神宿 塩見きら［インタビュー］アイドルで在ること「ずっと好きでいてもらうのは当たり前じゃない。だから、成長して、変化を見せていく」

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全然新しいものにしてびっくりさせたかった

——新作（『kamiyado complete best 2014-2015』『kamiyado complete best 2016-2017』『kamiyado complete best 2018-2019』）は、関口さんのヴォーカルをすべて塩見さんのものに録り直しています。レコーディングでは、関口さんの歌い方に近づけようと意識しましたか？　それとも塩見きらのキャラクターを出そうとしました？

塩見：
正直、ちょっと似せようとしている部分はありました。ただ、なるべく今までとは全然違うものにしたいなとは思っていました。私だけ再録させていただきましたが、それは“当たり前のことじゃないな”とは思っていたし。そのために買ってくださる方がたくさんいるから、全然新しいものにしてびっくりさせたいな、という想いはありました。

——そこで言うと、ヴォーカリストとしての自分の個性はどう考えています？

塩見：
どうなんですかね。合唱をやってたから……なんて言ったらいいですかね（笑）。

——合唱はいくつくらいからやってたんですか？

塩見：
小学校から中学校まで6〜7年くらいやってました。小学校がけっこう強くて、全国大会とか出るようなところだったんです。

——それはすごい。愛媛の学校ですよね？

塩見：
そうです。先生に誘われて入って、ずっとやってた感じです。

——その前に音楽関連の習い事はしていたんですか？

塩見：
あ、全然してないです。

——それで全国レベルの合唱団で歌えていたのは本当にすごい。

塩見：
いや、どうなんですかね。普通です（笑）。

——Pop’n’Rollで音楽コラム連載をやっていて、その年末年始企画でライターさんと対談する形で2019年を振り返ったんです。その時に、ライターさんが今の神宿の中で塩見さんのヴォーカルの存在感は大きいと分析していました。

塩見：
ありがとうございます。読みました。

——「ボクハプラチナ」は、まさに神宿の新機軸と言える作品ですね。

塩見：
やっぱりグループをどんどん大きくしていくためには、楽曲にも力を入れていきたいし、今まで出せなかった味というか、大人っぽい感じもどんどん出していくべきかなと。そういう意味では、なほさんの声は可愛らしかったけど、私はそういう感じではないなと思っているので。アルバムを聴いていると、ちょっと大人っぽいっていうのか、落ち着いた感じは出せているのかなと思います。

——まだライブで歌ったことがない曲もレコーディングしたんですよね。やはり難しさはありましたか？

塩見：
苦労しましたよ。聴いたことはもちろんあるけど、歌うってなると全然違うじゃないですか。何回も“もう1回聴いていいですか？”って感じで聴きながら録ったりしました。今まで気がつかなかった掛け声とか、ハモりとか、そういう新しい発見もすごくあって（笑）。なんか、“うー”とか“わー”とか入っているんですよ、実は（笑）。そういうのは知らなくて、“ああ、入っているんだ”って。

——メンバーなのに新しい発見があったんですね（笑）。レコーディングはどれくらいかかったんですか？

塩見：
1日6〜7時間で、3日くらいで録りました。けっこう巻いたんですよ。頑張って何とか終わらせて（笑）。

——すごいじゃないですか（笑）。ウマくレコーディングできた秘訣は？

塩見：
えーなんだろう（笑）。でも、けっこう私、疲れちゃうと態度に出るというか。歌の先生もそれはわかってくださっていて、レコーディング中にちょっと疲れそうになると、“ちょっと1回休憩しようか”って言ってくださったんです。お腹が空くと機嫌も悪くなりますし（笑）。コーラが好きなので、コーラを置いておいたりとかして、それが気分転換になったのかなっていうのはありますね。