26時のマスカレイド［日本武道館公演 密着レポート］信念を貫き、愛をたっぷり届けた奇跡の夜「夢が叶ったこの景色を見て、本当にニジマスでよかったって思う」＜26時のマスカレイド The Last Year 特別公演 『26時のマスカレイド×日本武道館』＞密着レポート

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こうやって武道館で、このメンバーで、笑顔でアイドルができるっていうことが誇り

流麗なピアノのアルペジオが鳴り響き、激しいドラムのフィルインとともに5人は《巻きおこせ!! ニジマスエモーション》と力強く歌い上げる。すると、メンバーの再登場を待っていた観客からどよめきが起きた。武道館公演のアンコール1曲目にメンバーが選んだのは、初期曲「ニジマスエモーション」。それぞれの名前が背中に記された黒のライブTシャツをアレンジしたワンピース衣装を身に纏ってステージに姿を表した5人は、ハードなバンドサウンドに乗りながら躍動し、会場のテンションを再びグイグイと上げていく。《まだ…まだこんなもんじゃないはず!! 私たちの未来はここからだ。行こう!! 皆んなで!!》というセリフを、中村が力強く言い放つ。この曲が作られた時、解散を目前に彼女たちが日本武道館のステージに立つという未来が想像できていたのかは、もはやわからないが、今、このタイミングで、彼女たちが“未来”に向けての決意表明をする姿に、思わず胸を打たれた。

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開演から約2時間、全身全霊でパフォーマンスを続けてきた5人は、武道館に立った心境を語っていく。

森みはる：
今日は、私たちの武道館公演に足を運んでくださって本当にありがとうございます。私たちはいつからかわかんないんですけど、武道館に立ちたいってずっと言ってて、最初は“宝くじ当たりたい”とか“石油王と結婚したい”とか、それぐらい漠然としたものでした。現実として目指してもいいのかなって思えるようになってきた時に、解散発表をすることになってしまって、このグループでいつか5人で解散しようねっていうのはずっと話してたことだし、その時が来ることはわかってたんですけど……まだ夢も叶ってないのに、こういう風になってしまったことがすごく悲しくて……。いつかは武道館に立てるって信じてたから頑張れてこれたので、悲しいお知らせをしてしまうのがすごく悔しかったし、自分の大好きなグループをもっと守れたんじゃないかなとたくさん思ってしまって。アイドルって本来だったら夢とかキラキラしたものを与えないといけないのに、悲しいお知らせをしてしまったり、みなさんの前で涙を見せてしまうことが多くなったり、自分の夢の1つも叶えられなかったり、本当に情けないって思ったんですけど……解散っていうのがわかってても、どうしてもこの夢だけは諦めきれなくて、何回も武道館に立ちたいって言い続けて、あの時に悔しい気持ちを自分の中だけに仕舞って、言ってなかったら後悔してたなって思うし、どれだけ心が折れたり、諦めかけたりしても、ちゃんと夢を忘れないで頑張ってこれてよかったなってすごく思います。みなさんがいたから、このステージに立てて、こんな風にたくさんのお客さんに来ていただけて、すごく嬉しいです。今日は、ちゃんとアイドルとして夢を与えられたのかなって思います。みなさんも夢を持って追いかけたり、夢を持つことを忘れないでほしいし、私も力になれることがあったらみなさんの背中を押したり、応援することができたらいいなって思います。今日は本当にこのステージに立たせてくれて、ありがとうございました！

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吉井美優：
本日は、武道館にお越しいただきありがとうございました。解散発表するにあたって、ファンの方が離れていっちゃうんじゃないかとか、つらい想いをさせてしまうことに対して、寂しい想いをさせたくないって気持ちがすごく強かったんですけど、発表してから、私たちにくださる言葉は全部温かくて……ファンの方に支えられてここまで来れたんだなって思いました。その後、武道館公演があることを発表させていただいて、どのぐらい埋まるんだろうとか、あんまり来てくれないんじゃないかなとか、不安な気持ちで今日までいたんですけど、こんな素敵な景色を見れてアイドル最後の夢を一緒に叶えてくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。解散まで残り1ヵ月ちょっとの時間で、今までの感謝の気持ちを伝えられるように笑顔で最後終わりたいと思うので、変わらずにずっとついて来てくれたら嬉しいです。本日は本当にありがとうございました。

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来栖りん：
まず本日は平日にも関わらず、初めての日本武道館公演に時間を割いて会いに来てくださって本当にありがとうございます。ニジマスの解散が決まった時に、自分自身が寂しいって気持ちはあったんですけど、1番最初に浮かんだのはみなさんの顔でした。武道館に立ちたいっていうのは言ってはいたんですけど、解散が決まったと同時に叶わなくなった夢になっちゃったというか、解散決まったから、あと半年で武道館に立つことを叶えようってその時はならなくて……ぱるちゃん（森）は、絶対武道館立ちたいってずっと隣で言ってくれてたけど、私は解散が決まってから、無理な夢を口にすることで、私たちがまだ完全燃焼できてないんじゃないかとか思って、夢を少し諦めてしまったんです。でも、やっぱ夢は夢だし、ずっと想ってたことは消えてくれなくて……。ライブで開催発表があった時は本当に嬉しくて。嬉しいと思って泣いてる自分を客観的に見た時に、叶えたい夢がまだあったんだっていうのが改めて感じれたのが、アイドルしっかりやってたなとか、すごく愛を持ってグループにいれたんだなあって実感できた瞬間でした。そう思わせてくれた運営さんも、実現してくれたファンのみなさんにも感謝しています。今こうして武道館に立って夢が叶ったこの景色を見て、本当にニジマスでよかったって思うし、ニジマスのファンがみなさんでよかったってすごく思うし、解散ライブまでずっとずっと観ていてほしいです。武道館が終わったらとか、夢叶ったからとかじゃなくて、ニジマスが終わってもそれぞれの道を、みなさんが心の底から応援してきてよかったなと思っていただけるようなグループでありたいなと思うので、これからもぜひ最後まで見守ってください。本日は本当にありがとうございました。

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中村果蓮：
今日はお越しいただきありがとうございました。コロナ禍になって、配信ライブが多くなったりして、ニジマスのライブに来てくださってた方は、コロナ禍でも楽しいライブに変わりないけど、心残りがあったり……地方でのライブで来てくださる方もたくさんいて、うちわとかも作ってくれたりして……そうやって応援してもらえるって思うと力になりました。武道館でのライブもみんながしたいって言ってたのをずっと聞いてたし、自分も立ちたいなって思ってたから、毎日みんな武道館についてSNSで投稿してるのに対して、ファンの方が楽しもうねとか前向きに毎日たくさんのメッセージをくれるのが本当に嬉しくて、今日も公演が始まるギリギリまでいっぱい連絡をくれて最後まで楽しめることができました。こうやって5人でライブをしていける回数も少なくなってるけど、ニジマスとファンの方とまだまだ楽しい想い出を作っていきましょう。今日はありがとうございました。

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江嶋綾恵梨：
本日は、日本武道館公演に来てくださって本当にありがとうございます。この6年間は3人（森、吉井、来栖）とは、最初からずっと一緒で、当時は学生だったファンの人も今は社会人になっていたり、私たちが頑張っている姿を観て、エネルギーをもらったとかたくさん言ってくださって、私たちのこの6年っていう数字とともにファンのみなさんの1日1日もどんどんどんどん変わっていく中で、そこに変わらずニジマスっていう存在があり続けてるのも嬉しいです。曲を出すたびに、MV観たよとか、曲聴いたよとか、アイドルをやっている上で当たり前のことなのかもしれないけど、1つひとつの声援だったり、特に今の状況になってからSNSの大切さを改めて感じています。これまでは、ライブでいかにハコを大きくして、どれだけの人に来てもらって、次はまたステップアップしたハコでのライブを目標にやってきたけど……それだけがすべてじゃないし、それこそインターネットサイン会とか、いろんな配信をやらせてもらったり、私たちにできることってなんだろうってすごく考えさせられた1、2年だったなって思います。その中で果蓮が入ってくれて、もともと4人は絆が深いメンバーだったけど、ニジマスに明るい光が入ってくれたみたいに雰囲気もさらによくなって、今こうして5人になって、ここまで駆け上がってこれたというのは、私たちの自信にも繋がりました。新曲（「未来へのハーモニー」）の歌詞にもあるとおり、頑張れば全部報われるわけじゃないけど、やっぱり日々頑張って何かを努力することで、チャンスが来た時に、そこにいかに飛びつけるかって大事だなって思いました。アイドルをしてたくさん大変なことがあったけど、こうやって武道館で、このメンバーで、笑顔でアイドルができるっていうことが誇りだし……努力してきたことが無駄じゃないなって思うので……ファンの人も今それぞれ頑張っていることや、悩んでいること、ウマくいかないことがたくさんあると思うし……でもその中でニジマスの曲を聴いたり、そこに私たちがいることで意味を見出してくれたら嬉しいです。絶対今頑張ってることが無駄じゃないって私は思うから。来月ニジマスっていうグループは解散してしまいますけど、私たちが今まで作ってきた想い出や、楽曲や、伝えたいメッセージは、今ありがたいことにネットにたくさん載ってるし、曲もたくさん聴けるので、10月以降も困った時はニジマスにたくさん元気をもらってほしいなって思います。この武道館のライブで一緒の時間を過ごせたことをずっとずっと誇りに思っていただけたら幸いです。今日は、本当にお忙しい中貴重なお時間を私たちにくださってありがとうございました。

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5人は時折涙を見せ、言葉に詰まりながらも、一言一言を噛み締めながらファンに大切に届けた。

“私たちの……最後の夢が叶ったこの場所で……今日来てくださったみなさんと、配信を観てくれているみなさんと、ここにいるスタッフさん全員に……ありたっけの愛を込めて歌います”という来栖の言葉から「心から... 」へ。5人は、センターステージとメインのステージの左右いっぱいに分かれて、観客1人ひとりに手を振りながら、歌い上げていく。メンバーの感謝の気持ちに応えるように、途中ステージモニターに“夢を叶えてくれてありがとう”というファンのメッセージボードが映し出される。《振り返れば思い出になって》という歌詞に合わせて、振り返って客席を見た来栖が、涙で声を詰まらす場面もあった。

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5人が夢を叶えた日本武道館公演のフィナーレは、とびきりポップな夏ソング「ちゅるサマ！」。客電がつき、会場全体が明るく照らされると、ステージから銀テープも発射される。5人はこの日1番の笑顔を見せながら歌い踊り、《Jump》の部分では会場が一体となってジャンプ。光り輝く多幸感あふれる空間を作り出し、ライブを締めくくった。

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パフォーマンス後には、改めて会場全員に感謝を伝え、最後はメインステージの中央に5人が揃って、マイクを使わずに“ありがとうございました！”と一礼。別れを惜しむようにして“大好きだよー！”と叫んで、ステージをあとにした。

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自分たちの信念に忠実で、ファンに寄り添い続けて来た彼女たちのこれまでの歩みのすべてが、この日本武道館という夢の舞台に帰結した。しかし、彼女たちのアイドルとしての旅路はまだ終わっていない。10月30日まで、26時のマスカレイドの真っ直ぐすぎる想いを受け取れる時間は残されている。

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