cali≠gari 村井研次郎が語り尽くすヴィジュアル系とアイドル[インタビュー前編]「キスエクは間違いなくオンリーワンですよね」

cali≠gari 村井研次郎が語り尽くすヴィジュアル系とアイドル[インタビュー前編]「キスエクは間違いなくオンリーワンですよね」

cali≠gari 村井研次郎が語り尽くすヴィジュアル系とアイドル[インタビュー前編]「キスエクは間違いなくオンリーワンですよね」『偶像音楽 シン黒子列伝』第5回前編:村井研次郎

Pop’n’Rollにて連載中の「偶像音楽 斯斯然然」の兄弟企画『偶像音楽 シン黒子列伝』。音楽ライターの冬将軍が、今気になるアイドルグループのプロデューサーやクリエイター、マネージャーなど、“黒子=裏方”にインタビューを実施。普段なかなか見ることのできない彼らの仕事や生き様にスポットライトを当てていく。第5回目に登場するのは、Berryz工房やこぶしファクトリー、でんぱ組.incなどのレコーディング参加、プログレッシヴ・アイドル『XOXO EXTREME』への楽曲提供/ライブサポートを務めているヴィジュアル系ロックバンド・cali≠gariのベーシスト・村井研次郎。まったく異なるフィールドで活動していた村井がアイドルに関わるようになったいきさつや、アイドルとの仕事を通じてアーティストとして発見したこと、ヴィジュアル系とアイドルの類似点などについてたっぷりと語る(全2回/前編)。

村井研次郎
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村井研次郎

今、ヴィジュアル系より地下アイドルの方が全然多いですよね

ーー自分がアイドル界隈で村井さんのお名前見たのって、Berryz工房のベースだったんですよ。「一丁目ロック!」を聴いて、“なんだこの超絶技巧のベースは!?”と思ったら、村井さんだったっていう。

村井:
あれはDASEINっていうバンドでギターを弾いてた朝井泰生さんが、つんく♂さんの編曲もやっていてその関係でお誘いいただいて。なので、ハロプロさんでも数曲弾いてますね。

ーーこぶしファクトリー「This is 運命(こぶし2016Ver.)」や、ハロー!プロジェクト モベキマスの「かっちょ良い歌」とか。

村井:
メタルっぽい曲があると、NARASAKIさん経由でお話をいただいたこともあります。NARASAKIさん、BABYMETALとかやってるし。ももクロとかも。こないだもNARASAKIさん経由で、でんぱ組.incのえいたそ(成瀬瑛美)さんの曲弾きました。めっちゃ速いヤツ。

ーー「レジェンド・オブ・エイ」ですね。DIR EN GREYの薫さんが参加している。

村井:
そう、薫さんがギターソロを弾いてます。NARASAKIさんも天才ですからね。COALTAR OF THE DEEPERS(以下、COTD)もすごい勉強になる。まさにオンリーワン。キスエクのNARASAKI さんの書いた曲「ADELHEID」がカッコよかったんですけど、あれ、COTDのアルバム『Yukari Telepath』(2007年)に入る予定だった曲だったそうで。

XOXO EXTREME「ADELHEID」(2022年)

ーーあ、やっぱりそうなんですか。鈴木編集長と“COTDだ!”って、話していた曲です。

村井:
NARASAKIさんに“村井くん、ベース弾いてるよ”って言われて。覚えてなくて(笑)。10何年前の曲ですからね。でもやっぱり、あの素晴らしい曲、天才ですよ。芸術性の極み。

ーー自分はヴィジュアル系とアイドルが総合芸術の極みだと思うんです。ベクトルは違えど、魅せ方含めた本質は同じだなって。

村井:
確かに。でも今、ヴィジュアル系より地下アイドルの方が単純に数で言えば全然多いですよね。今の若い子がバンドやろうと思ったら、ワンオク(ONE OK ROCK)とかRADWIMPSとか、そういう方向でやるだろうしなぁ。

ーーロックバンド、特にヴィジュアル系は若い人がやるもの、聴くものという認識だったと思いますが、そのまま演者もファンも歳を重ねて、50代のヴィジュアル系バンドも増えました。逆に若いバンドじゃ出せない大人の色気や熟練味を感じさせるバンドも多いですし。

村井:
なんかこういう言い方は誤解を生むかもしれないけど、歳の取り方って、ものすごく大事で。cali≠gariはたぶんウマく歳は取れてる方だとは思うんです。周りを見ていると、みんなどこかで化粧落として、どこかでナチュラルにしていくじゃないですか。そこを含めて歳の取り方もしっかり決めなきゃダメですよね。そこがブレちゃうとダメ。音楽もブレちゃいけないけど、ビジュアルもそう。そういう意味でBUCK-TICKという偉大な先輩は本当に指標になりますね。これは自慢なんですけど、僕、<BUCK-TICK FEST(ON PARADE)>に2回とも(2007年、2012年)出てるんです。cali≠gariとRUNAWAY BOYS(kyo and nackie)で。2回出てるのは僕とkyo(D’ERLANGER)さんしかいないんです。プチ自慢なんです!

(後編に続く)

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