=LOVE 野口、神宿塩見、BiS ネオ……「偶像音楽斯斯然然的スゴいボーカリスト10人」

＝LOVE 野口、神宿塩見、BiS ネオ……「偶像音楽斯斯然然的スゴいボーカリスト10人」「偶像音楽斯斯然然」第43回

冬将軍

音楽ものかき

2020.11.07

11月1日（日）の『関ジャム完全SHOW』「令和のアイドル界スゴいボーカリスト10人」の放送を受けて、今回は当コラム的視点で「スゴいボーカリスト10人」をピックアップ。野口衣織（＝LOVE）、塩見きら（神宿）、ネオ・トゥリーズ（BiS）など、今、注目してもらいたいニューカマーな気鋭のボーカリストたちの魅力を紐解いていく。

天神・大天使・閻魔（アンスリューム）　変幻自在のボーカリスト

いろんな声を持つボーカリストは、多くはないがたまに見かける。しかし、天神・大天使・閻魔ほどごく自然に声を使い分け、そのどれもが見事に様になっているボーカリストはいないだろう。

アンスリューム警察犬 (Official Music Video)

情報量の氾濫というべきキャッチーさを不条理でぶん殴ってくるアンスリューム楽曲の中を自在に泳いでいく閻魔。色気と勇敢さが共存したタカラジェンヌばりのハンサムモード、そこから女性側に寄せてみたり、男性側に寄せてみたりの変わり身と、少女声もアニメ声も飛び出す訳のわからなさ。一体何パターンの声を持っているのか、聴くほどナゾは深まるばかり。

アンスリュームミーイズムが止まらない！[Live MV]

それでいてどんな声を出してもよく通り、音程も発声も抜群に安定しているというチート。“喉から音源”という言葉がハマるボーカスト。そして、何よりもその堂々たる貫禄に我々はひれ伏すしかないのである。

南向いずみ（BLACK NAZARENE）　真っ直ぐ凛として届けられる声の強さ

推薦：鈴木健也／Pop’n’Roll編集長

＜TOKYO IDOL FESTIVAL 2019＞の「この指グランプリ〜歌うま選手権〜スペシャルコラボステージ」への出演経験もあるBLACKNAZARENEの南向いずみ。父親の影響で幼少期から洋楽（おもにHR/HM系というところがまた興味深い）を聴き続け、6歳からバイオリン、そして音楽大学のボーカル科に通うなど、類稀なる音楽的素養を持つ南向のボーカルの強さは、ピッチの安定感は言わずもがな、いい意味での“真っ直ぐさ”にあると思う。

BLACKNAZARENE / The beginning

ハードロックをベースにしたJ-ROCK、ある種のアニソン系ロック感のあるBLACK NAZARENEの楽曲に、彼女の雑味のない伸びやかな歌声は見事にフィットしている。以前、Pop’n’Rollのインタビューにて、本人が“いろんな声は出せるけど、無理な声を出そうとすると声帯に負担がかかって、長い目で見た時に自分の歌人生にとって絶対に良くないと思った”と語っているように、さまざまな歌い方ができるのであろう。その中で、生来の変えることが難しい自分の声の特性を最大限に生かして、ストレートに歌声を響かせる南向のボーカルには、凛とした芯の強さが感じられる（文：鈴木健也／Pop’n’Roll編集長）。