染谷有香［インタビュー前編］2冊目のヘアヌード写真集で胸に抱いた覚悟「今回は“まな板の上の染谷になろう“と」染谷有香インタビュー前編

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カバーを外した写真を表紙にしたかった

――『Dyed in a dream』でお気に入りカットはどれですか？

染谷：
どれだろう？　選べないくらい好きなカットがたくさんあるんですよ。

――聞くところによると、カバーを外した表紙の写真（裸で走っている後ろ姿を捉えたカット）がお好きだとか？

染谷：
あっ、あの写真、可愛いんです！　ホントはあの写真を表紙にしたかったんです。でも、どうやらまだダメみたいです（笑）。

――まだ法律が追いついていなかったと（笑）。

染谷：
でも、そのくらい好きな写真です。背景の壁の色味と、鬼ごっこしてるのかっていう感じのラフな走り姿（笑）、スニーカーもすごく可愛くて。色彩感覚も構図も、グラビアにはないもので、ファッション誌のチームならではだと思いますし、素敵な雰囲気の1枚になっていると思いますね。この色味の壁って、ポップ過ぎるので、グラビアチームだったら、積極的に選ばないかもしれません。いわゆる廃墟で撮影したんですけど、グラビアだったら、もっと廃墟らしい背景を使うと思います。だからこそ、そこで撮影しているんだし。でも、この背景で撮ろうっていうアイディアが出てくるのは、ファッション誌のチームならではですよね。

――顔が写っていないので、グラビアだとNGになるかもしれませんね。

染谷：
そうですよね。グラビアだと顔、胸、正面を撮りたいってことになると思います。それが、グラビアを見てくださるファンの方に喜んでもらえる写真だと思いますし。でもこれ（カバーを外した表紙写真）は、“壁が可愛いし、走っている時の髪の動きもいいし、スニーカーも面白いから、顔見えてないけどいいんじゃない？”って感じで、肩肘張っていないところがいいと思います。グラビアチームが作った写真集だったら、掲載されていなくても不思議じゃない写真だと思うんですけど、それが表紙にくるというのはいいなと思ってて。シャレがきいているというか、いい感じに外しているというか……。私がこれを表紙にしたいと言ったら、たぶん通らなかったと思うんですけど（笑）、実際、この写真が使われているというのが嬉しいです。この写真が、染谷有香が1年間ヘアヌードをやってきて、ファッション誌のトップの人たちとコラボレートするところに辿り着いた……それを体現している写真だと、私的には思います。

――染谷さんとスタッフの感性が合うんでしょうね。そこがズレてしまうこともあると思いますけど……。

染谷：
そういう時もありますね。でも、しょうがないですよね、人それぞれ違うんですから。

――でも、今回はそこがぴったり合ったんでしょうね。

染谷：
そうかもしれないですね。

――この写真は、ヘアヌード写真集の1冊目ではできなかったものかもしれないですね。

染谷：
そう思います。前作があったからこその写真だと思いますね。『Dyed in a dream』が1冊目のヘアヌード写真集だったら、同じチームで撮影しても、違ったものになっていたような気がします。

『染谷有香 写真集　Dyed in a dream』

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