NEO JAPONISM 辰巳さやか[インタビュー後編]困難に立ち向かい続けるグループが描く未来図「常に新たな気持ちで、これからも闘い続けます」

NEO JAPONISM 辰巳さやか[インタビュー後編]困難に立ち向かい続けるグループが描く未来図「常に新たな気持ちで、これからも闘い続けます」 NEO JAPONISM辰巳さやかインタビュー後編

Pop'n'Roll 編集部

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2022.02.08
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これからも挑戦したことのないことに挑戦していかなればいけないと思ってるーー“闘う”をコンセプトに活動するNEO JAPONISMの辰巳さやかは、今回の単独インタビューで、真っ直ぐに前を見つめながら、グループのこれからについてこう語ってくれた。コロナ禍という人類史に残る困難に決して屈することなく、試行錯誤をくり返しながら、力強く確実に歩を進めているNEO JAPONISM。グループのコレオグラファーであり、まとめ役である辰巳が、開催が直近に迫った全国ツアー<威風闘々>ファイナルのSpotify O-EAST公演をはじめ、グループの現在地、未来へのビジョンへの想いを明かす。

インタビュー:冬将軍
撮影:曽我美芽

みんなの個性のまとめ役、そういう位置にいきたい

——現在全国ツアー<威風闘々>の真っ最中で、オフィシャルYouTubeに、2021年10月の大阪公演(2021年10月17日/BIGCAT)が全編アップされていますが、同じく全編アップされている4月のリキッドワンマン(<LOVE&FIGHT>2021年4月18日/恵比寿LIQUIDROOM)が遥か昔のことに感じてしまうほどのクオリティで。リキッドのライブはレポートも書かせてもらいまして、素晴らしいライブでしたが、半年でここまでレベルアップするとは……。

辰巳:
ああいう映像って、客観的に観られるんですよね。定点映像は毎回確認してるんですけど、それとは違った角度で観られるので。自分のことはさておき、メンバーの成長がすごいなって思います。できなかったことができるようになっているのが目に見えてわかる、それってマジですごいなと。そこにプラスして、お客さんの熱量も上がっている。普段、ステージからのお客さんは見えるけど、お客さん目線の会場の様子は見られないから。お客さんの表情はマスクで目しか見えないけど、うちらが伝えたいことをちゃんと受け取ってくださってる、伝わってるなというのがわかるので泣けますね……。そういうのを見ると、活動の原動力はそこなんだなと再認識します。自分たちのパフォーマンスの確認やブラッシュアップもそうなんですけど、それ以上に、この人たちが観に来てくれるからこそ、私たちはステージに立っているんだということを、あの映像を観て感じるんですよね。

【全編公開】NEO JAPONISM / 全国ツアー“威風闘々”大阪公演 at BIGCAT

——そういう意味では、ファンと一緒に上を目指しているという感覚もありますよね。“伝える”という部分では、特に最近ステージからの気迫がすさまじい。お客さんに騒ぐ隙すら与えないライブとでもいうか、見入ってしまう。

辰巳:
ライブハウスならではの楽しみ方もできるし、ホールでじっくり魅せるライブもちゃんとできる、その両方ができるグループになりたいんです。ホールの着座でもしっかり魅せられるようになったら、さらに強くなれる。それができる素敵な楽曲をもらっているので、そこに見合ったグループになりたいなと思いますね。ライブハウスから抜け出した強さ、もっとスケールの大きくなったNEOを見せていきたい。

——ホールのライブ、絶対似合うと思います。昨年夏に豊洲PITでのイベント<東奔西走〜極>(2021年8月7日)のステージを観た時、ホールどころか、アリーナを感じたんですよ。「Signal」のサビでみんな一斉に手を挙げて跳ねる光景を前にして……。「Set off」終わりの去り際まで威厳があって、“ああNEOって、ついにここまで来たのか”と感動しました。

辰巳:
そう言っていただくと嬉しいです。けど、やっぱり賛否両論ありますよね。ライブハウスで騒ぎたい、っていう人もいて……。

——そこはグループが大きくなる過程で、みんなが通るところですよね。ホール or ライブハウス論争みたいな。

辰巳:
そこのフェーズに早くいきたいです。

——実際、楽曲自体のスケールはどんどん大きくなっているし、レベルも上がっているじゃないですか。「TRAUMA」がリリースされた時、“これ、アイドルが歌う曲か!?”って思いましたもん。もちろんいい意味で。

「TRAUMA」(2021年6月24日リリース)

辰巳:
振りを作っていても思いますね。楽曲も、トラックも、“これ世界レベルじゃん!”って。今の音楽シーンは若者を中心にK-POPが人気だと思うんですよ。そういうところからのインスピレーションを受けることも多いし。そこは柔軟に考えたいと思っています。アイドルだから、この界隈だから、そこにウケるもの、というより、普通の人が見ても“すごいじゃん”と思われるものを作りたい。だからと言って、今応援してくれる人を蔑ろにするわけじゃない。ただ、今ここにいる人たちだけのためにやってないということ。もっといろんな人にNEOを知ってもらいたい。そのツールの1つとして振り付けがあると思うので。楽曲がここまでカッコいいから、そこを超えていかなきゃいけないというのは、ものすごいプレッシャーでもありますね、ありがたいことに。

——歌に関してはどうですか。

辰巳:
今年はもっと自分の色を出していきたい。ひな(滝沢ひなの)ちゃんの“ザ・滝沢ひなの”な感じと、(福田)みゆちゃんの強い声、(瀬戸)みるかちゃんの可愛い歌声、(朝倉)あいちゃんのカッコいいラップがあって、その中で私の居場所を見つけるのがすごく大変。だから、みんなの個性のまとめ役、そういう位置にいきたいと思いますね。自分は特徴的な声でないことはわかってるから、どうすればいいだろうと考えた時に、みんながあちこち行かないようにまとめられるような歌を歌いたいなって思ったんです。

——NEOにおいて、ボーカルの芯になっているのは辰巳さんの歌だと思うんです。真っ直ぐで、凛とした声。以前、1度だけ辰巳さんがお休みしたライブがあったじゃないですか。あの時、それこそ4人だとどこかまとまりなく聴こえてしまって。NEOはユニゾンがあるわけじゃないのに、不思議だなって思いました。

辰巳:
そういうポジションでいたいなと。ただ、今のままではなく、現状以上になりたいと思います。このスタンスを変えずに、みんなをもっと支えられる歌を歌いたい。ひなちゃんは太くてハスキーで煽りを含めてカッコいい感じ、みゆちゃんはがなりとかちょっと演歌っぽいところがあったり。そういう掴む何かを私は持ってないから。それでも何か伝えられるものがあったら嬉しいな。

——自分が初めてNEOを観た時(2020年3月)、なんとなく“この人がリーダーなのかな”と思ったのが、辰巳さんでした。実際NEOにリーダーはいないわけですが、それくらい存在感があった。歌声を含めて。あの頃は福田さんがまだ優等生的な歌い方をしていて。でも、そこから彼女はあの独特のがなり、しゃくり、こぶし、というオリジナリティを極めていった。それって、NEOの芯に辰巳さんの歌声があって、安心感があったからこそ極められたのかなとも思うんですよ。

辰巳:
みゆちゃん、変わっていきましたよね。どんどんNEOになっていきました。

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