SUPER☆GiRLS 樋口なづな［インタビュー］多彩な“私”を描く歌姫の情熱「歌詞に寄り添って歌で表現することが好き」

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失敗しても全力でやろう

――ライブでは、どんなことに気をつけていますか？

樋口：
私はスパガに加入して1年なので、先輩方が歌ってきた既存曲を歌うことが多いんですけど、自分が歌う時には、前に歌っていた先輩の個性に引っ張られ過ぎないように気をつけています。もちろん、これは素敵だなと思う部分は自分に取り込みつつ、だけど、自分の良さも出せるような歌い方をしたいと思っています。みんなで歌うパートは、逆に色を出さないで、みんなに合わせた声質で歌うようにしていますね。

――先輩のイメージを大切にしつつ、自分の個性も出すのって難しいですよね。ほかのメンバーにアドバイスをもらったりすることはありますか？

樋口：
実はスラング……じゃなくて、なんでしたっけ（笑）。えっと、あ、スランプだ（笑）。私、スランプに陥ったことがありまして。（2019年）6月くらいだったと思うんですけど、「ナツカレ★バケーション」のリリースイベントで、声が思いっ切り裏返ってしまって。けっこう高めの音程のところで裏返ってしまったんで、ファンのみなさんも“あ、失敗した”って気づいたと思うんです（笑）。その時にマネージャーさんから、コテンパンというか、すっごく注意されて。そうしたら、声を出すことがちょっと怖くなって、気持ちよく歌えなくなってしまったんです。その日、私がすごく落ち込んでいたのを心配してくれて、阿部夢梨さんがLINEをくれたんです。“今はちょっと休んでみる時期だと思うから、まずは休んで。そうすれば自分を客観的に見られるはずだから”ってアドバイスしてくださって。私は“4章”に入ってから突っ走ってきた部分があって、毎日充実してはいたんですけど、休むことを考えたことがなくて。それをきっかけに冷静になって自分を客観視することが大切だと思うようになりました。それと、夢梨さんは“失敗しても大丈夫だよ”とも言ってくださって、すごく気持ちが楽になりました。失敗したからこそ学ぶことができたなって思っています。

――そのスランプはどのくらい続いたんですか？

樋口：
週末ごとにリリースイベントをやっていたので、次のイベントまでの1週間は、ずっと引きずっていたような感じでした。夢梨さんの言葉で気持ちが楽にはなったんですけど、それでも、あまり楽しめなくて……。そうなると、どこか上の空でパフォーマンスをしているような感じになってしまうんですよね。ある時、ステージでしゃがんで、パッと前を向いたら、ファンの方と目があったことがあって。その日の握手会でその方に“最近、あまり楽しそうじゃないけど、何かあったの？”って聞かれたんです。それで自分自身が心から楽しまないと、ファンの方を楽しませるなんてできないんだなって気づいたんです。失敗したことを忘れるのはよくないかもしれないですけど、そればかりを気にしていないで、まずは自分が心から楽しむことをしようと思うようになりました。今は、落ち込むことがあると、自分が目指していたアイドルさんのDVDを観るようにしています。自分の中の理想をもう1度突き詰めるというか、確認することで自分を見直す、そんな気持ちでやっています。

――樋口さんを成長させる貴重な経験でしたね。歌がウマくなるために、ボイストレーニングなどはしていますか？

樋口：
月に2回、個人トレーニングに通っています。ボイトレに通うまでは、ただただ歌うことが好きでやっていたんですけど、腹式呼吸とか高い声の出し方、低い声の出し方など、基礎的なことを習っています。すごく歌いやすくなったというか、表現の幅が広がった気がします。パフォーマンスしながらでも、息切れしない歌い方ができるようになりました。

――スパガ曲は、やはり難しいですか？

樋口：
難しいです（笑）。私は音域が狭いんですけど、スパガの曲は音が高い曲が多いので、声が出なくてキツいこともありますね。でも、失敗しても、ファンの方は成長過程だからということで見守ってくださるんですよ。だから、失敗しても全力でやろうと思っています。

――失敗したことを引きずっていると、先ほどの話にあったように楽しめないですよね。だったら、失敗しても全力でやってベストを尽くすことが大切かもしれませんね。

樋口：
本当にそう思います！