【連載】沖口優奈×ファッションバイヤーMB（前編）「自分のために動かないことがリーダーにとっては大事なこと」マジカル・パンチライン 沖口優奈「ここの責任者、出してください❤️」第9回：ファッションバイヤーMB（前編）

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社会のためになることをやっていると応援してくれる人が現れるんですね（沖口）

沖口：
独立した時は1人だったと思うんですけど、どうやって仲間を増やしていったんですか？

MB：
ものすごくクサいことを言いますけど、正しいことをやっていれば、みんなが応援してくれると僕は信じているんです。例えば、『週刊SPA！』の犬飼（孝司／現・編集長）さんは、僕の有料メルマガの読者数が1,000人もいない段階で“本を出しませんか？”って声をかけてくれたんですよ。メルマガを配信していたポータルサイト「まぐまぐ！」でも人気ランキングは30位くらいでしたから、その時の僕って超ミニマムな存在ですよね。そんな段階で“本を出しませんか？”って声をかけられたら詐欺だと思いますよね（笑）。

沖口：
怪しいぞって思っちゃうかも（笑）。

MB：
“渋谷の某ホテルのロビーで打ち合わせをしましょう”って言われたんですけど、まだ新潟にいたので、渋谷で打ち合わせなんてしたことがなかったし、すごく怖かったのを覚えています。騙されないような格好で行こうと思って（笑）、普段はかけないメガネをかけて、普段あまり着ないテイラードのジャケットを着て行きました。

沖口：
格好から気合を入れたわけですね。

MB：
それなのに会ってみたら、犬飼さんから延々と洋服の話をされて。“この間のメルマガに書いてあったことはどういうことなんですか？”とか“あのポロシャツはなぜあんなに綺麗な形になっているんですか？”って（笑）。正直、自分は何の話をさせられているんだろうって思いましたよ。最後の最後に“じゃあ、ウチから本を出すってことで。詳しくは追々”って。

沖口：
新潟から渋谷まで出てきて、洋服の話をして帰ったんですね（笑）。

MB：
でも、今考えてみると、僕の仕事ってそんな感じで始まるんですよ。自分のキラーコンテンツは漫画で、監修している漫画は80万部くらい売れているんです。その始まりも同じパターンで、まったく有名ではなかった時に呼び出されて、話を聞きにいったら、2時間ずっとブランドの話をされました（笑）。ほかにも同じような例はたくさんあるんですけど、みなさんが言うのは“ほっといちゃダメだと思った”ってこと。“こんなにいい情報なんだから、世界に広めなくちゃいけない”って言ってくれて。なんでだろうって考えてみたら、僕が自分の仕事を魂込めてやっていて、お金を生み出すためにやろうとはまったく思っていないからなんです。僕がやっていることで、日本の男の人がオシャレになって幸せになってくれればいいというか、ファッションの力をもっともっと多くの人に与えていきたい、それによって幸せな人が増えてほしいと思ってやっていたら、みんなが応援してくれるようになったんですよね。僕が“金を稼いでやろう”と思ってやっていたら、きっと誰も応援してくれなかったと思う。応援してくれる人、助けてくれる人を増やすには、“助けてくれ”とお願いするんじゃなくて、社会にとってメリットのある正しいことをやることなんだと思います。そういうことを認識するようになってからは、常に“社会のために”ということを考えるようになりました。

沖口：
社会のためになることをやっていると応援してくれる人が目の前に現れるんですね。

MB：
世の中って、そういう構造になっている気がします。ホント、僕のこの10年間って物語みたいですよ。お金に困るタイミングって何度かありましたけど、そういう時に某有名証券会社で、日本のトップクラスの資産家と仕事をしているような人から連絡があって、“メルマガをいつも読んでいます。何か手伝えることはありませんか？”って声をかけてくれたりして。そういうことがすごく多いんです。最近、僕は化粧水を販売しているんですけど、それも“自分にも手伝えることはありませんか？”ってお話をいただいて、“じゃあ、僕は美容にも興味があるんで、そういうことをやりましょう”っていう感じで始まったんです。そんな風に、社会のためにと思ってやっていると、だんだん話が広がっていくので、自分のために動かないっていうことがリーダーにとっては大事なことだと思います。

沖口：
そうなんですね。犬飼さんの名前が出ましたけど、犬飼さんは、私たちよりも有名なアイドルグループや動員の多いグループとも仕事をしているのに、いつも私たちを応援してくれているんですよ。正直、なんで、私たちなんだろうって思うこともあるんです（笑）。

MB：
それって、やっぱり応援するに足りることをやっているから、犬飼さんのような人が現れるんだと思うんですよ。犬飼さんだって、困っている人がいたら誰でも助けてしまうような慈善家ではないわけですし、そこに何かがあるから助けたり応援したりする。その何かを作れているってことだと思うんで、そこは自信を持っていいと思うし、自信を持つことがリーダーシップにもつながっていくと思います。

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発売日：2020年2月19日

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