BABYMETALからPassCode、我儘ラキアまで Bring Me The Horizonに魅せられたアイドルたち|「偶像音楽 斯斯然然」番外編 「偶像音楽 斯斯然然」番外編
冬将軍
音楽ものかき
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ヘヴィメタルの新たなる可能性を提示し続けているイギリスのバンド、Bring Me The Horizon。彼らの影響力は洋邦のバンドに止まらず、日本のアイドルにも及んでいる。今回、冬将軍がそんなBring Me The Horizonの音楽性の深さを紐解きながら、彼らに影響を受けつつも独自のサウンドを聴かせているアイドルの楽曲とその魅力を綴る。
2019年11月、さいたまスーパーアリーナでのBABYMETALの日本公演<METAL GALAXY WORLD TOUR IN JAPAN>に、Bring Me The Horizonがゲストアクトとして出演した。現在のロックシーンにおける、メタルの立ち位置について、疑問を投げかけながら活動している日英2アーティストの共演だった。海外フェスなどで交流を重ね、お互いの音楽とスタンスをリスペクトし合ってきたからこそ実現したものである。
言わずもがな、BABYMETALはさまざまな方向性からメタルに新風をもたらし、あらゆる可能性を提示してきた。それは同時に、新たにメタルを再定義するかのごとく、保守的な音楽ファンに投げかけるアンチテーゼのようにも思えた。片やBring Me The Horizonはデスコアの出自ながら、さまざまな音楽を吸収、ポップミュージックからエレクトロなダンスミュージックまで呑み込み、メタルとは何か? ロックとは何か?を探究し続ける唯一無二の存在である。
そんな2アーティストは、昨年2020年にリリースされたBring Me The HorizonのEP『POST HUMAN: SURVIVAL HORROR』収録の「Kingslayer」でコラボを果たした。
Bring Me The Horizon - Kingslayer (Lyric Video) ft. BABYMETAL
楽曲自体はBABYMETALを意識したというより、SU-METALの声を活かしたものと思われる。彼女のネイティヴな英語とエフェクト乗りのよいボーカルがクールに響くサイバーパンク。Code OrangeやVeinといった新世代ハードコアに対するカウンターか?……というのが最初の印象であったが、落ちサビ前に入る日本詞《さあ 時の 扉を開けて 行こうよ》のセクションはギターリフ含め、BABYMETALをオマージュしているところも見受けられ、聴けば聴くほどに抜け目ない楽曲だ。
BABYMETAL視点で語られることが多い同曲。逆にBring Me The Horizonからの視点で考えるとまた違った見方ができるはずだ。
そもそも、海外のみならず、日本における影響力も大きいBring Me The Horizonとは、一体どんなバンドなのか。
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