神宿 塩見きら[インタビュー]アイドルで在ること「ずっと好きでいてもらうのは当たり前じゃない。だから、成長して、変化を見せていく」

神宿 塩見きら[インタビュー]アイドルで在ること「ずっと好きでいてもらうのは当たり前じゃない。だから、成長して、変化を見せていく」

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2020.02.14
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神宿は、新メンバー塩見きらが加入したことによって、輝きを増した。これは、昨今の彼女たちのステージを観た者なら、そして、彼女のヴォーカルで再録音した新作『kamiyado complete best』3作品を聴いた者なら、間違いなく首を縦に振ってくれることだろう。思い返せば、昨年3月の渋谷。最終候補メンバー発表の場で、塩見は自己紹介をするだけでも、思わず涙をこぼし、声を震わせてしまうほど、繊細で心もとない存在であった。しかし、現在、彼女は個性豊かな神宿のオリジナルメンバーと肩を並べるほどの強い存在感を放っている。塩見きらは、一体どのようにして自身の殻を破ったのか。アイドルとしての10ヵ月の歩みを振り返ってもらった。

撮影:忠地七緒

誰かに憧れてもらえるような存在になれているのは嬉しい

——塩見さんは、もともとアイドルが好きでしたが、実際に自分がやってみて想像と違っていた部分はありましたか?

塩見:
好きだったからこそ、大変なこととかも知っていましたし。まあでも、思ったよりも楽しんでやれているかなっていうのは正直あって。やっぱり最初の頃の“アイドルになりたかった女の子”っていう感じはもうなくなってきてるなっていうのは、実際感じています。もう良くも悪くも“アイドルの塩見きら”になっているなと。最初の親しみやすさというか、“なんか(距離が)近いよね”というようなことは、どんどんなくなってきているんじゃないですか。“そうでありたいな”と思っているところもあるんですけど。

——塩見さんが好きだったアイドルって、乃木坂46などのメジャーグループだったと思うんですけど、あのクラスのアイドルは、ある意味アーティストに近いというか、ライブアイドルのようにはなかなか会えないところがあるじゃないですか。そういうところに憧れていたということはありますか?

塩見:
うーん、ブランド力というか、ステージに立ってキラキラ輝く姿に1番憧れていたと思います。だから、今、神宿としてステージに立って誰かに憧れてもらえるような存在に少しでもなれているのは、すごく嬉しい。“今、自分がなりたかったアイドル像になれているのか?”と聞かれたら、どうなのかな?と思うけど、大きく違ってはいないかと。

——以前、神宿のマネージャーさんから、塩見さんが入ったことによって女性ファンが増えたということをうかがいました。

塩見:
めっちゃ嬉しいですね(笑)。私の生誕祭(2019年11月6日に渋谷WWW Xで開催された<Kira’s 21st birthday live>)の時も、“女性エリア、そんなある!?”っていうくらい広くて。もう男性が入れないくらいに女性エリアがあったので、すごく嬉しかったです。

——女性ファンがついていることは、自分自身どう分析していますか?

塩見:
どうなんですかね。あんまり飾らないというか、そのままを見せているっていうところかな。そういうところに、親しみやすさを感じてくれている女の子もいるだろうし。だけど、手の届かない存在というか、やっぱりステージに立っている存在ということで憧れてくれている子も多いのかなっていうのは、すごい思いますね。特典会で泣いちゃったりする女の子もけっこういるので。

——それはすごい。

塩見:
まだアイドルになって1年も経ってないのに(笑)。でも、その場ではアイドルとして“大丈夫?”って声をかけています(笑)。

——特典会では、どういうことを聞かれるんですか?

塩見:
初めて来る子とか、まだそんなに来たことがない子からは、メイクについて聞かれることが多いですね。あとは、“自撮りのフィルターって、何を使ってますか?”とか。SNSを見て憧れてくれている子も多いのかなっていう印象があります。“SNSに載せたり、YouTubeでも発信するね”って言うと、“ありがとう!”と言ってもらえます。

——そういう子は、後日、しおみぃ女子になって戻ってきたりするんですか?(笑)

塩見:
あはははは(笑)。でも、“同じコスメ買ったよ”とか言ってもらえたり、自分に似てる子が来てくれることもあります。私の特典レーンじゃないところにいて、メンバーから“しおみぃに似てない!?”って言われていたりすることもありますね(笑)。

——そんなこともあるんですね(笑)。同性の憧れになっているので、美容に対する意識も高まったのでは?

塩見:
そうですね。やっぱり1年前と今では、美容に関してやっていることは全然変わりました。今までコスメとか美容系にあまり興味はなかったんですよ。

——え、そうなんですか?

塩見:
今は憧れてくれている人もいるし、美容とかコスメに関する発信もどんどんしていくべきかなって思っているので、勉強するようになりました。美容系のユーチューバーさんの動画を観るとか、雑誌をけっこう買ってみるとか。インプットはすごい増やすようにしてます。

——こんなに忙しい中、インプットを頑張っているのはすごいですね。

塩見:
私たち、けっこう移動が多いんですよ。そういう時間にアイドルさんに関わることやほかのアーティストさんのインタビューを読んだりしています。アイドルさん以外のインタビューやコラムを読んだりするのもけっこう好きですね。

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