日向坂46 2ndアルバム『脈打つ感情』【通常盤】

日向坂46 2ndアルバム『脈打つ感情』【通常盤】

【コラム】日向坂46の“ライブ”な新作『脈打つ感情』、本作に込められた想いを探る

2023.11.22

“ライブ”がテーマの日向坂46の最新アルバム『脈打つ感情』。本作について、コラム#1(日向坂46の最新作『脈打つ感情』は、本当にライブしているのか!? )ではいかにライブしているのか主要曲の作家陣から考察し、#2(収録曲順から読み解く日向坂46の“ライブ”な最新作『脈打つ感情』)ではリリースされた3形態(初回生産限定盤TYPE-A・初回生産限定盤TYPE-B・通常盤)の収録曲順からそれぞれのライブ感を妄想してみた。そして、ラストとなる今回は本作のハイライトを紹介しつつ、果たして『脈打つ感情』とは何だったのか考えてみたい。

本作のリード曲は、キャプテン・佐々木久美がセンターを務める「君は0から1になれ」。この楽曲については#1で触れたが、おそらく今後ライブにおいて軸になるに違いない。そして、その「君は0から1になれ」の傍らで光る、本作の裏リード曲と推したいのが初回生産限定盤TYPE-Aに収録されている「最初の白夜」だ。

この曲は卒業を発表している一期生・潮紗理菜の「真夜中の懺悔大会」以来で、かつ最後のセンター曲だが、潮といえば日向坂46でも屈指の愛されキャラ。メンバーやファン、多くの人から愛され、グループを支えてきた精神的支柱。そんな彼女のラストナンバーはイントロからして素敵で、さらには転調から伸びやかに、美しくも輝かしい未来を感じさせる仕上がりだが、歌詞もまた……そして“最初の白夜”というタイトルもなんとも沁みる1曲。

卒業という別れがあれば、出会いもあり。前作『ひなたざか』からの約3年間でグループ最大の変化といえば四期生の加入。その四期生楽曲が本作には複数収録されているが、特筆すべきは次代のエース候補にして、すでに規格外の人気を誇る正源司陽子のセンター曲「シーラカンス」(初回生産限定盤TYPE-B収録)。初々しさ抜群、日向坂46の新たな息吹を感じさせる四期生にして“シーラカンス”という化石的なタイトルの妙、そして歌詞がまた意味深、しかしその一方で楽曲、そしてMVがそれらすべてを捲るクオリティ。思わず泣けてくるMVは必見だが、四期生楽曲の中ではもう1つ、藤嶌果歩がセンターを務める超絶フレッシュな「見たことない魔物」(通常盤収録)のライブにおける伸び代も非常に楽しみ。

▲日向坂46「シーラカンス」MV

▲日向坂46「見たことない魔物」MV

その他、粒揃いの三期生楽曲では、「ゴーフルと君」(初回生産限定盤TYPE-A収録)「パクチー ピーマン グリーンピース」(初回生産限定盤TYPE-B収録)、「Right?」(通常盤収録)が三者三様甲乙つけ難い。さらには二期生・河田陽菜センターのドラマティックな「ガラス窓が汚れてる」(通常盤収録)は、疾走感と哀愁を兼ね備え、他の楽曲とは一味違う魅力に溢れている。通常盤でいえば、2022年に卒業した渡邉美穂がセンターを務めた「恋した魚は空を飛ぶ」が収録されているのも嬉しいところ。

▲日向坂46「ガラス窓が汚れてる」MV

▲日向坂46「恋した魚は空を飛ぶ」MV

本作では全形態に既出シングル6曲が収録されており、#2では「君しか勝たん」と「月と星が踊るMidnight」について少々触れたが、今回は丹生明里センター曲「One choice」を。これはイントロ、アレンジが1度やったら2度と……とまでは言わないが、そう易々と使えない、ある意味必殺的で、それでいてさまざまな要素が散りばめられながらも基本テイストは王道の仕上がり。アイドルポップとしての強度というか純度が高く、そこに丹生明里というピュアアイドルをセンターに据えたなんともリッチな1曲で、なおかつフォーメーションもまた興味深いので「ひなリハ」をぜひご覧あれ。さらに、シングル曲とともに全形態に収録されている隠れた名曲「アディショナルタイム」も“ライブ”を銘打つ本作においては欠かせないピース。これこそ今の日向坂46ライブのスタンダードと言えるだろう。

▲日向坂46「One choice」MV

▲日向坂46「ひなリハ」~One choice~

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