染谷有香［インタビュー前編］2冊目のヘアヌード写真集で胸に抱いた覚悟「今回は“まな板の上の染谷になろう“と」染谷有香インタビュー前編

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想いを共有して、みんなでそこを目指しながら作った

――『Dyed in a dream』はファッション誌やビューティ誌で活躍するスタッフと制作されたそうですね。やはり、撮影の仕方などは違いましたか？

染谷：
前作はカメラマンのアンディ（ND CHOW）さんと1対1で熱量を上げて撮影したんです。グラビアって、主観で捉える人物像が表現されると思うんですけど、アンディさんはその表現が上手で、私という人間の輪郭をしっかりと写し出してくれました。新作は、“こういうことがエッチで可愛いよね”ということをスタッフみんなと共有して、そこをみんなで目指しながら、作っていった感じがしますね。沖縄で3泊4日のロケだったんですけど、2日目だったか3日目だったかに、“何かよい小道具はないかな”ってことになって、みんなでドン・キホーテに買い出しに行きました。沖縄のドンキは、ショッピングモールみたいに大きいんですけど、縄跳びとか、延長コードとか、身体に巻けそうなラップとか、そこにあった色付きの紐状のものを全部買いました（笑）。“これいいんじゃない？”なんて、みんなでキャッキャキャッキャ言いながら買い物して、戻ってきて試してみて。そういうテンションで撮影していました。

――今回は団体戦だったんですね。

染谷：
そうですね。スタッフに女性が多かったんですけど、女性の方が踏み込むスピードが速いというか……“それ、股にはさんでみようよ！”なんて、どんどん提案してくれて。それって、男性のスタッフだとちょっと言いづらかったりもすると思うんですよ。でも、ビューティ誌の最前線でやっているスタイリストさんやヘアメイクさんだと、一緒になって作品作りをしていくんだなと。同性だから言えるんだろうし、すごく面白かったので、私も“じゃあ、やっちゃおうかな”っていうテンションでチャレンジしていきました。まずはやってみて、それでセクシーな写真が撮れれば、使われるでしょうし、ダメならまた次をやればいい。そんな女性ならではのフットワークの軽さみたいなものがありました。

――チームワークもよかったんですね。

染谷：
よかったと思いますね。私はグラビアをやってきて、ビューティ誌の現場はまったく知らなかったので、どうなるのかなと思ったんですけど、ある程度、向こうに委ねつつも、自分の身体のこと……胸の見え方とかは、私の方がわかると思うので、こういう見せ方がいいんじゃないかって提案したり……コラボレーションですよね。楽しかったですよ、すごく。

――ファッション系の撮影では、スタッフが世界観をきっちり作り込んで、モデルはそれに乗る形で進行していくことが一般的な印象があります。でも、今回はそういう感じではなくて、染谷さんのアイディアも反映されたんでしょうか。

染谷：
みなさんのアイディアに乗っかる部分もありましたけど、ウマい具合いに“いいとこどり”ができたような気がします。衣装やメイクは決めてもらったものだけど、表情は自分のアイディアで変えてみたり。あとは、天気がめまぐるしかったんですよ（笑）。ファッション誌だと、雨が降ったら撮影しないですよね？

――おそらく、衣装がダメになるので、やらないでしょうね（笑）。

染谷：
でも、今回はいろいろな天候の中で撮影したので、そういう部分はグラビア感があると思います。そうですね、ファッション誌っぽく、衣装のここだけは、こう見せたいっていう感じで、決め打ちで撮影する部分もありつつ、天気や表情は偶然性に頼った、そんな感じでした。

――アドリブの部分もしっかり活かされているんですね。今回、新たに挑戦したことはありますか？

染谷：
挑戦は……どうだろう？　今回“まずは、まな板の上の染谷になろう”と思ったんですよね。レジェンドと呼ばれるようなプロフェッショナルなチームだったので、まずは抵抗せずに飛び込んでみようと思って。提案されたことはすべてイエスと言ってみようと思って撮影に臨みました。それが挑戦したことかどうかはわからないですけど。それと、そうやって飛び込んでいけば、きっと挑戦させてもらえるなと思ったんですよね。

――身を委ねるということは、求められたことにしっかりと応えないといけないということでもありますよね。それにレジェンド級のチームなので、自分もそれに見合うように高めていかないといけなかったでしょうし。

染谷：
そうなんですよ！　菊地泰久さんが撮影してくださって、スタイリストがこの方で、ヘアメイクはあの方でって決まった時に、急いでみなさんのSNSをフォローしました（笑）。“この雑誌の撮影をしました”ってつぶやいていたら、その雑誌を買って、“このCMのスタイリングをしました”と書いてあったら、そのCMをYouTubeで観て、“雑誌でおすすめのコスメを紹介しています”って言っていたら、そのコスメを買って（笑）。とにかく、撮影までにみなさんのエキスというか、見ている景色や環境を知っておきたかったんです。そういったファッション関連は、もともと好きなんですけど、一緒にお仕事をするという視線で体験してみようと思って。すっごく駆け足になっちゃったんで、間に合っていないところもたくさんあったと思いますけど、できるだけちゃんと準備をして臨みたいなと思いましたね。