26時のマスカレイド［日本武道館公演 密着レポート］信念を貫き、愛をたっぷり届けた奇跡の夜「夢が叶ったこの景色を見て、本当にニジマスでよかったって思う」 ＜26時のマスカレイド The Last Year 特別公演 『26時のマスカレイド×日本武道館』＞密着レポート

撮影：西角郁哉

【リハーサルレポート】
特別な演出に笑顔を見せながら大舞台の感覚を掴もうとする5人

開演時間から遡ること4時間前の14:30。26時のマスカレイドにとって初めての日本武道館公演のリハーサルは始まった。

これまでも大型アイドルフェスなどで巨大なステージは経験していたとはいえ、ニジマスの単独公演としては過去最大となった今回のライブ。当然、ステージセットや演出もすべて彼女たちのためだけに用意されたものとなる。今回のステージは、カーテンやシャンデリア、古代ギリシャ風の柱などがあしらわれ、2階部分もある華やかなメインステージと、その中央部分から渡り廊下でつながるアリーナ中央に設置されたセンターステージで構成されていた。

赤を基調とした新衣装を身につけてステージに現れたメンバーは、まずステージ内を歩きながら、各所の距離感や階段の移動などを確認。センターステージには2時（26時）を指した時計のデザインが施されていたが、それを目にしたメンバーは思わず“すごい！”と感嘆し、笑顔を見せていた。

ステージのチェックを終えると、それぞれの背中に名前が記されたTシャツのリハーサル着に着替えて、本格的なリハーサルをスタート。

このリハーサルは、ライブ本番の流れや立ち位置、また演出などを確認することをおもな目的としていたため、「チャプチャパ」などのステージ演出が絡む楽曲や新曲「未来へのハーモニー」などを除き、どの曲も全編ではなくワンコーラス程度を歌唱する形となった。

リハーサル直前にバックヤードで江嶋綾恵梨に話を聞いたところ、日本武道館のステージサイズでのリハーサルはライブ当日が初。それまでのリハーサルでは、ステージ上での長い距離の移動は、リハーサルスタジオ内の壁と壁の間を往復することで、擬似的に距離感を身体に入れていたという。初めての“フルサイズ”でのリハーサルということもあって、「ハローハロー」では、森みはるが吉井美優に正しい立ち位置を教えている場面、「妄想シンドローム」では、ダンスの先生が中村果蓮にセンターステージからメインステージの下手側までの移動の修正点を伝えている姿が見られた。本番までたくさんのリハーサルを重ねてきたとはいえ、5人にとって日本武道館のステージは想像以上に大きなものに感じられたのかもしれない。

この日は、Co2の噴射、火柱（ファイアーボール）、シャボン玉という特効も用意されていた。メンバーは、これらをリハーサルで初めて体験することになり、Co2の噴射には“思っていたよりすごい！”、火柱には“うわ、熱い！”と驚きの声を上げながらも、笑顔を見せていた。火柱は、江嶋がプライベートで観に行ったOfficial髭男dismの日本武道館公演でも取り入れられていた特効で、自らが武道館でライブをする時にぜひ実現したいと思っていたものだったそうだ。バックヤードでは、その願いが叶えられて、本当に嬉しいと喜びを口にしていた。

リハーサルは、開始から2時間後の16:30に終了。日本武道館という大舞台でも浮き足立ったり、過度な緊張感を見せたりすることもなく、5人が終始自然体でリハーサルに臨んでいたのが印象的だった。同時に、このライブを絶対に成功させたいという5人の気持ちの強さも感じられるものであった。

最後に全スタッフに向けて、来栖りんが“本番楽しみにしています！”と語り、メンバーは本番に向けてのあふれる期待感を表すかのような大きな笑顔とともにステージをあとにした。