【インタビュー後編】劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほ「武道館に行くことは決めている。ただ、その時はもうアイドルって名乗ってないかもしれない」 劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほロングインタビュー後編
鈴木 健也
Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)
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劇場版ゴキゲン帝国のリーダー、白幡いちほのロングインタビューの後編。今回は、彼女のアーティスト活動の転換点となった2017年9月の声帯手術とそれに伴う活動休止期間の話を皮切り、ゴキ帝のアルバム制作や今冬のワンマンツアー、さらにグループの将来に関してじっくり語ってもらった。前後編で13,000字に及ぶ本インタビューを通じて、現在、2021年に武道館に立つことを目標に勢力的に活動を展開している彼女の熱い想いと素顔をお伝えしたい。
声帯の手術直後は、ステージでただただサンプラーを押してました
――白幡さんは、2017年9月3日の東京キネマ倶楽部公演のあとに声帯の手術をしましたよね?
白幡:
しましたね。前のグループの時からガンガン煽ってたし、生歌だったっていうのもあって、声を使い過ぎてて。自分でも“なんか声低いなあ”って思っていたし、会う人会う人にも“酒灼けでしょう?”って聞かれて、“飲んでないのに、酒灼けが治らないな”っていうのが1年くらい続いていたんです。それで病院に行ったら、“声の使い過ぎなので使わないでください”って言われて。でも、使わないとか無理じゃないですか。
――仕事にならないですよね。
白幡:
そうなんですよ。病院で“手術です”とか言われたんですが、ちょうどその時ってアルバムのレコーディングだったり、ワンマンの直前だったり、小松さん(現・株式会社GOKIGEN JAPAN代表取締役)とも今後の活動についていろいろ話してた時期なので、“どうしよう、終わった”って思いました。でも、正直に言うしかないじゃないですか。で、その時のマネージャーとメンバーと小松さんに、状況をすぐに話して。私はキネマ倶楽部のワンマンが終わって、11月の自分の生誕(イベント)が終わって、アルバムのリリースが終わって、年末くらいに手術すればいいかなと思っていたんですけど、小松さんがワンマンが終わったら手術して、生誕で戻ってくる方がいいんじゃないかって言ってくださって、9月の後半に手術をすることになりました。そこから1ヵ月半くらいは声を出しちゃいけない期間があって。
――では、ライブはほかのメンバーに任せていたんですね。
白幡:
いや、一応ライブには出てたんですよ。手術する前にライブで使いそうな煽りの声を録音してiPadのサンプラーアプリに入れおいて。で、ライブ中は、それを繋いで“ありがとうございました!”とか“跳べ!”とか、録音していた私の声を出していました(笑)。
――じゃあ、ステージにはいたんですか?
白幡:
いましたね。メンバーが歌って踊ってる中、私は端っこでサンプラー押してるっていう。運動もあんまりしちゃいけなかったので、ただただサンプラーを押してました(笑)。
――衣装は着てたんですか?
白幡:
衣装も着てました。で、“劇場版ゴキゲン帝国です!”みたいな声を流してました。
――白幡さんの代わりに人形を使っていたとか。
白幡:
そうですね。入院期間中にもライブがあったので、私がステージに立つことすらできない時は、エアーダッチワイフに衣装を着せて、私の顔をプリントした写真を貼ってライブに出してました(笑)。でも、すぐに破けちゃうんですよ。ダイブとかもさせてたんですが、フロアでボコボコにされて。4体ぐらい使いましたけど、1体5,000円くらいしたので、すごいコスパの悪いやつです(笑)。
――エアーダッチワイフは特典会にも参加していたんですよね?
白幡:
はい、一応チェキも存在してて(笑)。500円払って、ダッチワイフとチェキを撮って、お客さんが自分でサインして、勝手に会話して剥がれていくっていう(笑)。
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