26時のマスカレイド[解散ライブ密着レポート]ありったけの想いを届け合った愛あふれた終幕「私たちに出会ってくれて、本当にありがとうございました」 <26時のマスカレイド LAST LIVE 「curtain call」>東京公演密着レポート
鈴木 健也
Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)
鶴岡 舞
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26時のマスカレイドが、2022年10月30日(日)に東京国際フォーラム ホールAにて解散ライブ<26時のマスカレイド LAST LIVE 「curtain call」>を開催した。2016年10月30日のお披露目公演から6年、現在のアイドルシーンの中で大きな存在感を放ち、数々の功績を残してきた26時のマスカレイド。デビューから全力で駆け抜けてきた彼女たちは、アイドルとしての集大成をどのように見せたのか? 今回、Pop'n'Roll編集部は、解散ライブの密着取材を敢行。リハーサルからライブ本番までの模様を余すことなくお伝えする。
撮影:西角郁哉
【リハーサルレポート】
ラストライブでもいつもどおり、そんな景色も憎めない
26時のマスカレイドがステージに立つ最後の日・2022年10月30日は、爽やかな秋晴れが気持ちよく、彼女たちのエピローグにふさわしい“良く晴れた日”となった。
ライブ冒頭のMCの際、リーダー・江嶋綾恵梨は観客に向かってこう打ち明けた。“リハーサルと楽屋の感じだと、「え、ホントに私たち解散するの?」ってノリだった”。まさに自然体。この日のリハーサルは、”解散”はドッキリなのではないかと思わせるくらい、いつもどおりの彼女たちの姿がそこにはあった。
今回のステージは、2時(26時)を指す大きな時計があしらわれた西洋風の宮殿に大きな虹がかけられており、華々しい仮面舞踏会に招かれたかのようなセットとなっていた。
13:30すぎに江嶋、森みはる、吉井美優、来栖りん、中村果蓮が、5人揃ってステージに姿を現すと、ステージ裏の動線やトロッコへの移動など福岡、大阪公演とは異なる同公演の要点について確認。その後、“おはようございます。私たち、26時のマスカレイドです。リハーサル、よろしくお願いします”と全スタッフに挨拶をし、本格的なリハーサルへと突入した。
このリハーサルのおもな目的は、音響、照明、カメラチームなどと一緒に、立ち位置をはじめ、Co2の噴射やトロッコ走行などの演出チェック。本番での流れやその動き方に意識を注力する前に、まずはマイクやイヤモニの確認として、「心から…」をワンコーラスだけ歌唱した。
Co2を用いた演出は9月14日の日本武道館公演以来2回目。ものすごい勢いで噴き出すCo2に驚き半分、嬉しさ半分といった感じで、お互いにアイコンタクトを取りながら、顔をほころばせていた姿が印象的であった。トロッコで客席を走るのは、2019年11月23日に開催した3rd Anniversary Tour<怪盗マスカレイド〜今宵、あなたを奪いに行きマス!〜>ファイナル公演ぶり。トロッコに乗車すると、“うわぁ!”“高い〜”など嬉しそうな表情を浮かべながらも、客席で見守っていたスタッフたちに手を振ったり、笑顔を向けたりして楽しんでいた。もちろん真剣なリハーサルではあるものの、この5人が作り上げる空間はいつも終始穏やかだ。
順調に進んでいたリハーサルであったが、終盤「B dash!」のチェック中にはハプニングが。“ニジマスくん(グッズのぬいぐるみ)”を投げ入れるタイミングと、Co2噴射が被ってしまい、江嶋、森、中村が驚き、悲鳴を上げる事態となった。その後、江嶋が“2サビアタマのCo2はなくしてもらえたりしますか? そこでニジマスくんを投げるので……”と相談。本番ではここでの演出はナシにする修正が行なわれた。まさかのハプニングではあったものの、江嶋と森は、吉井に状況を再現しながら笑い、吉井も無邪気な笑顔を見せる。どんな状況も楽しめる5人の姿を見ていて、ニジマスメンバーの絆の強さを改めて感じることができた。
最後は、これまで数え切れないほどライブで披露してきた「ハートサングラス」を再確認して、開始から約2時間と長丁場になったリハーサルは終了。この日、6周年を迎えた“26時のマスカレイド”の物語はついにラストステージを待つのみとなった。
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