【レポート】つりビット、ラストライブで授けた珠玉の歌たち。「気持ちと曲は皆さんの側に」

【レポート】つりビット、ラストライブで授けた珠玉の歌たち。「気持ちと曲は皆さんの側に」

宮川 直子

Pop'n'Roll Editor(編集者)

2019.04.16
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つりビットが3月24日にマイナビBLITZ赤坂にて<つりビットラストライブ〜Sail Away〜>を開催し、同公演をもってグループを解散した。

解散後にはメンバーもそれぞれの道を歩き始めているが、本記事ではライブ当日の模様を振り返りレポートとしてお届けする。

“釣りアイドル”という代名詞のもと、2013年の結成からオリジナルメンバー5人(長谷川瑞、竹内夏紀、聞間彩、安藤咲桜、小西杏優)で6年間活動し続けてきたつりビット。ファンとの交流で本当に船に乗って釣りに繰り出す活動ぶりもさることながら、音楽面では常に洗練されたアイドル・ポップスで爽やかな空気を届けてくれた。音圧に頼らず送り出し続けてきた楽曲群は、ラストライブでの全31曲、三時間超にわたるパフォーマンスにも耐えた。

ライブはOverture付きの「スタートダッシュ!」からスタート。続けてつりビットにとって鉄板中の鉄板曲だった1stシングル曲「真夏の天体観測」で早くも会場が色めき立つ。自己紹介パートでは「いつか世界を釣り上げます!つりビットです」というおなじみの挨拶に観客から歓声があがった。

つりビットラストライブ〜Sail Away〜│2019/3/24 マイナビBLITZ赤坂

6年間の感謝の気持ちを歌に乗せ、「泣いても笑っても最後のライブ、みんな盛り上がっていきましょう!」と送り出されるのは「A Color Summer!!」。観客も思い入れのあるライブタオルを色とりどりに振りながら「レモン海岸」「裸足のマーメイド」と夏の海を思わせるピュアナンバーを繰り出す。

さらに、潮風の爽やかな光景が広がる「Blue Ocean Fishing Cruise」。各メンバーのソロで観客のペンライトがメンバーカラーにくるくる変わり、メンバーもエアギターの振りをいれながら軽快なパフォーマンス。山下達郎のカバー「踊ろよ、フィッシュ」ではサビで活きもよく飛び上がり、「渚でラテアート」では夕暮れの由比ヶ浜を思わせるパフォーマンスでじっくり聞かせた。

つりビットラストライブ〜Sail Away〜│2019/3/24 マイナビBLITZ赤坂

続くメルヘンなナンバーのブロックでは、「うろこ雲とオリオン座」の“僕らは永遠になるよ”という歌詞からメンバーの目元が微かに潤んだように見えた。「ムーンライトキッス」のしっとりした入からの胸をキュンとさせる王道アイドルポップスもたまらない。「カモメペリカンストーリー」のスローで優しい歌唱には、観客席からも拍手が沸き起こる。

限られた時間の中で一曲でも多く届けたい、という思いが透けるライブ構成の中、中盤のMCではラストライブを飾った限定衣装も紹介された。ライブ名の“Sail Away”にちなみ、水兵をイメージした白ベースのセーラー服。胸元のポイントや髪飾りにもイカリが取り入れられ、お互いに気に入った様子をみせるメンバーたち。

つりビットラストライブ〜Sail Away〜│2019/3/24 マイナビBLITZ赤坂
つりビットラストライブ〜Sail Away〜│2019/3/24 マイナビBLITZ赤坂

「TOKYO WONDER GIRL」や「Piece of Cake」で粋にシティ系の音を鳴らし、いよいよライブは後半戦へ。手拍子でのコール&レスポンスで準備運動をしたあと、王道釣りソング「Go! Go!! Fishing」では一気に会場のボルテージが上がる。

インパクト大の頭に焼き付くナンバー「寿司パラダイス」も流れ、沸き返る会場に「お腹すいていませんか?」と呼びかける長谷川瑞。ここからメンバーが観客席につぎつぎとお菓子を投げ入れ、トドメは安藤咲桜と聞間彩が釣り竿“ロッドくん”で魚介ぬいぐるみを大きくシュート。そして多くのライブでクライマックスに使われてきた「爆釣御礼」では“釣って 釣って 釣り上げろ!”というコールとともに無数のタオルが振られ会場の熱気を掻き回した。

つりビットラストライブ〜Sail Away〜│2019/3/24 マイナビBLITZ赤坂

いよいよ出港の時が近づく中、「旅立ちの曲を聴いていただきたいと思います」と竹内夏紀。「旅立ちキラリ」から卒業を歌う「桜じゅうたん」、そして「ラムネ色のスケッチ」。「My Victory」で強く前へ進もうとする意志を見せた後、各メンバーからは最後にファンへ長い挨拶が贈られた。

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