【ライブレポート】さくら学院、2018年度卒業公演「さくら学院生で本当に最高でした!」

【ライブレポート】さくら学院、2018年度卒業公演「さくら学院生で本当に最高でした!」

Pop'n'Roll 編集部

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2019.03.31
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さくら学院が、3月30日に神奈川県民ホールにて、2018年度卒業公演<The Road to Graduation 2018 Final ~さくら学院 2018 年度 卒業~>を開催した。さくら学院は、中等部卒業と同時にグループを卒業するという鉄の掟のもと、2010年の開校から転入と卒業をくり返しながら、メンバー1人ひとりの成長とともにグループとしても大きく成長してきた“成長期限定ユニット”。この公演では、1年間生徒会長を務めた新谷ゆづみと、トーク委員長の麻生真彩、はみだせ!委員長の日髙麻鈴の3名がグループを卒業した。

花曇りのこの日、彼女たちの卒業を見送ろうと駆けつけた2,200人の父兄(ファン)が見守る中、2018年度の集大成といえる渾身のパフォーマンスと満開の笑顔で、この晴れやかなステージを飾った。

始業のチャイムが鳴り終わると、担任の森先生が神妙な面持ちで出席をとり始める。そこへ、湿っぽい空気はなしなし!と言わんばかりに、「目指せ!スーパーレディー -2018年度-」のイントロをバックに12人のメンバーが元気よくステージに飛び出した。この曲は、メンバー1人一人のキャラクターを紹介する自己紹介ナンバー。2018年度バージョンが聴けるのも、今日が最後だと思うと感慨深い。続いて、メンバーに合わせてさくら色のフラッグが揺れる「Hello!IVY」は、初期から歌い継がれてきたポップチューンだ。

「Hello!IVY」<The Road to Graduation 2018 Final ~さくら学院 2018 年度 卒業~>| 神奈川県民ホール 大ホール(2019年3月30日)

自己紹介の後、中等部2年の有友緒心から“卒業の実感はありますか?”と聞かれた3人は、“まだ実感がない”と同じ感想を正直に口にする。拍子抜けするメンバーを尻目に、“さくら学院を愛するすべての父兄さん! 完全燃焼する準備はできてますかー?”と元気いっぱいに会場を煽る麻生。その勢いのままビートの効いたポップロックチューン「FLY AWAY」では、息の合ったキレのいいダンスで、2018年度新曲の「Fairy Tale」ではキラキラとした歌声とキュートなパフォーマンスで会場を魅了。一斉にタオルを回すパフォーマンスは、会場を一体化させた。

「Fairy Tale」<The Road to Graduation 2018 Final ~さくら学院 2018 年度 卒業~>| 神奈川県民ホール 大ホール(2019年3月30日)

2018年度の1年間の活動を追った映像を挟んで披露されたのは、部活動ユニットによるステージ。新谷を中心に森萌々穂、野崎結愛の3人で2018年度に結成した美術部 Art Performance Unit“trico dolls”が、4つ打ちのポップチューン「C’est la vie」を表情豊かにパフォーマンス。帰宅部 sleepieceは、この日限りの卒業スペシャルとして麻生、日髙、藤平華乃の3人で復活。パジャマ姿で「すいみん不足」と「めだかの兄弟」のメドレーを元気いっぱいに歌った。

最後に登場したのは吉田爽葉香、有友による購買部。ボケツッコミを交えながらのグッズ紹介は息もピッタリ。メガホン片手にステージを駆け回りながら「ピース de Check! ~年度末大決算セール~」を披露した。購買部の2人と入れ替わるようにステージに登場した新谷、麻生、日髙は、3人の出会いから今に至るまでの思いを語る。その中で、“中3になって転入式であーだこーだあって、話しづらくなってしまったんですが、麻鈴の存在があったからこそ、真彩とゆづは仲良くなれたと思うし、3人の絆が深まったと思います”と、麻生が生徒会長任命を巡り、新谷との間にわだかまりがあったことを告白。そんな思いを乗り越えて深めた絆を確かめ合うように披露されたのは、3人による「clover」。信じる道を目指して前に突き進んでいくこの曲は、強い意志を持った彼女たちの姿そのもの。3人の揺れのないユニゾンは、聴く人の心を打った。そして12人で少女ならではの心の機微を歌った「未完成シルエット」をじっくりと聴かせた後、2013年度の卒業ソングだった「Jump Up ~ちいさな勇気~」へ。曲の終盤、カノン進行のメロディに乗せて、一列に並んで聴かせた12人のハーモニーは圧巻。MCの後、新谷を中心に聴かせたのは2012年度の卒業ソング「My Graduation Toss」。こうして歴代の卒業ソングが披露されるたびに、終わりを実感し、心がキュンとしてしまうのは、さくら学院の卒業公演ならでは。物語を表現する1人ひとりの表情やパフォーマンスが光る「スリープワンダー」、そして疾走感のある「約束の未来」と会場のテンションをMAXまで引き上げると、麻生が“真彩が大好きなメンバーのことを思って歌います”と紹介した「Carry on」を熱唱し、本編を終えた。

「clover」<The Road to Graduation 2018 Final ~さくら学院 2018 年度 卒業~>| 神奈川県民ホール 大ホール(2019年3月30日)

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