NMB48 谷川愛梨[ライブレポート]8年半の想いをこめ卒業「やっぱり皆さんは私の太陽です!」
Pop'n'Roll 編集部
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12月19日、Zepp Nambaにて<谷川愛梨 卒業コンサート ~あなたは私の太陽でした~>が行なわれた。
<谷川愛梨 卒業コンサート ~あなたは私の太陽でした~>
NMB48の2期生として加入して以来、8年半の活動にピリオドを打つ谷川。その門出を祝おうと、会場には多くのファンが詰めかけた。
開演前の影アナは谷川が務めた。その声が流れると会場からは「おお~!」という歓声が響く。谷川の「今日は一生忘れられない最高の思い出を作りましょう!」というアナウンスに、フロアの気合も満タンに。ピンクのサイリウムがそこかしこで光り始めた。
幕が左右に開くと全員がスタンバイ。「ウッホ ウッホホ」からスタートした。割れんばかりの愛梨コールに応えるように、エネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げる谷川とメンバーたち。「みなさんもご一緒に」では、ハンドクラップとコールでステージとフロアが一体に。
間奏では“私のアイドル人生、約8年半をこのコンサートにたっぷり詰め込みました! 盛り上がっていきましょう!”と演説風のMCで盛り上げる谷川。分厚い愛梨コールを受けながら4曲を続けて披露した。
谷川は爪の先まで気合の入ったパフォーマンスで魅せる。一挙手一投足に彼女の明るさと強さがぎゅっと凝縮されている。その姿に引っ張られるように、メンバーたちもますます熱気を帯びていく。
“谷川愛梨卒業コンサートにお越しくださった皆さん、本当にありがとうございます!”と息を弾ませ話す谷川。渋谷凪咲が今の心境を尋ねると“セットがヒマワリで、グッズもヒマワリ。今日は元気に明るくハッピーな、最高のコンサートにしたいです。皆さん楽しみましょう!”と答え、ニコニコ生放送でも配信されていることから、カメラの向こうにも笑顔を送る。そして“今日のコンサートは私のやりたいことをすべて詰め込みました。一瞬も目をそらさずに見てください!”とアピールした。
最初のMCは2期生が集合。石田優美、西澤瑠莉奈、村瀬紗英、鵜野みずき、東 由樹が近況を報告すると石田は、“2期生が残っていて、それぞれ活躍する場があってうれしい”としみじみとした表情を浮かべた。
ユニットコーナーは谷川、河野奈々帆、菖蒲まりんの「Glory days」で幕を開け、ダンサブルなステージで魅せた。「愛しきナターシャ」では谷川、加藤夕夏、森田彩花がロックなパフォーマンスを。フロアからも拳が上がる。
谷川のソロから始まった「右へ曲がれ」も力強い。昭和歌謡を彷彿させる「スカートひらり」では谷川、白間美瑠、吉田朱里、上西怜、小嶋花梨が、後ろ髪が引かれる思いをたたえたような、切ない表情で惹きつけた。
MCでは“愛梨ちゃんの思い出のユニット曲を聞いていただきました。私たちの「スカートひらり」の衣装、似合ってますか?”と白間。お互いにまだ制服姿が似合うと確認し合う。“愛梨さんはかっこいい感じのイメージや白組のイメージも強いですが、「僕はもう少し大胆なら」や「右へ曲がれ」とか、紅組の曲にも参加されてますね!”と小嶋。まだまだライブは続くと上西が促し、映像が流れ始めた。
映像は谷川の一人芝居。カメラが彼氏目線になっており、谷川とのデートを思わせる演出になっている。彼氏を明るく励ます谷川、“元気になる曲を”と「スキャンダラスに行こう!」を。こちらは谷川と渋谷でキュートに、最後はハグ。野球の話題で盛り上がった”デート“映像に続いては、谷川、山本彩加、川上千尋、村瀬紗英で「初恋の行方とプレイボール」。続く映像での“やりたいこと見つけたの。ずっと舞台で輝いている人になりたい!”と旅立ちを思わせる谷川のセリフは、まさに駆け付けたファンへのメッセージ。“じゃあ、行ってくるね”と残して披露したのは谷川、石田、山尾梨奈、東、堀詩音による「クローネとパン」。圧巻のダンスパフォーマンスを繰り広げた。
山尾梨奈が“伝説のあれが始まる”と促し、原作・企画・脚本・主演を谷川が務める「百合劇場」がスタート。物語の舞台は同窓会。来る当てのない‟あいつ“を待つ石塚と谷川は男役で登場した。音楽劇でもあり、ストーリーに合わせて「ごめん愛せないんだ」、「奇跡は間に合わない」も歌唱。「奇跡は~」では“お待たせ!”との声に続いて、シルエットが浮かび上がる。木下百花が白のスーツで現れた。その瞬間、大歓声に包まれる。谷川、木下、石塚の3人が肩を組むとフロアからは“お~!”と地鳴りのような声も沸き起こった。最後は谷川と木下のコントラストも美しい「プライオリティ」を、だんさぶる!のパフォーマンスとともに披露した。
“卒業するときは百花を呼びたいと決めていたので、叶ってうれしい!”と谷川。木下は“そう言ってもらっているのを聞いて、愛梨のこと、ずっと好きだったしな…”とクールに返した。
コンサート後半は「目撃者」「美しき者」などを披露。「Partyがはじまるよ」では、2期の谷川、村瀬、東、石田、西澤、鵜野が集結。谷川が初めて選抜メンバーになった「ナギイチ」は特別バージョンで展開し、「僕らのユリイカ」ではステージの上を移動しながらメンバー一人一人と目を合わせる。
谷川のソロから始まった「初恋至上上主義」では、NMB48のメンバー全員が谷川に花を添え、その背中を見送った。谷川自身がアイドルに初めて恋をした日の気持ちが溢れ出したような、フレッシュな時も流れた。
最後はこの曲と「夕陽を見ているか?」を披露。“あっという間過ぎて…。NMB48に出会えて本当に幸せでした。8年半の間に見せてくれた景色を忘れません。私のことを見つけてくれて本当にありがとう”と、一言一言を噛みしめるように伝える谷川。ステージ上は谷川を囲んで、三重の層が作られる。先輩、同期、後輩、そしてファンに見守られながら本編を終えた。
盛大な愛梨コールが起こるなか、軌跡映像が流れ、「今までたくさんの愛をありがとう」と直筆メッセージも届けられた。そして黄色のドレスに身を包んだ谷川がステージへ。
“愛梨コール、しっかり聞こえていました。本当にありがとうございます。私がヒマワリのドレスが着たいですと言ったら、こんなに素敵なドレスを作ってくれました。メンバーからもすごく好評で、最後にこんなにかわいいドレスを着ることができて、本当に幸せです。私は本当にヒマワリが大好きで、それには理由があります。ヒマワリは見ているだけで元気が出て、笑顔になれて、心にぽかぽかにしてくれます。夏になるとヒマワリ畑に行くのですが、いつもパワーをもらえて、私もヒマワリみたいな人間になりたいと思うようになりました。そう思いながら活動してきました。私にとってファンの皆さんは太陽のような存在です。いつも温かく、優しく、照らしてくれるから、私は上だけを見ることができました。ヒマワリは太陽がないといけないように、私も皆さんがいないと輝けません。私に光をくれて、照らし続けてくれたことに感謝しています。ありがとうございます”と、時折言葉を詰まらせながら心情を語る谷川。アイドル卒業は「やりきったと思った時」と決めていた。卒業発表の数日前に山本彩に報告すると、“よくここまで頑張ってくれたね”と返事が届き、涙が止まらなくなったと声を震わせる。
“8年半の出来事が走馬燈のようによみがえってきて。うれしいこと、楽しいことばかりじゃなく、つらくて泣いたこともありました。アイドルってこんなにもしんどいんやと、くじけそうになったこともありました。だけど、すべての出来事が私を強くしてくれて、人間としても成長させてくれました。それを思うと、何一つとしてむだなことはありませんでした」と振り返る。
「NMB48を卒業した瞬間に、長い夢から覚めてしまうのかなと思うと、こんなに素敵な夢なら一生覚めなければいいと思います。まだまだ大好きな皆さんと夢を見ていたいのが正直な気持ちですが、そう思わせてくれるNMB48は最高なグループです。私はNMB48が大好きです。NMB48は私の青春でした。私の人生を変えてくれました。そしてNMB48を通して出会えたすべての皆様に心から感謝しています。ありがとうございます”と挨拶。会場は水を打ったような静けさに包まれた。
そして“今の気持ちにピッタリなこの歌を歌わせてください”と、この日唯一のバラード「みんな大好き」をソロで歌い上げた。会場の隅々を見渡しながら、丁寧に歌う谷川。この時間を惜しんでいるかのようだった。一転、“次の曲はメンバーみんなで歌いたいと思います!!”と「向日葵」を披露。愛梨を囲んで、声を掛け合うメンバーたち。フロアからは歌声を凌駕するほどの愛梨コールが起こった。
“コンサート中にどんどん卒業を実感してすごく寂しき気持ちになっているけど、卒業は皆さんとのさよならではないと思っています。アイドルの私は終わってしまうけど、皆さんの心の中で生き続けていると信じています”と語り、“もう、次が最後の曲になってしまいました”と涙をこらえながらも進めるも、“皆さん、悔いがないよう声を出しきれますかー!”と元気にあおり、最後は「ずっとずっと」。満開のヒマワリ畑を彷彿させる明るく、はじけるようなパフォーマンスで応えるメンバーたち。季節外れのヒマワリが、永遠に咲き続ける美しさも見せた。
幕が閉じても愛梨コールが響く。Wアンコールは「青春のラップタイム」を。“Wアンコール、本当にありがとうございます。もう私は何もやり残したことはありません! 私はここから一人になるんですけど、でもこれからも皆さんをたくさん笑顔にできるような、メンバーの道しるべにもなるような、そんな人間になれるようにもっともっと努力していきます。これからも変わらず応援していただけると嬉しいです! そして10周年に向けてまだまだ進化し続けていくNMB48をよろしくお願いします!”とすがすがしい笑顔を見せて、お辞儀をする谷川。その背中にたくさんの“ありがとう”が降り注いだ。
最後は“やっぱり皆さんは私の太陽でした。これからもずっとずっと照らしていてください! 8年半、素敵な夢を見させてくれて本当にありがとうございました! また会いましょう!”と笑顔で巣立っていった。