マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第4回：＜六本木アイドルフェスティバル＞総合プロデューサー前田健太郎／イベントプロデューサー中鉢健太（前編）「メンバーも運営もファンも全力でステージに向かっているので、こちらも本気で最大限のイベントを作りたい」マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第4回：＜六本木アイドルフェスティバル＞総合プロデューサー前田健太郎／イベントプロデューサー中鉢健太（前編）

今のシーンの先頭を走るところもこれから来るところも、今なお頑張り続けるベテランも観られる

沖口：
アイドルのSNSを見ていると、その三大アイドルフェスティバルのイメージはあると思います。

前田：
いや、ないないない（笑）。それはちょっと無理があるでしょ（笑）。だけど、結果的に＜@JAM＞も日テレさんが入ってるし、＜TIF＞もフジテレビさんだし、＜RIF＞はテレ朝なので、3つともキー局が携わっています。ほかにも＜アイドル甲子園＞さんとか大きいイベントはいっぱいあるけど、菊竹くんと橋元さんとは仲がいいので、勝手に三大アイドルフェスティバルと呼ばさせていただいてますね。そう言えば橋元さんが、中鉢は＜@JAM＞には招待で来るくせに、＜TIF＞にはいまだに自腹で行き続けてるって怒ってたよ（笑）。

中鉢：
はい（笑）。＜TIF＞は原点みたいなところがあるので、客として行って挨拶回りは一切せずにステージだけを観て帰りますね。

前田：
そうそう、だから＜TIF＞にリスペクトとシンパシーを込めてね。規模感で＜TIF＞に勝てることはないんだけど、何か＜TIF＞に勝るものをって。僕らは＜テレビ朝日・六本木ヒルズSUMMER STATION＞というイベントの中でやっていることもあって、ステージが1つしかなくて、菊竹くんに“フェスなのに1ステージなんですね”って言われるんですよ。1度だけテレビ朝日の屋上にステージを立てることも考えたんですけど、正直そこまで手が回らないし、勝手に＜SUMMER STATION＞の中身は変えられないので、あくまで僕らは1ステージでやろうと。＜TIF＞と＜@JAM＞はいくつもステージがあるので、お客さんからすると“この時間にこのグループを観に行きたいのに、こっちと被ってる〜！”っていうのが醍醐味っていうのもあるかもしれないですけど、僕らは逆を行って、＜RIF＞の1つのステージだけで、今のシーンの先頭を走るところもこれから来るところも、今なお頑張り続けるベテランも観られると思ってます。そこを目指してずっとやって来てるところはあります。話を戻すと、中鉢くんの入社動機は、“TIFを超えるイベントを作る”ってことで、フジテレビさん以外のところに入りたかったんだよね。

中鉢：
そうですね。当時、『ももクロChan』や『でんぱの神神』などテレ朝がアイドルの配信番組を多くやっていたこともあって。

沖口：
意外でしたけど、＜TIF＞の菊竹さんは、“最初はアイドルにそこまで興味がなかった”って言っていました。

前田：
菊竹くんは、いまだにアイドルへの興味が強くないからね（笑）。彼はあまり感情移入しない代わりに俯瞰で見ていて、その一方で＜TIF＞は別の担当プロデューサーがアイドル側と接する感じで、役割分担してるよね。僕や橋元さんはどちらかと言うと、アイドル側と距離感が近くて、今推してるアイドルを……とか感情が出ちゃうんですよ。よく橋元さんにも“どこまで義理堅いんだ”って言われますから。わかりやすく言うと、今、はっちゃけ隊に出演時間を20分も渡すアイドルイベントは、ウチしかいない（笑）。3年前なんて25分でしたから（笑）。はっちゃけ隊は、マストで出演が決まっています。彼女たちが解散って言わない限りは、永遠に出ていただこうかと。去年はMCが玉井さん（杏奈）だったから、たまたま増井さん（みお）が観に来ていて、玉井さんがステージに増井さんを引っ張り出してきて（PASSPO☆の）7人中6人が揃いました。

沖口：
それはすごいですね（笑）。

前田：
アプガやPASSPO☆は、僕らが『アイドルお宝くじ』をやっていた頃に一緒になる機会が多くて、彼女たちの形が残っているのであれば出てほしいなと。＜TIF＞や＜@JAM＞は規模も大きいから、どんどん新しいところを発掘してシーンを活性化させたいという想いがあると思うんですけど、僕らは呼べる組数が限られていて。だから、キャスティングに関しては、スタッフで毎回血みどろの喧嘩です（笑）。中鉢ともう1人、アイドルが好きな檜谷さんというスタッフがいて、3人でドラフト会議をするんです。その中では、僕が1番発言力は大きくて、中鉢が2番目、檜谷さんは3番目で、僕は3組推薦できて、中鉢は2組、檜谷さんは1組で。だけど3人のうち2人が納得しないと当確が出せないから、1人しか推していなかったら、僕ですら1回下げるわけです。イベントの前には、そんなことをなんだかんだ2ヵ月ぐらいやっています。だから決まらない、決まらない（笑）。中鉢くんたちはもともとアイドルが好きだから、わざわざお金を払って観に来てくれるファンのことを考えていて。でも、僕はどちらかと言うと一緒に仕事をしてきた中で頑張ってほしいなと思うグループを推すというか。ブッキングに関しては、そんな感じで毎年3人がそれまでの1年をかけて喧喧諤諤やっています。僕らは、＜TIF＞や＜@JAM＞みたいに毎月のように何かしらのイベントをやることができなくて、たまたまEX THEATER（ROPPONGI）が空いた時に単発でやるぐらいなんです。でも、毎年少しでもシーンのお役に立ちたいと思いながら1年間過ごしていて、その情熱はあります。

ポスト