新谷ゆづみ［インタビュー］“普通”の高校生役でぶつかった想定外の壁「特に足が大変でした（笑）」新谷ゆづみ『湯あがりスケッチ』インタビュー

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ゆづ葉は人と関わることのよさに気づいていくんです

――このドラマで、印象に残っているシーン、1番好きなシーンを教えてください。

新谷：
好きなシーンでもあり、苦労したシーンでもあるんですけど、穂波ちゃんのおうちに行くシーンがあるんです。第6話は、ゆづ葉に焦点が当てられた回で、私自身、ゆづ葉の気持ちを理解するのに必死だった回なんです。ゆづ葉は、それまで穂波ちゃんとは銭湯でしか会ったことがなくて、でも、最初は距離感があったけど、だんだん仲よくなってきているっていう感覚が芽生えた中で、穂波ちゃんの家に行くんですよ。そこは穂波ちゃんらしさと、穂波ちゃんの魅力がすごく詰まった部屋で、私は部屋に上がった瞬間に、そこが大好きになったんです。その感覚が今でも忘れられないので、1番のお気に入りのシーンです。

――お気に入りであり、難しかったシーンでもあるというのは、気持ちの作り方が難しかったんですか？

新谷：
そうですね。ゆづ葉は、いろいろ悩んでいることがあるんです。それを穂波ちゃんに打ち明けるかどうか、迷っている状態だったんです。いつもはちょっと強がりで、でも弱いところも当然あって、それを穂波ちゃんになら見せてもいいのか、やっぱり見せたくないのか……そんな葛藤を抱えながらのシーンでした。それまでとは違うゆづ葉が現れた気がして、それをどう演じたらいいのか、難しかったですね。

――第1話ではゆづ葉と穂波たちが出会う場面が描かれていましたが、第6話に向かって、その関係性が深まっていくんですね。

新谷：
そうなんです。第1話の出会いのシーンでは、ゆづ葉は、穂波ちゃんと話していないんですよ。挨拶するだけなんです。さっきも話しましたけど、ゆづ葉は銭湯が嫌いなので、新しい人が来ても、自分から話しかけに行ったりはしないんです。でも、穂波ちゃんたちと何度も顔を合わせていくうちに、だんだん気を許すようになっていくんです。銭湯に集まる人たちがいるから、ゆづ葉にも銭湯という居場所があるんだという気持ちになって、さらに、自分もここにいていいんだって、だんだん気づいていくんです。そう思えるようになって、最初は銭湯が嫌いというところから、そこに集まる人と関わることも嫌だったけど、人と関わることのよさにも気づいていくんです。

――新谷さんご自身は、このドラマから影響を受けました？

新谷：
そうですね。もう、みなさん、すっごく元気なんですよ（笑）。パワーがある現場でした。監督もずっと元気だったし……ぶっ通しで撮影していたので、疲れているはずなのに。みなさんの活力みたいなものを感じられた現場だったので、私もすごく楽しかったですし、頑張れました。特に、村上さんがホントに元気なんですよ！　カットがかかると、あちこち行っちゃうんですけど、どこかから物を持ってきて、それを本番中も持っていたりして（笑）。そんなふうに、いろいろなアドリブを入れたりして、周りを楽しませることを常に考えていて、私もすっごく楽しかったです。

――今後、演じてみたい役はありますか？

新谷：
今回のドラマは、画質にこだわられていて、すごくレトロな雰囲気なんですよ。私もまだ1話だけしか観ていないんですけど（取材日は1月下旬）、完成したドラマを観て、銭湯っていう場所が改めて素敵に思いましたし、私も、穂波ちゃんみたいにその中に存在したいなって思いました。私自身、穂波ちゃんと同じようにちょっと古風なものが好きだったりするんです。なので、穂波ちゃんみたいな役をいつかやってみたいです。

――ちなみに、レトロなものって、どんなものがお好きなんですか？

新谷：
ランプとか。そもそも、灯りが好きなんですよね。オレンジっぽいランプや、ステンドグラスのランプを見ていると、すっごく楽しいです。家具も、ちょっと古めの机なんかを見つけると嬉しくなります（笑）。

――では最後に、改めてドラマの見どころをお願いします。

新谷：
『湯あがりスケッチ』は、観ている人の背中を押してくれる、前向きな気持ちになれるドラマだと思います。私自身も演じていてそういう気持ちになりました。それと、改めていろいろな人との出会いを大切にしたいという気持ちにもなりました。きっとそんな気持ちになると思うので、たくさんの方に観ていただきたいです。

【作品情報】
『湯あがりスケッチ』

原案：塩谷歩波『銭湯図解』
監督・脚本：中川龍太郎
出演：小川紗良　森崎ウィン　新谷ゆづみ　村上淳
伊藤万理華　安達祐実　臼田あさ美　室井滋　夏子　中田青渚　成海璃子
配信日時：2022年2月3日（木）より毎週木曜22:00〜
配信話数：全8話