染谷有香[インタビュー前編]2冊目のヘアヌード写真集で胸に抱いた覚悟「今回は“まな板の上の染谷になろう“と」

染谷有香[インタビュー前編]2冊目のヘアヌード写真集で胸に抱いた覚悟「今回は“まな板の上の染谷になろう“と」 染谷有香インタビュー前編

鈴木 健也

Pop'n'Roll Editor in Chief(編集長)

2022.12.06
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露出に関してはこれ以上超えることはできないので、そのハードルが自分の中で1つの楽しみーー2021年9月に初のへアヌード写真集『This is the beginning』を発表した直後、染谷有香はこのようにその後のグラビア活動への意気込みを口にしていた。そんな染谷が今年9月に出版した2冊目のへアヌード写真集『Dyed in a dream』には、ファッション誌/ビューティ誌で活躍するスタッフが集結。染谷の新しい表情を引き出し、グラビアファンも納得させる充実の内容となった。今回、“霊長類最強グラドル”としてグラビア道を追求し続ける染谷有香の現在のグラビア観に迫るため、全2回にわたるロングインタビューを実施。この前編では、ヘアヌード写真集第1弾のヒットへの想いと、第2弾の制作についてじっくり語ってもらった。

編集協力:竹内伸一
撮影:河邉有実莉

自分の想像を超えたリアクションが返ってきてよかった

――昨年9月に発売した写真集『This is the beginning』は4刷になったそうですね。出版不況と言われて久しいですが、そんな状況の中で大ヒットとなりました。ご本人としては、ヒットの要因をどう分析しているんですか?

染谷:
最初に重版がかかった時は、そこを目標の1つにしていたので、達成できてすごく嬉しかったんです。人生で初めての重版でしたし。それが“2版になりました”、“3版になりました”となっていって……。素直に“こんなこともあるんだな、頑張ってよかったな~”って喜んでいたんですけど、今年に入って“4版になりました”と言われた時は、“そんなあからさまな嘘をつかないでくださいよ”っていう気持ちでした(笑)。正直、今でも実感が湧かないんです(笑)。

――重版になったら嬉しいとは思っていたけれど、さらに売れ続けるというのは、染谷さんにとっても想定外だったんですね。

染谷:
ただただ、驚くばかりというか、本当だったら嬉しいなっていう感覚です(笑)。4版になった時に、いろいろなところで“ロングセラー”と言っていただいたんです。自分の人生の中で初めてのワードなんですけど(笑)、今度は“ロングセラー”の名に恥じないように、自分の人生を考えていかなくちゃいけないなと思っています。自分にとって、本当に大切な1冊が生まれるというのは、こういうことなんだなというか……あ、ヒットした理由でしたよね、質問は(笑)。それは本当にわからないんですよ(笑)。4版になった時に、お友達が“お祝いしようよ!”って言ってくれたり、グラビアでお世話になった方と食事をしたりする機会があったりして、そういう話になるんですけど、結局はわからないんです。発売から1年を過ぎて、いまだ分析中っていう感じですね。分析しきれるかもわからないですけど(笑)。

――ヒットの要因は1つではないでしょうし、いろいろな出来事が折り重なっての結果かもしれないですね。

染谷:
新しい写真集『Dyed in a dream』が発売になって、先日、書店巡りをしたんです。そうしたら、新作だけじゃなくて『This is the beginning』も並べて平積みにしてくださっていたんです。すごく嬉しかったです。

――そういうことが積み重なって“ロングセラー”になっているんでしょうね。

染谷:
そうかもしれないですね。書店をまわってみて感じたことなんですけど、想像していた読者層とは違う方も手に取ってくださっているんですよ。書店員さんからも“サラリーマンの方も買ってくださっていますよ”と言われたりもして、ちょっとずつ広がっているのかもしれませんね。いちグラビアアイドルが出した写真集だったものが、“ヘアヌード”というワードの力もあって、興味や関心を集めたんだと思うんですけど、それが意図していなかったところにも広がったんじゃないのかなとは思います。

――ファン層が広がった実感はありますか?

染谷:
そうですね。やっぱり、自撮りやセクシーな写真のツイートにたくさんの“いいね”や、コメントがつくんですけど、最近は“この映画が面白かった”などとつぶやくと、今まで見たことのないアイコンの方からリアクションがあったりするんです。それは、これまでの芸能生活でなかったものですね。今まで接点がなかった方々がリアクションしてくれるというのは、面白いなと思っています。ちなみに、コメントは全部読んでいます(笑)。

――映画のツイートに反応する人というのは、どういう方が多いんですか?

染谷:
カルチャーが好きだというタイプだと思います。映画に詳しかったり、ラジオをずっと聴いているという方だったり。今までは、アイドルファンの方が多かったんですけど。

――写真集は決して低価格ではないので、読者もそこにしっかりと価値を見出さないと買わないと思います。そういう意味では、買う価値を見出せる作品が作れたということかもしれませんね。

染谷:
そうかもしれませんね。実は、最新作は、前作よりも価格が上がってしまったんです。“ちょっと高いかも……”って思っていたんですけど、1番最初についたレビューが“価格が安すぎて心配です”っていうものだったんですよ。“これだけボリューミーだと、コスパが心配だから、もっと払わせてください!”みたいな(笑)。自分の想像を超えたリアクションが返ってきて、何だかよかったです。この時代に写真集を出させてもらえるというのは、すごく貴重なことだと思うんですけど、このリアクションは、紙でアウトプットしたからこそのものなのかなと思いますね。

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