キングサリ 天神・大天使・閻魔 [インタビュー後編]ほかにはいないアイドルとして、1人の表現者として想い描く未来「グループにはいるけど1人でもやれる、というのが理想かもしれない」 キングサリ 天神・大天使・閻魔 インタビュー後編
冬将軍
音楽ものかき
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キングサリの天神・大天使・閻魔のソロインタビューの後編。今回は、キングサリに移籍してからの心の変化や、かつて在籍していたアンスリュームへの想い、個人としての野望について赤裸々に語ってもらった。“黙っていると自分が損をすると思ってしまう”と信条を明かすように、自分の気持ちに正直過ぎる天神・大天使・閻魔。誰に対しても思ったことをハッキリ言える彼女の性格や生き様は、ファンだけではなく、アイドルからも大きな支持を集めている。そんな彼女が、アイドル活動を通じて伝えようとしていることとは? 天神・大天使・閻魔の真っ直ぐな言葉の数々を、余すことなく真っ直ぐお届けする。
撮影:曽我美芽
閻魔をもっと表に出していきたい
——キングサリになって、歌うことに対する気持ちの変化はありますか?
閻魔:
アンスの初期〜中期くらいまでは私がグループに寄せた声を使っていて。別に寄せなくてもいいのかなと思った時は、自分の歌いやすいように歌ってた。曲によって声を変えたりね。今は器用にいろんな声を使うということはしてないけど、わりとマジになって歌わなきゃという曲が多いし。アンスの時も被せは低かったんだけど、キングサリになってからは被せゼロでやってるから。歌詞飛んだりしたら終わるし、音外さないようにしなきゃとか、そういうマジ感はあるよね。アンスは歌がウマくなくてもいいグループだったし、プロデューサーからも“歌で勝負してないから”と言われてた。でも、こっちでは最大限120%を出していかなきゃなって。
——それで、ボイトレにも通い出して。
閻魔:
最初しか行ってないけどな。
——あはは(笑)。でもアンス時代は1回も行ってなかったじゃないですか。
閻魔:
行ってない。確かに行った方がいいに決まってるんだけど。でもヲタクはボイトレ行ってるとかわからないからな。そこまで聴いてないだろ(笑)。
——ちゃんと聴いてる人もいますよ。今後はアイドルヲタク以外にもアプローチしていかないといけないじゃないですか。
閻魔:
そこが難しいなと思っていて。インフルエンサーでなおかつアイドルをやってる子っていっぱいいるじゃん。でも、それは動員には比例しないなとも思ってる。いくらフォロワーがたくさんいても、そのうちどのくらいがライブに来るかっていう。だから知名度上げるならアイドル以外の活動をすればいいとは思うけど、メインで活動してるのがライブなんだから集客に繋がらないと意味ないなって、最近そこを深く考え出してる。知名度やフォロワーも増やしたいけど、それで客引っ張ってこれなくない?って思ってる。
——確かに、アイドル以外の活動やSNSのフォロワー数が直接ライブ動員にはならないですよね。でも、先日(2022年9月18日)出演したアーバンギャルド主宰の<鬱フェス 2022>然り、閻魔さんってロックファンを引っ張ってくることができると思うんですよ。
閻魔:
<鬱フェス>は確かに外部のいわゆるアイドル対バン、アイドルイベントじゃないから面白いよね。私もアーバンギャルド好きだし、<鬱フェス>に出れたのは嬉しいけど、アーバンギャルドの客を引っ張ってくるのは難しいなと思っていて。というのも全員じゃないとは思うけど、アーバンギャルドのファンの人から私、嫌われてるから(笑)。
——ああ……。
閻魔:
けっこういろいろ言われてるからなぁ(笑)。でも、バンドとかが出るサーキットイベントとかに出れたら普通に面白いなと思う。そこで新たに客を引っ張りたいよね。バンドのファンからすれば“アイドルなんて……”というところもあるだろうから、どう思われるかはわからないけど。ほかのアイドルとは一味違うところを見せていきたいというのはある。
——唯一無二の存在とでもいうか、そこに着実に向かっていっている気がします。
閻魔:
そう、私の自分の中でのコンセプトは“アイドルなんだけどアイドルではない、でもやっぱりアイドル”だからね。“アイドルでこのライプは見たことないな”っていう位置にいたい。
——ちなみに普段はどういうアーティストが好きなんですか?
閻魔:
アーバンギャルドは好きだし、椎名林檎も好き。アイドルはあまり聴かなくて、私、もともと古のニコニコ厨だからボカロとかそっちの方ばっか聴いてて、歌い手になりたいとずっと思ってた。……歌い手になりたいかな、今も(笑)。だからグループにはいるけど1人でもやれる、というのが理想かもしれない。
——それって、誰かを目指してるというわけでもないんですよね。
閻魔:
うん。でも、なんか声優アイドルみたいなものになりたいなと思ってたな。上坂すみれみたいな。声優でも売ってるし、歌でも売ってる、自分のビジュアルでも売ってる、それが理想だなって思う。
——ある種、2.5次元的なアイコンとでもいうような。
閻魔:
そうそう。ライブとかもそうだけど、“閻魔”っていうキャラクターというか、世界観を大事にしていて、ライブはこう見せるんだ、こういう顔するんだ、というのを細かく考えてる。だからヲタクにも“今日よかったよ”じゃなくて、“あそこの歌い方が好きで〜”っていう自分が意識してやってるところを細くわかってもらってたりすると、“狙い通り!”ってなるな。
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