【インタビュー後編】劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほ「武道館に行くことは決めている。ただ、その時はもうアイドルって名乗ってないかもしれない」劇場版ゴキゲン帝国 白幡いちほロングインタビュー後編

ゴキ帝を一生やれるコンテンツにしたいし、いろんなことができるグループにしたい

――2017年11月には1stアルバム『インディーズベスト』をリリースしましたが、発売された時は感慨深かったのではないですか？

白幡：
そういう感覚に浸れる余裕はなかったですね。グループをゼロから始めて、1曲作るのも、歌詞書くのもめちゃくちゃ大変で。ただ、今から振り返ると、ファンの人たちがライブに通ってくれて、チェキを撮ってくれたり、グッズを買ってくれたお金が100％アルバムの制作費になっていたので、ゼロがイチになったというか、CDとして形になったのは嬉しいですね。けど、当時は、楽曲の登録とかリリイベや特典、告知の準備とか全部やったことがなかったので、バタバタと忙し過ぎて、それどころじゃなかったです（笑）。

――CDを出すことで精一杯な感じ。

白幡：
はい。あと、ブックレットの歌詞にミスがあったり、記載抜けなどもあって、今見返すと、こんな間違いにも気づかないほどのレベルで切羽詰ってたんだなって思います。

――アルバムリリース後、2018年の年始に大阪と東京で3回目となるワンマンがありましたが、だいぶ慣れてきた感じでしたか？

白幡：
いや、慣れることはないですね。でも、2017年1月1日にやった1stワンマンの時に比べたら、レッスンも入れられたし、演出も前倒しで考えられてたし、ちゃんと準備できたかなっていう感じでした。けど、直前にメンバーがやめちゃって、それが本当に大変で。フォーメーションとか、歌割りの直しだけで準備が終わっちゃうってことがありましたね。

――やはりメンバーの脱退は、活動していく上での大きな悩みですね。

白幡：
もう初期メンバーはみんないないですしね。私はこういう活動を一生やっていきたいと思っているので、一生やれるグループを作りたかったんです。だから、ゴキ帝を始める時にアイドルにこだわっていたわけではなくて。エンタテインメントのジャンルはたくさんあるけど、その中で、アイドル活動はやっていたので、アイドルでグループを作った方がお客さんを増やしやすいだろうなって思っていました。今、ゴキ帝がYouTubeをやってるのも、可愛い女の子が何かしてるってことを見せたいわけじゃなくて、メンバーがカメラの前で喋れたり、バラエティ番組などにも出られるスキルを身につけてほしいと思っていて。メンバーにも自分で考えて発信できるようになってほしいから一緒に企画を考えるし、日々打ち合わせもしています。あと、メンバーの中には社会に出たことがないような子もいるけど、ゴキ帝の活動の中でお金の動きとかを学んでくれたら、アイドルをやめて結婚とかして表舞台に立ちたくなくなったとしても、じゃあ経理で会社を手伝ってよって言えるかなって思ってて（笑）。

――その考え方はすごい（笑）。

白幡：
ゴキ帝をそれくらい一生やれるコンテンツにしたいなって思っています。一応始まりはアイドルだけど、いろんなことができるグループにしたいなと。私、形とか肩書きとか、なんでもいいじゃんって思っていて。それこそ、アイドル現場だと芸人じゃんって言われて、逆に芸人のライブに出た時はアイドルじゃんって言われましたし。そんな感じだったので、みんな勝手だなぁって思ってました（笑）。自分は芸人みたいに面白いことをやりたかったけど、お笑いの現場ではそんな力はなかったんだと思うんですよ。けど、アイドル現場という違うフィールドに来たら戦っていけるなって。

――ゴキ帝のライブを観ていると、お客さんのいじり方がウマいなって思って。ああいう絡み方をする人って、アイドルではあんまりいないじゃないですか。

白幡：
いないですよね（笑）。信頼関係がないとできないので、ファンの人は優しいですね。ただ、お笑いではあれが普通なんで。私はお笑いの世界ではなんの個性もないけど、アイドルの中では出せているのかなと思います。