新谷ゆづみ[インタビュー]“普通”の高校生役でぶつかった想定外の壁「特に足が大変でした(笑)」 新谷ゆづみ『湯あがりスケッチ』インタビュー
Pop'n'Roll 編集部
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ひかりTVにて配信中の『湯あがりスケッチ』。『銭湯図解』(著者・塩谷歩波)を原案に、主人公・澤井穂波(小川紗良)が銭湯を通して、少しおかしくも愛らしい人々と出会っていくヒューマンドラマである。
今回、同作の“ホーム銭湯”タカラ湯の1人娘の高校生・氏子ゆづ葉役を演じた新谷ゆづみにインタビューを実施。『湯あがりスケッチ』出演への想いをはじめ、予想外のポイントで苦労したという役作り、撮影時のエピソード、さらに同作を通じて得たことなどについて語ってもらった。
新谷ゆづみ『湯あがりスケッチ』インタビュー
インタビュー:竹内伸一
撮影:河邉有実莉
初めての経験がたくさんありました
――『湯あがりスケッチ』への出演オファーが来た時、どう思いましたか?
新谷:
中川龍太郎監督には、映画『やがて海へと届く』でもお世話になったんです。引き続き、監督の作品に出演することができて嬉しかったです。“新谷さん、ゆづ葉を演じてください”って言われたのも嬉しくて。
――すでに一緒に仕事をしたことのある監督の作品ということで、勝手知ったる現場というような、安心感みたいなものもありましたか?
新谷:
映画とは全然撮り方が違ったんですよ(笑)。『湯あがりスケッチ』は、長回しで撮ることが多くて、カット割りがあまりないんです。一連のお芝居を何度もやるという撮り方でした。セリフも“台本のままじゃなくていいから”って言われて。とても自由にできたので、リラックスした楽しい撮影だったんですけど、私にとって初めての経験がたくさんありました。
――OKが出たテイクは、台本とは全然違うなんていうこともあったんですか?
新谷:
ありました! もともとあったセリフがなくなっちゃって、全然違うことを言ってたりしました(笑)。
――現場でどんどん台本が変わっていったということですが、そもそも、最初に台本を読んだ時は、どんな感想を持ちました?
新谷:
銭湯という舞台を通じて、主人公の(澤井)穂波(小川紗良)ちゃんは、いろいろな人が出会う……銭湯に来る人だったり、そこで働く人だったり。私の役は、銭湯の娘で、店の手伝いをしている女の子なんですけど、そんな人と人との出会いが毎回描かれていて、そこに心を動かされました。人と出会うことによって、主人公の気持ちが変化していくんですけど、私も台本を読んで共感したというか、背中を押されるような、前向きな気持ちになりました。
――新谷さんが演じたゆづ葉は、どんな人物なんですか?
新谷:
北千住の公立高校に通う普通の高校生です。髪の毛を染めていて、ちょっとギャルです(笑)。今までに演じたことのないタイプだったので、最初はどういうふうに役作りしようか悩みました。ゆづ葉は見た目は派手なんですけど、すごく心優しい子なんじゃないかなって、演じていくうちに思うようになって。そうしたら、なんとなく彼女を理解できるようになりました。心優しい子なんだけど、思春期なので、お父さん(氏子愛之助/村上淳)に対して素直になれないとか、10代ならではの悩みも抱えていて。実は、ゆづ葉は銭湯があまり好きではないんです。でも、彼女も銭湯でいろいろな人に出会うことで、助けられたり、学んだりして、無意識のうちにちょっとずつ変わっていく……そんなことを思いながら演じていました。
――演じたことのないタイプだということで、役作りは苦労したんですね。
新谷:
そうですね。特に“足”が大変でした(笑)。私、撮影になると、どうしても足を綺麗に閉じてしまうんですよ。でも、ゆづ葉は、今時の普通の女の子なんで、そうじゃないんです。監督からは“そんなに足を意識しなくていい”って言われました。でも、意識してそうしているんじゃなくて、それがもう身についちゃってるんですよ(笑)。なので、“いかに足を砕けさせるか”をずっと考えていました。劇中では、足を組んでいたりする場面がけっこうあると思います(笑)。
――アイドルとして培ったものが“足”に出てしまうんですね。
新谷:
“足は綺麗に揃えなさい”ってずっと言われてきましたから(笑)。それがまだ抜けないんです。気を抜くと“ゆづ葉、足!”って言われちゃうんで、そこはちょっと苦労しました(笑)。
――今までは、いかに足を綺麗に見せるかを工夫してきていたわけですから、その逆は難しいですよね。
新谷:
そうなんです。でも、普通の女の子は“足”を意識して生活していないんですよね(笑)。
――全身の細部にまで意識を巡らせて演技しないといけないということかもしれないですね。
新谷:
そうですね。改めて勉強になりました(笑)。
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