エビ中、イコラブ、ジャムズ……この夏を騒がすポップチューンとマニアックすぎて伝わらないカッティングギターの話|「偶像音楽 斯斯然然」第84回
冬将軍
音楽ものかき
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今回は、夏を前にして冬将軍の心を熱くした3つのグループの楽曲から、昨今のギターカッティングの傾向へ、いつも以上にマニアックな方向に話題を展開。読めばきっとギターの聴き方が変わるであろうディープな内容をお届けする。
『偶像音楽 斯斯然然』
これはロックバンドの制作&マネジメントを長年経験してきた人間が、ロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。
<TOKYO IDOL FESTIVAL>の出演者が次々と発表され、この夏に向かって盛り上がっていくシーンの中で、早くもアツさを感じさせる楽曲をピックアップ。そして、後半は当コラムでは恒例となっているマニアックすぎるギター話。前回のギターソロとは相反するギターの醍醐味、カッティングギターの話。
JamsCollection この夏を騒がせる破壊力抜群のキラーチューン
7月13日についにメジャーデビューするJamsCollectionのサマーソング「キケンなサンサンSummer!」MVのリピートが止まらない。1度聴いて“おや”と思い、2度聴いたらメロが頭から離れず、よしもう1回……。
JamsCollection「キケンなサンサンSummer!」
合いの手&ガヤが入れやすい日本古来の数え歌っぽいメロディ、ちょっととっぽいレトロなサビといい、どこか懐かしさ漂わせる普遍的な歌謡曲を踏襲したキラーチューン。変化球が当たり前になっている昨今のシーンでは、比較的正攻法が新鮮に思えたりもする。とは言いつつ、サビが初っ端から半音転調だったり、ダブっぽいアレンジを挟んだりと斬新なフックが随所に挟み込まれており、終始飽きさせない楽曲展開。ベースになっているアレンジはロックなバンドサウンドで、ホーンもキャッチーで印象的だが、平歌でもキメてほしいところにズバッと入ってくるドラムとゴリッとしたベースが肝であり、音符の起伏少なめのメロに絡んだいいアクセントになっている。
夏だ! 水着だ! キラキラだ!……というわけでもなく、無表情パラパラ風ダンスもなんとも中毒性が高い。派手なわけでもないのだが、じわりじわりと聴き手を侵食していく隙のなさ。早くもこの夏を騒がせる破壊力抜群の怪曲到来に胸の高鳴りが止まらない。観ているとキリがないので、今日はあと5回くらいにしておこう。
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