【連載】沖口優奈×SmartNewsコミュニケーションディレクター（後編）「指示を出す時にやらないことを決めてあげる」沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第11回：SmartNewsコミュニケーションディレクター（後編）

私の中のリーダー像が大きく変わりました（沖口）

沖口：
いろいろなお仕事を経験されてきた中で、心が折れそうになったことはありますか？

松浦：
うーん、どうだろう……それこそ、ライブドアの時に会社に検察が乗り込んできたのには驚きましたけど。世間一般的には、これでライブドアは終わりだって思われていたし、所属している会社に検察が乗り込んで来るなんて、やっぱりビビるじゃないですか。実際、辞めた人もいましたし。ただ、自分は、まあ、なんとかなるんじゃないかなと思っていたんですよね。あ、最初にやった仕事が宇宙開発に関わるものだったんですよ。宇宙開発って、ミスがあると最終的には人の死につながるんです。それを経験したので、そのあとは“これを間違えても、人は死なないし、まあ、いいか”って思うんですよね。だから、心が折れるってことはないかもしれないですね。仕事上のミスは誰にでもあることですしね。ミスによってお金の損失が出ることもあるかもしれませんけど……もちろん、いいことではないですし、ミスをした本人は気に病んだりもするんでしょうけど、人の生死に関わることではないのであれば、わりと気楽に考える。そういう精神構造になってしまったので、あんまり参っちゃいないんだよね（笑）。

沖口：
心が折れることはない？

松浦：
あんまりないです。結局、仕事を楽しむことがまずは大事かなと思うんです。とはいっても、仕事を始めたばかりの頃は、上司の顔を見たくないなとか、現場に行きたくないなって思うこともありましたよ。でも、途中から、自分が持っている個人目標に向けて仕事をしているんであれば、モチベーションをそこに向ければいい。そして、すべてはそこに向けての乗り越えるべきハードルだと考えればいいと思うようになったんです。ハードルを越えたら、さらに多くの方々を幸せにできると考えれば、まあ、なんとかなるか……そんな風に考えられるようになったんです。だから、気の持ちようですよ。目先の仕事ばかりに追われているとつらくなってくるけど、先を見据えてやれれば乗り越えられるんじゃないでしょうか。

沖口：
自分の目標に近づくためだったら、目先の嫌のことも乗り越えられるはずってことですね。

松浦：
そうそう。これを乗り越えたら、こんなに素晴らしいことが待っているよと。さっきの免許の勉強の話と一緒ですよ。僕も、免許を取得するために勉強するのは、それだけだったらめちゃくちゃ嫌ですよ。でも、そこを乗り越えたら温泉に行けるぞって思えばね。先を見据えれば、勉強も頑張ろうかとなりますよね。それがもし、乗り越えられないレベルのものならば、逆にそもそもの目標なんてちっちゃいものなんだと思えばいい。

沖口：
今のお仕事をされている中で、やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか？

松浦：
もう、それはすごく単純なことで、電車なんかでSmartNewsのアプリを使っている人を見ると、“ああ、良かった、僕たちが伝えた情報が、ちゃんと伝わっているんだ”って安心しますし、そういう場面を目の当たりにすると、これはもう嬉しいですよ。

沖口：
私は、以前、アイドルがニュースを語る番組（Kawaiian TV『えりぬきアイドルがその場で調べるニュースの結論（略して）バラ売り』）に出演していたんです。それまでは、ネットでニュースを見る習慣がなかったんですけど、その番組がきっかけで、ネットでニュースを必死に調べるようになりました（笑）。SmartNewsさんもめちゃめちゃ使わせてもらっていました。SmartNewsさんは、面白い記事がありすぎて、時事ネタを調べようと思っていたのに、気がつくとコラムを読んでいたりすることが多くて（笑）。ついつい寄り道をしちゃうんですよ。

松浦：
でも、それが正しい状態なんだと思います。政治や経済、国際情勢など、もちろん重要なニュースだとは思いますけど、そればかりにしばられると、視界が広がらないというか、僕らは、いろいろな情報に雑多に触れるようにしてほしいなと思ってやっています。だから、コラムも読んでほしいです。グルメの美味しい情報だって、良質な情報という意味では、ニュースと変わらないんですよ。そんな風にいろいろな情報に触れられているんであれば、むしろ正しい使い方とも言えるんじゃないでしょうか。

沖口：
正しい使い方だったんだ！　いつも“ああ、寄り道ばっかりしちゃう。ダメだな”って思っていたんですよ（笑）。では、SmartNewsさんがほかのニュースアプリと差別化を図っているところ、1番の違いはどんなところでしょうか？

松浦：
体験と言えばいいのかな。ニュースを見るという体験自体は、ほかの環境でもできるし、もっと言えば、ソーシャルネットワーク上だってニュースを見ることはできますよね。でも、SmartNewsは、とにかく、人に情報を伝えるというところに全神経を注ぎ込んで作り上げたものなんです。より伝わりやすくなっていると僕らは信じている、体験としていいものが出来上がっていると信じているからこそ、SmartNewsは多くの人に使ってもらえているんだと思っています。

沖口：
ありがとうございました。今日は私の中のリーダー像が大きく変わりました。最後に、仕事をしているとストレスが溜まると思うんですけど、その解消法を教えてください。

松浦：
自分は“コミュニケーションディレクター”と名乗って、コミュニケーションを生業としているので、人とたくさん会うことがとても大事なんです。でも、本音を言うと会いたくなくなることもありますね（笑）。となると、誰もいないところに行く……。

沖口：
1人で旅をするってことですか？

松浦：
そうそう。1人旅かつ、なぜその時期にそんなことをするの？ってことをやります。

沖口：
冬に沖縄に行くとかですか？

松浦：
今年の正月は八丈島にいました。自分でも、なぜこんな寒風が吹きすさぶ空間にいるんだろうかとも思いましたけど（笑）。以前は「津軽海峡冬景色」の歌詞のように、冬景色を見に行って、死にそうになったこともあります。

沖口：
でも、そこに行けば1人になれるんですよね？

松浦：
誰もいませんでしたね。完全に1人になれるので、そこでボケェ～としています。まあ、寒すぎるとボケェ～とはしていられないんですけど（笑）。

沖口：
死の危険がありますからね（笑）。

松浦：
でも、そんな風に、ふらっと旅に出るのがストレス解消法です。

沖口：
いいかもしれませんね。私も1人でどこかに行こうかな（笑）。

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