iLiFE!、超ときめき♡宣伝部、FRUITS ZIPPER…… Z世代のヲタク心を揺さぶるTikTok発ユーザー生成型ヒットソング|「偶像音楽 斯斯然然」第91回

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iLiFE!、超ときめき♡宣伝部、FRUITS ZIPPER…… Z世代のヲタク心を揺さぶるTikTok発ユーザー生成型ヒットソング|「偶像音楽 斯斯然然」第91回

今回は、TikTokで話題になったことをきっかけにヒットへとつながったアイドルソングをピックアップ。これらの楽曲が、TikTokでバズを生んだ理由とは? TikTokが現在のアイドルシーンに与えている影響を、冬将軍が独自の視点で分析する。

『偶像音楽 斯斯然然』
これはロックバンドの制作&マネジメントを長年経験してきた人間が、ロック視点でアイドルの音楽を好き勝手に語る、ロック好きによるロック好きのためのアイドル深読みコラム連載である(隔週土曜日更新)。

当連載コラムの派生企画『偶像音楽 シン黒子列伝』にて、先日アップされた、コレオグラファー・いどみんインタビュー。

もともとがアイドルヲタクであり、そこを忘れていないヲタク心が振りにも投影されている。楽曲理解度はもちろんのこと、最後のキメのフォーメーションをアー写と同じ並びにしている、とか、HEROINES(ヒロインズ)において“前髪を崩さない”“ネイルが見えるように”“利き顔を意識して”なんて、グループや個人の特性を活かすところまで考えている恐るべきコレオグラファー。

振りコピもTikTokもUGCである

ここ数年で当たり前になった制約下のあるライブシーンにおける“振りコピ”の重要性。個人的にはシーンの傾向として“真似しやすい”ことに特化しすぎてしまい、振り自体がつまらなくなってきているとは感じている。もちろん全部がそうというわけではないが、楽曲はいいのに振りで失敗しているように思うことも多々ある。これは同インタビューにおいてコレオグラファー視点として聞きたかったところで、いどみん氏が語っている“真似しやすい振り付けと真似したくなる振り付けは違う”ということだ。これは正直、演者側が見誤っていることでもあるかもしれない。かつて10数年前にニコニコ動画において「踊ってみた」のムーヴメントに火がついた時、真似しやすい簡単な振り付けなどは存在していなかった。

昨今のTikTokにしてもそうだ。数十秒の切り取り動画であるからこそ、インパクトが重視される。そして、踊りたくなるのだ。まさに“真似しやすい”よりも“真似したくなる”振りに特化しているわけだ。

TikTokで火がついたアイドルソング、超ときめき♡宣伝部「すきっ!」にしても、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」にしても、一見自分にもできそうと思わせておいて、やってみると意外と難しい、でもできたら楽しい、という振りだ。1回観て覚えられるような振りというものは面白みに欠ける。先述のインタビューでのいどみん氏の言葉を引用すれば、“簡単な振りって、リピーターには繋がらない。ヲタクは難しいと何回も通うけど、簡単すぎると飽きがくる”というわけだ。

振りコピにしても、TikTokにしてもUGC(User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ)であることを忘れてはならない。演者側が主導していくものではなく、受け手であるユーザー側が勝手に広めていっているものだ。

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