©️ 2020「ゾッキ」製作委員会

松井玲奈[イベントレポート]「この役⁉こんな面白い役、人生で2度と無い!」映画『ゾッキ』愛知県横断舞台挨拶より

Pop'n'Roll 編集部

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2021.03.29
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松井玲奈が、3月27日(土)にミッドランドスクエアシネマにて開催された実写映画『ゾッキ』の<愛知県横断舞台挨拶>に竹中直人監督、山田孝之監督、齊藤工監督らと登壇した。本記事では、同イベントのオフィシャルレポートをお届けする。

『ゾッキ』発祥の地となる蒲郡市から愛知県へ、そして全国へ映画の魅力を伝えるべく実施する運びとなった今回の愛知県横断舞台挨拶。1日目となる27日(土)は、豊橋市からスタートし、豊川市、岡崎市、豊田市、そして名古屋市の劇場を巡って、愛知県での先行公開の喜びや撮影の想い出など、さまざまな裏話をたっぷり語ってきた。

ミッドランドスクエアシネマでは、折返しとなる第5回目の舞台挨拶を実施。愛知県豊橋市出身である松井は、地元である豊橋から始まり、名古屋へと到着した、この横断舞台挨拶を経て“たくさんの方に観ていただけて、こうやって生でみなさんにお会いできて、ど嬉しいです。ちょっとでも、この映画を好きだなと思ってくださったら、その想いを友達に勧めてほしいです。”と地元愛を感じさせる三河弁で作品をアピール。

4劇場を巡る中で、各市の市⻑に会い、数々の名産品を受け取ってきた3監督たち。これまでの舞台挨拶を思い返して、“名産物、たくさんいただきましたね。山田くん?”と竹中監督。

振られた山田監督は“そうですね、えー……”と朝から行なわれてきた舞台挨拶を思い返していると、松井さんから“八丁味噌とか、ちくわとか”と助け舟が。齊藤監督は“このキャンペーンを、続けたら生活していけますね。こんなに立て続けに市⻑にお会いすることもないので、貴重な体験でした”と冗談交じりにコメント。場内の笑いを誘いつつ、これまで巡ってきた各劇場の手厚いおもてなしに、感動した様子を見せていた。

劇中、白塗り&スキンヘッドの幽霊のような女という強烈な役を演じた松井。竹中監督からオファーをいただいた際、“この役⁉ こんな面白い役、人生で2度と無い!”と思って、オファーを快諾したという。

難しい役所でもある中で、竹中監督は“存在しているようで、存在していない役というか……。原作にこの1コマがあったからこそ映画『ゾッキ』は生まれたんです”と映画制作に関わる重要なキャラクターであったことを告白。“この役は松井さんじゃなきゃ困ると思っていました。特殊メイクまでしてくださって……。現場に来た時「本物だ!」と驚きました”とその完成度の高さに感激した様子。

山田監督、齊藤監督もこだわり抜いたキャスティングで臨んだ同作。どの監督もそれぞれの人選に、一目置いていたそうで“山田組も齊藤組もこの人できたかと驚きました。伴くんはマンガから出てきたようだし、藤村役も、「龍平できたか‼」と、孝之の演出で龍平が現れた時は圧倒されました”と当時の驚きを明かす竹中監督。

そんな山田監督も、“(他の配役を)聞く度に、面白いなと思っていました”とコメントし、役者さんが決まっていく度に、リスト化されていく情報を見て驚いていたそう。

齊藤監督は“コンビニシーンでのあるジェスチャーを、圧倒的な説得力で演じた松田龍平さんに、ものすごく影響を受けました。その素材で伴くんという物語が始まったとも言えます”と3監督の共同制作である、同作ならではのエピソードを披露した。

さらに、“竹中組はすごすぎて……。”と言葉をなくしつつも“竹原ピストルさんと倖田來未さん。誰がこのキャスティングを実現できようか……。自分にはできなかったですね。”と竹中監督の手腕に脱帽していた。

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SNS上で事前に寄せられた“原作マンガの『ゾッキA』と『ゾッキB』で好きなエピソードは?”という質問が3監督へ投げかけられると、それぞれが自身の担当エピソードに触れた。

竹中監督は、“エンドロールを観た時に、初めて誰が何を担当したかがわかります”と最後まで映画を楽しむ秘密を明らかに。映画のタイトルにちなんで、“撮影中のゾキゾキしたエピソードは?”といった質問があがると、山田監督から“初めて聞く擬音ですね(笑)。自分なりに決めていいですか?”と鋭い指摘が入り、場内に笑いが起こった。

松井は、“ガラスを踏むシーンがあって……。踏んでも大丈夫なガラスと言われていたんですけど、刺さったらどうしよう……という想いと、パキパキ音が気持ちよくて。ゾキゾキしました”とゾッキらしい想い出を披露。

竹中監督は、初めて原作に出会った瞬間を思い出し“今お話されたガラスが割れて……という部分を、原作で見た瞬間に「映画化したい!」と思ったんです。ゾッキぞわ〜としたのを思い出しました”と映画化への熱い想いを、タイトルにちなんだ新しい言葉でコメントした。
山田監督は、撮影がなかった日に街を散歩していた際のほのぼのエピソードを披露しつつ、“その日、ホテルに戻って振り返った時に、「今日も本当にゾキゾキだったな〜」と感じましたね”と独自の感性を爆発させていた。

それを受けた齊藤監督は、“大喜利のよう……。しんどいです”と苦笑しながらも“編集で気づいた恐怖体験なんですが、九条さんが森さんに殴られて地面に倒れるといシーンの中で、九条さんが謎のリアクションを取っているんですよ。ヤギの鳴き声みたいな声が入り込んでいて。再現してもらおうとしても、できなかった奇跡の迷言なんです。これはゾキっとする出来事でしたね”と劇中でも強烈個性を発揮する九条の不思議な撮影秘話を明かし笑いを誘った。

そのほかにも、作家として活躍する松井に対し“3監督が出演する映画を撮るなら?”といった質問には、映画を撮るのはとても……。ただ、ファッションをテーマに本をアテ書きしてみたいですね“と気になる回答を贈った。

また、“映画を作るにあたって、ブレない軸はありましたか?」といった質問に”孝之や工への信頼“と答える竹中監督の姿も。終始盛り上がりを見せていた。

最後に、竹中監督は“映画を作るってタイミングと運が大事なんです。素敵なキャストとスタッフが集まった、最高の時間になりました。みなさんにとっても素敵な2時間になっていると思います。楽しんでください”とこれから上映を楽しむ来場者へメッセージを贈り、舞台挨拶は幕を閉じた。

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