神宿［リハーサル密着レポート］幕張メッセワンマンに挑む5人の現在地「私たちの決意を示したい」 ＜神宿5周年記念ワンマンライブ 神が宿る場所～君が君らしくあればいいのさ～＞ゲネプロレポート

【ゲネプロレポート】
ファンの笑顔のためにスタッフと試行錯誤をくり返した5人

この日は、幕張公演ゲネプロ初日ということで、ライブ全体の流れを一気に追うのではなく、曲と曲の繋がりやフォーメーションなどの確認を中心にリハーサルは進行していった。

リハーサルを見ていて、とにかく印象的だったのはメンバーが率先してスタッフに自分たちの意見を言っていたこと。フォーメーションや演出、映像などに関しては、羽島めいと一ノ瀬みかが自分たちのイメージを積極的に伝えていた。また、今年4月29日に加入した塩見きらも、ほかのメンバーに臆することなく自分の想いを口にしているシーンが何度か見られた。

この日、ゲネプロ初日にも関わらず、小山ひなを中心に力強い歌声を聴かせていた5人。この夏に敢行した幕張メッセ公演に向けて全国のクラブクアトロを巡る＜クアトロ大制覇ツアー＞や数々の大型フェスへの出演が、グループのパフォーマンスレベルをさらに上のステージへと上げたのだろう。

今回のワンマンライブには、客席にセンターステージが設置される。リハーサルでは、そのセンターステージへの移動も、かなり入念に確認を取っていた。この日のスタジオでは、センターステージへと続く花道のスペースをそのまま取ることができないため、スタジオの端に花道1/3分の仮想スペースを設けて、メンバーがセンターステージに移動する動きをチェックする際には、その仮装スペースを3周回るという形を取っていた。

これまで数多のステージを踏んできた彼女たちにとっても、今回のような大掛かりなステージセットはほぼ未体験なもの。やはりリハーサル中に少し戸惑ってしまうこともあって、そこで少し緊張した雰囲気がスタジオを包む瞬間もあったが、羽島みきが笑顔で冗談を言ったり、ユーモラスな動きを見せたりして、少し重くなったスタジオの空気感を柔らかいものに変えていた。羽島みき本人は、自分はリーダーらしくないリーダーだと口にしていたが、その一歩引いた立ち位置でメンバーを支えていることが、神宿全体が常に放つポジティブな雰囲気を作り出す1つの要素になっているのだと感じさせてくれた。

幕張メッセは、神宿のワンマンライブとしては過去最大の会場となるが、前述のセンターステージをはじめ、ファンとの距離感が近いライブになるように作り上げていくという。また、リハーサル中にライブ用に曲の長さを微調整したり、セットリストに関してメンバーとスタッフが本音で意見をぶつけ合うなど、古くから神宿を応援しているファンはもちろん、最近神宿を知ったファンまで、すべての舁夫（神宿ファンの総称）が心から楽しめるような構成を目指していた。

神宿のこれまでの5年間、そして、未来に向けた重要な第1歩となる＜神宿5周年記念ワンマンライブ 神が宿る場所～君が君らしくあればいいのさ～＞。取材が終わり、リハーサルスタジオをあとにした瞬間、幕張への期待感が自然と胸の中に溢れていたことに気がついた。9月29日まであと4日。今は、5人が幕張で描く輝かしい光景を静かに待ちたい。