【連載】沖口優奈×槙田紗子（後編）「アイドルって不思議で、なかなか辞められない何かがあるんだなって思います」 マジカル・パンチライン 沖口優奈「沖Pの教えてプロデューサー」第2回：『SACO PROJECT!』プロデューサー・槙田紗子（後編）

編集協力：竹内伸一

移籍ってそんなに簡単にできるの？って驚いちゃう（笑）（槙田）

沖口：
私、1つ気になったというか、惹かれたことがあるんです。オーディション公式サイトで求める人材として“アイドル経験者でラストチャンスを探している”と書かれていて。これには、どういうメッセージが込められているんですか？

槙田：
私がアイドルをやっていた時では考えられなかったことですけど、今はグループを辞めて、違うグループに加入したりするじゃないですか。

沖口：
最近、めちゃくちゃ多いですよね！

槙田：
でも、よく考えてみると、自分がどのグループに入るかって運と巡り合わせなんですよね。途中加入であれば、自分で選ぶこともできるかもしれないですけど。フタを開けてみたら、事務所は〜とかメンバーが〜みたいな（笑）。不運な話もめちゃくちゃ聞くので、まだアイドルをやりたいのに自分の意思とは反してできなくなってしまったのであれば、きっとそういう子は焦っていると思うんです。そういう子の中にも素晴らしい才能が絶対にいるはずだし、それだったら、ここ（サコプロ）に骨を埋めるじゃないですけど……（笑）。

沖口：
ここでアイドル人生を終える！みたいなことですよね（笑）。

槙田：
そう、墓にするみたいな（笑）。そんな決意を持っている人がいるのであれば、オーディションに参加してほしいなと思って、そういう子が参加できるようにしたんです。

沖口：
でも、ホントに（移籍が）増えましたよね。“えっ、あの子がこのグループに入ったの!?”って驚くことが多いです。

槙田：
そうですよね！　私からしたらびっくりなんですけど、今はそれが当たり前になっていて。それに、昔はそういうことがあっても、規模がごく小さいところの話だったのに、今は大手のグループでもありますよね。

沖口：
“48グループにいた子が、割と身近な知ってるグループに入った”みたいなことがあります！

槙田：
移籍ってそんなに簡単にできるの？って驚いちゃう（笑）。アイドルって不思議で、なかなか辞められない何かがあるんだなって思います。辞めてもまたやりたくなる。やっぱりステージでしか味わえないもの……アドレナリンの出方だったり、応援の熱量だったりって、クセになるんでしょうね（笑）。

沖口：
アイドルでないと感じられないことって、やっぱりありますよね。私は、大学に進学せずにアイドルになったので、友達と話をすると“普通の学生だったらそんな生活を送っていたのかな”って思うんですけど、逆にその子たちには体験できていないこと、アイドルだから経験できたことがたくさんあって、それが自分の中での1つの自信になっていて。それを知ってしまったら、もう後戻りできないと思います（笑）。

槙田：
そうなんですよ！　私も、今でもライブを観ると“いいな、やりたいな”って思いますもん。“今日はいい疲労感だろうな。アドレナリンが出ちゃって、帰っても夜寝れないんだろうな”って（笑）。

沖口：
足とかめちゃめちゃ疲れているのに、寝れないんですよね（笑）。しょうがないからずっとTwitterを見てます（笑）。

槙田：
ずっとエゴサしちゃいますよね（笑）。あの感じとか、超楽しいじゃないですか。私はもう辞めてしまって味わえないので、余計にいいなって思います。すっごく刺激的な体験だと思うので、アイドルってなかなか辞められないんでしょうね。