あゆみくりかまき[インタビュー]最後まで“あゆくま”らしく「涙じゃなくて、笑顔で終わる」

あゆみくりかまき[インタビュー]最後まで“あゆくま”らしく「涙じゃなくて、笑顔で終わる」 あゆみくりかまき ラストシングル「サチアレ!!!」リリースインタビュー

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2021.05.05
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あゆみくりかまきが、2021年6月19日(土)に解散する。ワンマンライブでも、対バンイベントでも、フェスでも、CDでも、テレビでも、ラジオでも、動画配信でも……どんな場所でも、いつも“ハッピー”な想いを全身全霊で届けてきた彼女たちの突然の解散発表は、ファンのみならず、多くの人たちに大きな衝撃を与えた。この重大な決断は、どのように下されたのか? 本インタビューでは、その解散への経緯をはじめ、この7年間の活動、5月5日(水・祝)にリリースするラストシングル「サチアレ!!!」、6月19日(土)にEX THEATER ROPPONGIで開催するラストライブについて、話をじっくりと訊いている。グループの終幕やこれまでの想い出について深く触れていくため、目を潤ませてしまう場面もあったが、過度に感傷的になるわけではなく、ポジティブに言葉を紡いでいった3人。あゆくまは、最後まであゆくまらしく――あゆみ、くりか、まきの想いを真っ直ぐにお届けしたい。

編集協力:竹内伸一

あゆみくりかまき

どこかできちんと終わらせて、区切りをつけないといけないと思いました
―まき―

――解散するという話を聞いた時には、とにかく驚きました。具体的にいつ頃決めたんですか?

まき:
数年前から、解散の話はあったといえばあったんです。目標を達成できなかったり……ワンマンをソールドアウトできなかったりして、自分たちの“数字”を目の当たりにした時に、伸びていないのかなって感じることもあって。そういう節目節目で解散の話が出ることもあったんです。

――これまでも、ですか?

まき:
そうです。でも、ライブをやってまたぎ(あゆみくりかまきのファンの総称)に会うと、“まだまだ行ける! 行きたい!”っていう気持ちの方が強くなって。でも、去年はコロナで歩みが止まってしまって、あゆくまとしてではなくて、自分の人生を見つめ直す時間が増えて。そうした時に、あゆくまが進んでいく時間がすごく遅いなと感じたんです。それは、自分たちの実力不足でもあるんですけど。自分の未来と照らし合わせた時に、首をかしげることも多くなってしまって。それで改めて3人で話し合って、あゆみ、くりか、まきそれぞれの人生を歩んでいこうという話になって、解散という形になりました。

――誰がその話を切り出したんですか?

まき:
誰ということもなくて、3人それぞれに、あゆくまとしての限界のようなものを感じていて、そういう想いをそれぞれに抱えていたことは抱えていたんですよ。それでも“なんとかなるよね!”“大逆襲しようね!”“HAPPY ROCKしようね!”って、気持ちを奮い立たせてやってきたんです。でも、コロナのちょっと前くらいに3人でちゃんと話をする機会があって。

――ということは、去年の2月くらい?

まき:
そうですね。それくらいの時期に、がっつりと真剣に話し合いをしました。そうしたら、コロナになって、それぞれが自分の人生を見つめ直して、解散しようかと。

――具体的に解散を決めたのはいつだったんですか?

まき:
コロナで活動が止まってしまってしばらく経ったくらいですかね。

くりか:
解散する日がちゃんと決まったのは(2020年)10月くらいでした。

――あゆみさんは、解散が決まった時にどう思いましたか?

あゆみ:
解散が決まったからって、収束して終わりたくはなくて。最後まで何が起こるかわからないという気持ちで、全力で取り組むのがあゆくまらしいかなと思いました。解散っぽいライブをするとか、そういう発想には全然ならなくて、最後まで攻めのライブをしたいっていうのが、自分の中にありましたし、話し合いでもそういう話になりました。

――自分の人生について考えた結果という話が出ましたけど、コロナ禍はその機会になりましたか?

まき:
そうですね。今話したように節目ごとに考えてはいたんですけど、私個人の未来よりも、あゆくまのまきとして生きたいという気持ちが強かったんです。でも正直、あゆくまについてはやり切った想いもあって。特に去年は、ああいう状況ではありましたけど、やりたいと思っていたこともできたんです。それで満足とは違いますけど、やり切ったという感覚はありましたね。そういう想いもあって、改めて考えた時に、1人の“まき”として歩いていこうかなと。あゆくまが大好きなので、終わるってことに苦しさはありましたし、いろいろ悩みましたけど、3人とも同じ意見だったので、それにも背中を押されて。

――同じ意見だったということは、3人の中でまだ続けていこうという雰囲気はなかった?

まき:
そういうことでもなくて……言葉にするのが難しいんですけど、私たち、どこかで区切りをつけないと、ずっとあゆくまをやっていると思うんです。ずっと続けたいという気持ちもあるんです。でも、自分の人生設計をしっかりと考えた時に、どこかであゆくまをきちんと終わらせて、区切りをつけないといけないんじゃないかと。ただ、あゆみが言ったように、収束するのではなくて、ありがたいことに何が起こるかわからない世界にいるので、もしかしたら最後に番狂わせが起きるかもしれないという気持ちをしっかり持って、6月19日まで全力で走っていこうと思っています。

まき

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