左から、中鉢健太氏(<六本木アイドルフェスティバル>イベントプロデューサー)、沖口優奈(マジカル・パンチライン)、前田健太郎氏(<六本木アイドルフェスティバル>総合プロデューサー)

マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第4回:<六本木アイドルフェスティバル>総合プロデューサー前田健太郎/イベントプロデューサー中鉢健太(前編)「メンバーも運営もファンも全力でステージに向かっているので、こちらも本気で最大限のイベントを作りたい」 マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第4回:<六本木アイドルフェスティバル>総合プロデューサー前田健太郎/イベントプロデューサー中鉢健太(前編)

沖口 優奈(マジカル・パンチライン)

Pop'n'Roll Chief Discovery Officer

2022.07.23
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マジカル・パンチラインのリーダー兼プロデューサーを務める沖口優奈が、さまざまなプロデューサーに話を聞きながら自身のプロデュース力の向上を目指す本企画。第4回目のお相手は、アイドルイベント<六本木アイドルフェスティバル>(以下、RIF)の総合プロデューサーを務めるテレビ朝日の前田健太郎氏と、同・イベントプロデューサーの中鉢健太氏。毎年<テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION>内で開催されている<RIF>には、これからシーンを牽引していくであろうニューカマーから、長年活躍を続けるベテランまで、幅広いアイドルが出演。今年は、3年ぶりに3デイズ開催となり、マジカル・パンチラインの初出演も決定している。前後編の2回にわたってお送りする「沖Pの教えてプロデューサー」の前編となる本日は、両氏がテレビ業界を目指したいきさつをはじめ、<RIF>の誕生、キャスティングなどについて、沖口が話を訊いた。

編集協力:井手朋子

僕ら的には<RIF>、<TIF>、<@JAM>で自称三大アイドルフェスティバルです(笑)

沖口:
<六本木アイドルフェスティバル>の話を伺う前に、そもそもなぜおふたりがテレビ業界に就職することになったのか教えていただけますか?

前田:
高校生の頃『ASAYAN』にモーニング娘。が出ていて、言い方は悪いけど素人さんが急にスターになるというのを観ていたんです。鈴木亜美さんとCD対決をやって負けちゃったけど、「LOVEマシーン」がヒットして、『うたばん』とか『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』で活躍するわけですよ。その頃自分は鹿児島で浪人生活を送っていたんですけど、鈴木亜美に負けても「LOVEマシーン」で逆転ってあるんだって、勝手に自分と重ね合わせてモーニング娘。を応援していたんです(笑)。もともとテレビへの憧れはあったので、モーニング娘。が活躍する番組を観て、大学生の時により鮮明にテレビの道を志そうと思いました。もともと高校球児だったので『熱闘甲子園』を作りたいっていう気持ちがあったんですけど、それはバラエティやアイドルで上書きされて、テレビ業界を目指していく中で、結果的にテレビ朝日に入社しました。

沖口:
モーニング娘。さんの存在が大きかったということですね。

前田:
そうですね。『ASAYAN』のように、テレビの力でタレントさんじゃない一般の子たちが急にスターになるっていうムーブメントが当時流行ってたんです。タレントさんも歌手活動をやって、ポケビ(ポケットビスケッツ)といった番組内で組んだユニットが歌を出したり。テレビからヒットソングやスターが生まれるのを目の当たりにして、自分もそういうことをやりたいと思ってテレビ業界を目指しました。

沖口:
中鉢さんは?

中鉢:
僕はもともとフジテレビがすごく好きなテレビっ子で、フジの深夜バラエティを観ている中で、ふとアイドリング!!!を目にしたんです。最初はバラエティ感覚で観ていたんですけど、どんどん彼女たちのパーソナリティや曲も気になるようになって、高校2年生ぐらいの時にアイドリング!!!にハマり始めたんです。地元が宮城だったので、大学で上京して初めて参加したイベントがアイドリング!!!のライブでした。いわゆるアイドル戦国時代が始まった頃だったので、ももクロ、スマイレージ、東京女子流とか、アイドリング!!!がきっかけで知るようになって、その流れで<TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)2011>に行ったんです。そこからアイドルの幅や広がりを知ってアイドルヲタクになりまして。テレビ局がアイドル番組やアイドルイベントを作るということを見てきたので、僕もアイドル番組やイベントに携わって、お世話になったアイドルさんたちに何かしら恩返しをしたい……そう言うと高尚な感じに聞こえちゃうかもしれないですけど、そういうことを自分も手掛けてみたいという想いでテレビ業界を志し、結果テレビ朝日に拾ってもらいました。

前田:
中鉢は“TIFを超えるイベントを作りたい”と言って、テレビ朝日に入ってきたんですよ。テレ朝は当時イベントこそなかったですけど、ももクロやでんぱ組.incと一緒にやっている配信番組が多かったんです。中鉢のそんな想いをくんで、<六本木アイドルフェスティバル>は意図的に<RIF>と略していて、<TIF>の前の週にやることになりました。<RIF>を立ち上げる前、僕は『アイドルお宝くじ』という番組をプロデュースしていて、彼がそのイベント担当だったんです。そこで番組はいつか終わるから、番組が終わっても続いていく独立したアイドルイベントを作りたいという話になって。<@JAM>の総合プロデューサーの橋元(恵一)さんに“1回ウチと組みませんか?”という話をして。<@JAM>は、今は日本テレビさんと組んでいますけど、その前はナタリーさんとかほかのメディアといろいろやっていたので、<@JAM>と『アイドルお宝くじ』のコラボをしたんです。その時に“イベント名はわかりやすい方がいいですよ”って橋元さんがアドバイスをくれたから、“じゃあテレビ朝日アイドルフェスティバルで”って言ったら、“あれ? 略したら<TIF>じゃん!”って(笑)。

沖口:
あはは(笑)。

前田:
それはさすがに<TIF>ファンからお叱りを受けるだろうと。だけど、当時アップアップガールズ(仮)がウチの番組によく出ていたこともあって、<TIF(仮)>って発表したんです。それはちゃんと<TIF>の総合プロデューサーの菊竹(龍)くんにも事前に話していたので、情報解禁した2秒後ぐらいに彼がリツイートしてくれて。後ほどちゃんと“正しくは<六本木アイドルフェスティバル>です”って発表しましたけど。とにかく<TIF>を超えたいという想いがあったので、敬意を表して俺らが<TIF>の前座イベントだということは菊竹くんたちには言ってあって。もちろん<SEKIGAHARA IDOL WARS>とか<NATSUZOME>とか大型アイドルイベントはありますけど、僕ら的には<RIF>、<TIF>、<@JAM>で自称三大アイドルフェスティバルだと(笑)。

前田健太郎氏(<六本木アイドルフェスティバル>総合プロデューサー)

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