SUPER☆GiRLS 樋口なづな[インタビュー]多彩な“私”を描く歌姫の情熱「歌詞に寄り添って歌で表現することが好き」
鈴木 健也
Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)
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曲ごとにたくさんの“私”を見せられるのが武器かもしれない――SUPER☆GiRLSの歌姫を目指すと公言している樋口なづなは、歌詞に寄り添いさまざまな表情が見せられることが、自身のボーカリストとしての強みであると語る。2018年12月にSUPER☆GiRLSに加入して1年。今年11月には初のソロライブを開催するなど、この1年間で歌い手として飛躍を遂げた樋口は、今、“歌”とどのように向き合っているのか。これまでのボーカリスト人生とともに、樋口なづなの歌への想いをお伝えしたい。
樋口なづな(SUPER☆GiRLS)
バルーンアートで歌詞を作ったような声
――樋口さんが“歌うことが好きだな”と自覚するようになったのはいつ頃からですか?
樋口:
幼稚園の時に、歌の発表会があったんです。その時の様子をお母さんがビデオに撮っていたんですけど、それを観ると、私、誰よりも大きな口を開けて歌っていたんですよ(笑)。だからきっと、その頃から歌が好きだったんだと思います。ただ、歌うことが楽しいというよりも、家族が褒めてくれることが嬉しかったんですよね。褒めてもらいたくて、一生懸命歌っていたんだと思います。
――その頃、ピアノなど、音楽の習い事はしていました?
樋口:
年中の頃にピアノを始めました。中学1年の終わりくらいまで続けていました。
――かなり長く続けていたんですね。
樋口:
そうですね。ただ、ピアノを弾くことよりも、ピアノに合わせて歌うことの方が好きでした。ピアノに合わせて童謡を歌う時間もあって、それが大好きだったんです。
――最初に好きになった曲は?
樋口:
小学5年生くらいだったと思うんですけど、モーニング娘。さんが好きになって。特に「まじですかスカ!」が大好きでした。この曲にいつも元気をもらっていました。考えてみると、私はこの曲で音楽とアイドルに興味を持ったのかもしれないです。
――「まじですかスカ!」が、アイドルを目指すきっかけになったと。
樋口:
そうなんです。最初はモーニング娘。さんだけを追いかけていたんですけど、YouTubeなどを観ていると、関連動画が上がってくるじゃないですか。そこにハロプロさんのほかのグループの動画もあって、それもチェックするようになって。アンジュルムさんとか、Juice=Juiceさんとか、ライブが情熱的なグループが好きになりました。
――そこからライブにも行くようになりました?
樋口:
そうですね。モーニング娘。さんの日本武道館や、アンジュルムさんの武道館に行きました。中学2年生か3年生だったと思います。
――初めて観たライブも、やっぱりモーニング娘。だったんですね。
樋口:
私自身が観たいと思って行ったライブはそうなんですけど、その前にもお母さんに連れられてライブには行っているんですよ。たぶん、東方神起さんが初めて観たライブだと思います。お母さん、東方神起さんが大好きなんです(笑)。
――そうだったんですね(笑)。ハロプロ以外で、好きになったボーカリストはいますか?
樋口:
モーニング娘。さんを好きになる前は、AKB48さんが流行っていて、私は、渡辺麻友さんが好きでした。すっごく可愛いなと思って。その頃に意識していたわけではないんですけど、私はいかにもアイドルっていう感じの、プリティなアイドルが好きみたいです(笑)。渡辺麻友さんは、髪形もルックスも歌声もすごくアイドルらしいですよね。今でもそういうタイプのアイドルが好きです。
――ボーカリストとして憧れているアイドルは?
樋口:
モーニング娘。さんの小田さくらさん。すごく聴き心地が良い声だと思いますし、歌詞に合った歌い方や表情をしていて憧れますね。ダンスの安定感もあるし……言い出したら切りがないくらい魅力がある方なので、アイドルとしても憧れますし、目をつむって歌声だけを聴いていても惹かれます。小田さんって、すごく透き通った声で素敵なんですよね。色で表すと、まさに“透明”。そういう声で歌う方には憧れちゃいます。
――ちなみに自分の歌声は何色だと思いますか?
樋口:
色はよくわからないですけど(苦笑)、イメージで言うと“風船”かな。バルーンアートで歌詞を作ったような声だなって、自分では思います。
――自分の声を“風船”に表しているのは面白いですね。初めてレコーディングした自分の声を聴いた時から、そういう印象でしたか?
樋口:
私が参加した初めてのシングルは「コングラCHUレーション!!!!」という明るい曲だったんですけど、初めて録音された自分の声を聴いた時は、なんだかずっと“強い”ように感じて……強弱がないって言えばいいのかな。それからは、特に明るい曲では強弱をつけて歌うことを意識しています。レコーディングでも、歌い終わってからもう1度聴かせてもらって、自分の歌をチェックするようになりました。そうやって客観的に聴くと、歌っていた時にはわからなかった部分に気がつくんです。
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