神宿 塩見きら［インタビュー］アイドルで在ること「ずっと好きでいてもらうのは当たり前じゃない。だから、成長して、変化を見せていく」

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あの日、ステージに立てたことは、けっこう自信に繋がった

——塩見さんが執筆している『超！アニメディア』さんでのアニメ連載「神宿・塩見きらのゆるりと真剣にアニメ語り！」も面白いですね。

塩見：
ありがとうございます！　なんか恥ずかしい（笑）。

——個人的には、年末あたりから「ですます調」をやめたことが気になって。

塩見：
そうなんですよ（笑）。ああいう感じの方が好きというか、自分が出せるかなと思って。

——では、書き方を変えたのは自分の意思？

塩見：
あ、そうです、そうです。編集部の方から“こうしてください”とか言われたこともなくって、初めから自由にやらせてもらっています。最初はけっこうどういう風に書けばいいのかわからなかったけど、自分のやりたいようにやっていこうと思ったらあんな感じになってました。

——視点が面白いですよね。ストーリーやキャラ、画、声優のことはもちろん、自分のバックグラウンドについても触れていて。

塩見：
アニメ好きの方とかファンの方が見たりするとは思いますけど、私を全然知らない人が見て“この子、なんか面白いな”と思ってもらえたらいいなと。それは現在だけじゃなくて、将来“塩見きらがこういうコラムを書いてたんだ”って読んでもらった時に、“こういう人なんだ”とわかるようなものにしたいというのは意識しています。

——そうすると自分の中に“飾らない”ということもテーマとしてあるのでは？

塩見：
それはありますね。やっぱりキラキラしているように見えるけど……私自身もアイドルを見てきたから、大変なこととかつらいこととかたくさんあるだろうなとは思っていたし、そういう部分をそのままさらけ出したりとか、自分の感情をみんなと共有することで、共感性が生まれたりするのかなと思っています。さらに、そういうのも憧れに繋がったりするんじゃないかって考えてやっているというか。

——綺麗な部分だけを見せなくてはいけないと思って精神的に疲弊してしまうアイドルもいますが、塩見さんは、そのあたりのバランスがウマく取れているのかもしれないですね。

塩見：
とはいえ、大変ですけどね。プレッシャーとかもすごくあるし。関口なほさんから緑を継承させてもらったという立場でもあるし、私を選んでくれた方や見守ってくださっている方もいるので、その人たちのためにも、私は神宿の成長を緩めることはできないと思ってるし、プレッシャーもある……のは事実ですね。

——そのプレッシャーとは、日々どうやって向き合っているんですか？

塩見：
うーん、でも、けっこう悩んでますけどね。ステージに立ったら、そういうところはあんまり見せないけど、ステージに出る前とかは本当につらいなと思うこともあるし。ライヴが本当に嫌だなと思ったことも、これまで正直ありました。

——それはいつくらい？

塩見：
やっぱり幕張（2019年9月29日に行なわれた幕張メッセ公演）前までは、けっこうつらかったです。クアトロツアー（昨年8月に行なわれた＜神が宿る場所~Road to 幕張メッセ~クアトロ大制覇ツアー＞）をやってた時が1番大変だったというか。曲とか振りを覚えながらステージに立って、さらに幕張まで力をつけなきゃいけないっていうので、けっこういっぱいいっぱいになっていたところがあって。ステージに出る前のSEが流れている時とか、すごいつらかったです。嫌でしたね。ステージに出てお客さんの顔を見るのが怖くなったりも全然あって。でも、幕張に立ってからけっこう変わりました。幕張に立った当日の夜にファンの方の反応とかを見てましたけど、ちょうどその日が加入5ヵ月で、“加入5ヵ月で幕張に立てたって普通のことじゃないよ”って言ってくださる方とか、そういう言葉がけっこう自信になったんです。あの日、ステージに立てたことは、自信に繋がったなというのはあります。

——そこからはライヴに対して過度なプレッシャーを感じなくなった？

塩見：
うん、そうですね。