第8回：アイドルファンとの対談vol.2｜二丁目の魁カミングアウト ミキティー本物の「本物のアイドル論」ミキティー本物とアイドルファンとの特別対談vol.2

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目指すより目指される側になりたい

アイドルファンB：
アイドルになってから、どういうスタンスや考えを持っている人がいいなと感じるようになりましたか？

ミキティー本物：
自分がアイドルになってから、ほかのアイドルを見ていると、たまにアイドルって曲と歌詞を渡されて、振り付けを覚える操り人形みたいな存在だなって感じてしまうことも何回かあったの。アイドルは夢を見せるお仕事だと思ってるから、アイドルとしての仮面を被って活動するのも決して間違っていることではないと思ってるけどね。でも、私は、いろんなことを隠して仮面を被ってまでやりたいとは思っていないから、“ゲイアイドル”として活動をするって決めたんだよね。あんまり演技をしたくないと思ったの。

アイドルファンB：
その中でも尊敬しているアイドルさんはいますか？

ミキティー本物：
アイドルの中では、今、目指している人はいないかな。この部分がいいなって思える人はたくさんいるんだけどね。誰かのことを目指すより、ほかの人から“二丁目の魁カミングアウトのようなグループになりたい”って思われる自分になりたいな。

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基本ができてから個性を出すように

アイドルファンB：
ライブ中に、各メンバーが個性を出すことについてはどう考えていますか？

ミキティー本物：
今、いろいろなアイドルがいる中で、表現の仕方もたくさんあるけど、私は各メンバーが個性を出す前にまずは基本の形をちゃんと身につけるべきだと思っているの。二丁魁の場合、まずはきちんと振り付けを覚えてから、その後に煽りとかを入れています。煽りって、本能で出てくるものじゃない。だから、そういう部分を出す前に、基本となる振り付けを身体に完璧に入れることが大事なの。それができた上で、各メンバーが“個性”を出すのはいいと思うけど、それによってグループとしての表が乱れるようだったら、私はそれを“個性”とは思わない。

アイドルファンB：
なるほど。

ミキティー本物：
グループ全体のことを無視して出すものは、“個性”じゃなくて“自分勝手”。だから、そこのバランスってすごく難しいよね。ほかのメンバーへの配慮と、個性の出し方の工夫が大事だと、私は思ってる。例えば、私たち二丁魁で言うと、ぺいちゃんが煽りをやることが多いんだけど、煽りの声を伸ばしすぎて次に歌う人の拍にはみ出して入ってしまうと、その人のリズムがずれてしまったりするの。だから、ただ激しく大きな声で勢いよく煽れば良い、というものではなくて、次の人の歌に繋がるように煽ることをぺいちゃんは心がけていたりとか。私たちは個性の出し方についても、メンバー同士で話し合って考えるようにしてるの。

アイドルファンB：
最後にアイドル活動に対するモチベーションの低いメンバーがいるアイドルが、武道館などの大きいステージに立つことについてはどう思いますか？

ミキティー本物：
あんまりいい気持ちはしないかな。ひどい時には公演の前にメンバーが辞めちゃって、チケットの払い戻しとかがあったりするよね。“人だから仕方ない”っていう意見もあるけど、私はその意見には賛成できないな。応援してくれる人たちは愛情や希望を持ってくれているわけだから、アイドルをやる上で“やってみたけどダメでした”っていうのは通用しないと思ってる。でも、その原因ってアイドルになる敷居が低くなっているからなんだよね。誰でもアイドルになれる状況になってるから、そういう意識が低いアイドルも生まれてきちゃう。そこに関しては、アイドル本人よりも運営側に問題があると感じている。大きな目標を掲げるなら、運営側主導ではなく、そこに向かって一緒に進んでいける子をちゃんと集めるべきだと思いますね。

対談を終えてのアイドルファンの感想
もともと話すこと自体をそんなに決めてこなかったんですけど、話していくうちにいろいろな方向に話が広がって楽しかったです。ミキティーさんのアイドル活動に対する想いを聞けて、もっと応援したいなって思いました。

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