=LOVE 野口、神宿 塩見、BiS ネオ……「偶像音楽 斯斯然然的 スゴいボーカリスト10人」 「偶像音楽 斯斯然然」第43回
冬将軍
音楽ものかき
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11月1日(日)の『関ジャム 完全SHOW』「令和のアイドル界 スゴいボーカリスト10人」の放送を受けて、今回は当コラム的視点で「スゴいボーカリスト10人」をピックアップ。野口衣織(=LOVE)、塩見きら(神宿)、ネオ・トゥリーズ(BiS)など、今、注目してもらいたいニューカマーな気鋭のボーカリストたちの魅力を紐解いていく。
『偶像音楽 斯斯然然』
これはロックバンドの制作&マネジメントを長年経験してきた人間が、ロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。
今回は『関ジャム 完全SHOW』(テレビ朝日系列)の11月1日(日)放送回「令和のアイドル界 スゴいボーカリスト10人」に便乗して、「偶像音楽 斯斯然然的 スゴいボーカリスト10人」企画。私だけで選んでも面白くないので、Pop’n’Roll編集長の推薦枠(1名)を含めた10人のボーカリストを選出。
本家『関ジャム』にて選ばれた10人と被っても面白みが出ないのと、ニューカマーな気鋭のボーカリストたちを集めた方がこの連載らしさが出ると思うので、個人的な殿堂入り枠である、湊あかね(predia)、関根梓(アップアップガールズ(仮))、三品瑠香(わーすた)の3人を除外して選んだ。そしてなるべくスタイルの異なる10人を厳選した。順不同である。
わーすたの新曲衣装と当コラムのアートワークがお揃いだと話題に(なってません……)
塩見きら(神宿) 唯一無二のひんやりとした透明感
『関ジャム』では一ノ瀬みかが選ばれていたが、神宿には超実力派ボーカリストがあと2人いる三つ巴状態。ディーヴァ系の一ノ瀬みか、なんでも柔軟に対応する小山ひな、そして唯一無二の透明感を持っているのが、塩見きらである。
神宿「Erasor」MV
声を前に出すというよりも、口を開くと自然と周りの空気が震えていくような不思議な発声。言葉が鼻から滑るように抜けていく綺麗な発音。口を大きく開ける歌唱でもなければ、前へ前へ声を出すスタイルでもない。声量があるわけではないし、滑舌もはっきりしているとはいえず、ピッチも若干低めで倍音成分を含め暗い響きを持った声。であるのに、そのひんやりとした声は遠くまでよく通り、言葉も聴き取りやすくスッと耳に入ってくる、不思議なスタイルだ。
神宿「在ルモノシラズ」MV
昨年4月に加入した塩見だが、明るく元気な印象のあった神宿が、大人びた艶っぽさを纏い始めたのは彼女の存在が大きい。「ボクハプラチナ」のようなクールな緊迫感が張り詰めた世界観は塩見の存在なくしては生まれなかったものだろう。また「在ルモノシラズ」で聴ける彼女の描く内向的な詞世界も実に魅力的である。
神宿 KAMIYADO「Twenty 」MV
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