逅、さらにはBiSH「プロミスザスター」で使用されたギターによってNEO JAPONISMの曲は作られている!?……といった、Sayaの歩んできた音楽人生とクリエイターとしての信条に迫る濃厚なインタビュー記事を未読であれば、ぜひ読んでほしい。本記事が何倍も楽しくなるはずである。

“外から見ると普通のマンションだから、こんな異世界が広がってるとは思わなかったです!”(福田みゆ)

東京都渋谷区、京王井の頭線神泉駅から徒歩3分、JR山手線ほか渋谷駅から徒歩8分のところにレコーディングスタジオ『MELON SODA STUDIO』はある。外観はごく普通のマンションである。ボーカルレコーディングを目的として作られたスタジオだ。

“これまで歌録りはHatch(山本隼人、SayaとともにNEO JAPONISMの楽曲を多く手掛けている。もともとはSRASH NOTES GARDENのボーカル&ギターとして、Sayaと長年バンド活動をしてきた盟友である)くんが所属しているMUSIC FOR MUSICのスタジオを使わせてもらうことが多かったんですけど、融通が効く自分のスタジオがあったらいいなと思っていて。都内にいい物件があれば、というふうには前々から考えていたんですけど、そしたらたまたまここが見つかって。場所もいいし、広いし、「間取り変えなければ何をしてもいいよ」ということだったので、速攻で決めました。決めてから3ヵ月経たないくらいで完成しました“(Saya)

内装はほぼすべてDIY。ミュージシャン仲間や内装業の友人など、知り合いとともに着工した。ICE CREAM STUDIO譲りのLEDライトの色が変わる天井の雲をはじめ、Sayaワールド全開である。

“私の部屋にも綿を貼ってLEDライトをつけようかなって思ってるくらい、アイディアがすごいっ!!”(福田)

【Control Room】MELON SODA STUDIOの心臓部

コントロールルームのメインデスク。

ーーまずはコントロールルーム。雰囲気をはじめ、ICE CREAM STUDIOと同じような環境ですね。

Saya:
基本的には同じですね。ただこのスタジオは“ボーカルを録るスタジオ”なので。ミックスダウンやマスタリングはICE CREAM STUDIOだったり、ウチ(A-Spells)の宮西ソウマが自分のスタジオでやったりするから。なのでICE CREAM STUDIOはウーハーがあったりするけど、ここのスピーカーはヤマハのHS8。見た目とコスパ重視で選んでるんだけど、けっこう海外のスタジオでも置かれていて、トラックメイカー系の人が使ってる。デカくてカッコいい。

ヤマハのHS8。
ヤマハのHS8。

Saya:
あとはこの壁。宮地楽器が取り扱ってるVERY-Q(ベリーク)っていう吸音パネルなんですけど、これがあるだけで本当にスピーカーの音がよくなるんですよ。けっこう高いんですけど、それだけいい。コンソールの上に貼ってあるのは宮地楽器が移転した時に安く買えたやつ。これは見た目がよくて、これがあるとスタジオっぽくなる。

モニター裏には、VERY-Q(ベリーク)の吸音パネルを設置。

Saya:
卓周りは……マイクプリがめちゃくちゃいいです。宮地楽器さんと選んだやつ、MORG Special Equipment(モーグ・スペシャル・イクイップメント)のMORG-81 with MORG-24PSU。日本の NEVE(ニーヴ)マスター、修理博士みたいな人が作ったらしくて、音がめっちゃいいんですよ。

MORG Special EquipmentのMORG-81 with MORG-24PSU。

Saya:
UNIVERSAL AUDIO(ユニバーサルオーディオ)の1176LNのコンプも海外だと定番ですが、本当にいい音です。

UNIVERSAL AUDIOの1176LN。
オーディオインターフェースは、Universal Audio Apollo FireWire。

Saya:
あとこの映像モニター。ちゃんとラックに埋め込まれてる。隣のブースにカメラがあるので、どう歌ってるのかがわかる。画角もいい。2つあって、こっちはアニメが適当に流れてるんだけど(笑)。

レコーディングブースの様子が確認できる映像モニター。

ーー普通のマンションですが、電源周りはどうしてるんですか?

Saya:
200Vにしてます。運がよくて玄関まで200Vが来てたんですよ。音楽やってた人が過去に住んでたのかな。だからコストかけずに200V引っ張ってこれた。録りのスタジオで200Vあるといいので。

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